レビュー

ブラウザに表示されたボタンをクリックするだけでどんな情報が収集されるのかが分かるゲーム「Click Click Click」


「Click Click Click」はアムステルダムを本拠地とするインタラクティブデザインスタジオ「Moniker」のゲーム作品です。どんなゲームなのか、実際にプレイしてみました。

Click
https://clickclickclick.click/


サイトにアクセスすると、白い画面の中央に大きな緑色のボタンが表示されます。ボタンにはそのまま「Button」と書かれており、左上には「please click the button(ボタンをクリックしてください)」というテキスト。ただボタンを押すだけのシンプルなサイトに見えます。


ボタンをクリックすると、「Go on, Subject. You are doing so great.(続けて、被験者。君は本当に素晴らしいよ)」という音声が流れました。同時に画面左側にログのような文章が表示され、読んでみると「被験者(Subject)が右に移動しました」「被験者はサイトに30秒滞在しました」「被験者がCookieを受け入れました」「新しい被験者が入りました。ようこそ!」といったもの。サイトを見ているユーザーは「被験者」というわけ。


しばらく何も操作しないでいると、「10秒間動きがありません」と表示されました。さらに「被験者のマシンには8個のCPUコアがあります」と、端末情報まで文章化されます。あらゆる情報が収集されて観察されているようで少し不気味です。


さらに放置すると、「30秒間動きがありません」と表示。続いて「被験者はサイトに1分滞在しました」という節目の通知が出ます。また、「被験者の平均カーソル速度は他の多くの被験者より遅い」といった比較も行われます。単にこちらの操作を表示しているだけでなく、他のユーザーの行動と比べて評価している模様。また、「この被験者は何をしようとしてるんだ……?(笑)」と小ばかにするような音声も流れてなかなかイラつかされます。


しばらくカーソルを動かしてみると、右上に「Achievements(実績)」へのリンクと、解除率らしき数字が表示されました。リンクをクリックして実績を見てみます。


実績一覧ページの画面上部には「実績 - 22%解除済み。すべて解除してみましょう。残り99個です!」という意味のメッセージが表示され、下には「このサイトを訪問した」「上に移動した」「下に移動した」「左に移動した」「右に移動した」といった実績が並びます。未解除の項目は薄い灰色で表示されており、ゲームのトロフィー画面のような作りです。


元の画面に戻っていろいろ操作してみると、「被験者はボタンではなく、ウィンドウ内のランダムなピクセルをクリックしました」「被験者はボタンをドラッグしようとしました」「被験者は突然別の方向へ移動しました」などと表示されました。ボタンを押したかどうかだけでなく、ボタン以外の場所をクリックしたことや、ドラッグしようとしたこと、移動方向が変わったことまで検知されています。


ボタンをダブルクリックしてみると「被験者が初めてボタンをダブルクリックしました」というログが、日時付きで表示されました。下には「被験者はサイトに2分滞在しました」という節目の通知もあります。「気楽に行こうぜ、被験者」「おいおい、もうちょっと頑張ってくれよ」など、監視者らしき人物が被験者であるユーザーの動きについてコメントする音声も適宜流れていて、なかなかうるさいです。


しばらく操作していると、「顔を見せてくれよ」という音声とともにブラウザからカメラの使用許可を求めるポップアップが表示されました。サイト側はカメラ権限を要求してきますが、許可するかどうかはユーザー側で選択可能です。


ここで「F12」キーを押してChromeの開発者ツールを開き、Consoleからスクリプトを実行してみます。


実行したのは以下のスクリプト。ページ内の「button」クラスを持つ要素を取得し、JavaScriptから1万回クリックするというもので、人間の手では不可能な速度でクリックを発生させました。

const button = document.getElementsByClassName("button")[0];
for (let index = 0; index < 10000; index++) {
    button.click();
}


実行後、画面には「被験者はボタンを○○回クリックしました」がたくさん流れましたが、1000回で打ち止めのようでした。一方「被験者は1秒以内に10回ボタンをクリックするスクリプトを実行しました」といったログも出力されたため、スクリプトの実行も検知されている模様。


なお、ゲーム中に流れる音声は再生のタイミングで読み込まれているので、開発者ツールのNetworkタブを開いておけば聞き取れなかった音声を聞き直すことが可能です。音声のファイル名は「7027.mp3」「9012.mp3」「7056.mp3」など数字のみで付けられています。


Click Click Clickは、一見すると「緑色のボタンを押すだけ」のサイトですが、実際にはクリック、マウス移動、放置時間、ブラウザ、端末情報、ボタン以外へのクリック、ドラッグ操作、開発者ツールからのスクリプト実行まで、さまざまな行動を観察して文章化する体験型サイトというわけでした。

サイトではユーザーが一貫して「Subject(被験者)」と呼ばれており、ユーザー自身が実験対象として扱われているような印象を受けます。単なるゲームとして見るとユーモラスですが、普段のウェブサイトでもクリックやスクロール、滞在時間などの行動データが分析されていることを考えると、少し不気味な体験でした。

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in レビュー,   ゲーム, Posted by log1d_ts

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