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エベレストの有名遺体「グリーンブーツ」の身元がDNA鑑定により判明、回収ミッションも実施へ

by Maxwelljo40

エベレスト北側から山頂を目指すと必ず通過する目印になっている、標高8500mの洞窟にある遺体「グリーンブーツ」の身元が、DNA鑑定によってインドチベット国境警察(ITBP)の登山隊員だったドルジェ・モルップ氏だったことが確認されました。インド当局は、モルップ氏の遺体を回収するミッションを検討しているとのことです。

Mount Everest, a climber known only as ‘Green Boots’, and the mission to solve a 30-year mystery | Mount Everest | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2026/jun/22/mt-everest-green-boots-man-cave-climber-identity

Mystery identity of 'Green Boots' climber - who became a macabre landmark frozen in ice after dying on Everest - is finally solved after DNA test | Daily Mail Online
https://www.dailymail.com/news/article-15943905/Mystery-identity-Green-Boots-climber-macabre-landmark-frozen-ice-dying-Everest-finally-solved-DNA-test.html

「グリーンブーツ」が最初に映像に収められたのは1996年5月、ドキュメンタリー作家で映像制作者のマット・ディキンソン氏によるもので、俳優で登山家でもあるブライアン・ブレスド氏を追ったドキュメンタリー「Summit Fever」の中で公開されました。ドキュメンタリーでは、「インド出身の身元不明の遺体」と言及されています。


その名前の通り、緑色の登山靴を履いていることから「グリーンブーツ」と名付けられた遺体は、エベレストの標高8500mのところにある洞窟内にあり、エベレストの北東稜を経由するルートを使うと必ず目にすることから、一種の目印のような存在になっていました。

同じ洞窟では2006年、イギリスの登山家であるデビッド・シャープ氏も遭難死しています。このとき登頂中・下山中の複数の登山家がシャープ氏の前を通過していて、中にはマーク・イングリス氏のように助けようとした人もいましたが、救助にはつながりませんでした。「グリーンブーツ」があまりにも有名な目印となっていたため、シャープ氏を「グリーンブーツ」だと誤認して意識しなかった登山家もいると考えられます。なお、シャープ氏の遺体は2007年にはなくなっていて、「グリーンブーツ」も2014年に目立たない場所に移されました。

「グリーンブーツ」の身元は30年にわたって不明のままで、有力候補として1996年5月に発生したエベレスト大量遭難と同じタイミングで登頂していたITBPのツェワン・パルジョール隊員か、同じくITBPのランス・ナイク・ドルジェ・モルップ隊員が挙がっていました。

ITBPは16名ほどのメンバーを3チームに分けていて、1996年5月10日、6人編成の第1チームが北陵ルートからエベレスト山頂を目指し登頂を開始しました。しかし悪天候や凍傷などにより3人がベースキャンプに戻り、パルジョール隊員、モルップ隊員、スベダール・ツェワン・サマンラ隊員の3人が山頂を目指しました。3人は18時30分ごろに登頂達成を無線で報告しています。チームのうち、リーダー格のサマンラ隊員は祈りのために山頂に長く残り、他2人が先に下山することになったようです。

ITBPには所属していなかったものの、ITBP隊の上級副リーダーを務めていたというP・M・ダス氏は1997年、ヒマラヤ・ジャーナルに「北陵ルートによるインド人のチョモランマ登頂」というレポートを掲載しています。

HJ/53/7 THE INDIAN ASCENT OF QOMOLUNGMA BY THE NORTH RIDGE
https://www.himalayanclub.org/hj/53/7/the-indian-ascent-of-qomolungma-by-the-north-ridge/


レポートによると19時ごろに嵐で山頂付近と無線が通じなくなり、19時30分ごろに2つのヘッドライトが暗闇の中を下ってくるのを確認。翌5月11日の朝6時に、登頂したグループが標高8320mにある第6キャンプに戻らなかったという報告を受けたとのこと。

ダス氏によると、11日はITBP隊と同じ北陵ルートで登頂を目指し第6キャンプにいた日本の福岡隊の登頂メンバーとベースキャンプ経由で連絡を取ることができ、ファーストステップとセカンドステップの間をゆっくり下山中のモルップ隊員がいて、モルップ隊員は凍傷の手に手袋をはめることを拒んだこと、アンカーポイントでカラビナが外せなかったので福岡隊が次の固定ロープにカラビナを取り付けたことなどを聞いたそうです。

また、福岡隊の登頂時にサマンラ隊員はすでに亡くなっていて、遺体はセカンドステップに横たわっていたとのこと。このとき、パルジョール隊員の消息は不明でしたが、のちにシェルパから、モルップ隊員と同じくファーストステップとセカンドステップの間にいて瀕死の状態だったという情報が得られています。

登頂後の福岡隊はファーストステップの下で再びモルップ隊員と出会っていて、キャンプ6までは戻れるだろうと想定して下山を進めたものの、モルップ隊員は11日午後に亡くなり、後に到着したチームが遺体をキャンプ6付近で発見しました。パルジョール隊員の遺体は見つからず、ダス氏は「誤ってエベレスト東面(カンシュン面)のほうに滑落したのでは」と推測しています。

しかし、隊に参加していたダス氏のこのレポートは重視されず、長らくパルジョール隊員のほうが「グリーンブーツ」ではないかとみられてきましたが、このたびDNA鑑定によって「グリーンブーツ」はモルップ隊員であることが確認されました。

ITBPは今後、遺体回収ミッションを入札によって実施することを検討しているとのこと。なお、書類によると、契約した業者は遺体を2026年10月までに回収してデリーに運ぶ予定になっているとのことで、これまでにエベレストから5体の遺体を回収しているというツィリン・ジャンブ・シェルパ氏は「これまでに試みられた中でも、最も技術的に厳しい作業になるでしょう。危険性は通常の登山の2倍です」と語っています。

India eyes "high risk" Mount Everest mission to recover frozen body of climber "Green Boots" after 30 years - CBS News
https://www.cbsnews.com/news/mount-everest-green-boots-body-of-climber-recovery-plan-india/

ちなみに、エベレスト大量遭難に遭遇しつつも生還し『空へ エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか』を著した作家のジョン・クラカワー氏は、福岡隊がITBPメンバーに気付きつつも助けの手を差し伸べなかったという書き方をしています。実際には、福岡隊はITBP隊から行方不明者が出ていることを知らず、当初、途中で出会ったのは台湾隊だと誤認していたほか、ダス氏のレポートにもあるようにITBP隊に協力していて、ダス氏も「福岡隊は協力的な姿勢だった」と記しています。

Amazon.co.jp: 空へ: エヴェレストの悲劇はなぜ起きたか (文春文庫 ク 11-1) : ジョン クラカワー, Krakauer,Jon, 正彦, 海津: 本


なお、自らが巻き込まれたエベレスト大量遭難についてクラカワー氏はガイドだったアナトリ・ブクレーエフ氏の対応にやや厳しい目を向けています。当事者であるブクレーエフ氏は自ら『デス・ゾーン8848M: エヴェレスト大量遭難の真実』を著しているので、何があったのかは両方を読み比べた方がよいかもしれません。

Amazon.co.jp: デス・ゾーン8848M: エヴェレスト大量遭難の真実 : アナトリ ブクレーエフ, G.ウェストン デウォルト, 鈴木 主税: 本

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in メモ, Posted by logc_nt

You can read the machine translated English article The identity of the famous 'Green Boots'….