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ウクライナはGoogleの元CEOであるエリック・シュミット率いるベンチャー企業が提供するAIドローンの実弾射撃試験場となりロシア政府関係者は警戒を強めている


ウクライナが、Googleの元CEOであるエリック・シュミット氏率いるベンチャー企業の開発する自律型AIドローンの実弾射撃試験場となっていると、アメリカ日刊紙のニューヨーク・タイムズが報じました。ロシアの技術情報報告書は、回収されたドローンが世界最高水準のマイクロエレクトロニクスを使用しており、有効な対抗策が存在しないことを認めているとのことです

In Ukraine, an Arsenal of Killer A.I. Drones Is Being Born in War Against Russia - The New York Times
https://www.nytimes.com/2025/12/31/magazine/ukraine-ai-drones-war-russia.html

ニューヨーク・タイムズによれば、シュミット氏はWhite Stork、Project Eagle、Swift Beatといった複数のプロジェクト名で秘密裏にベンチャー企業を運営し、ウクライナに先端兵器を供給しているとのこと。シュミット氏はかつてアメリカ国防イノベーション委員会の議長などを歴任し、AIに関する国家安全保障委員会の議長も務めていますが、今では自らを「ライセンスを持つ武器商人」になぞらえているとニューヨーク・タイムズは伝えています。

シュミット氏が提供する主力ドローンである「Bumblebee」は、一度標的を特定すれば、その後は人間が一切介在することなくAIが自律的に標的を追い詰め、攻撃を完了させる能力を持っているとのこと。BumblebeeはAIを用いた自律的な目標認識機能を備えており、カメラ映像の中から兵士、車両、バンカーなどを自動的に検出して操縦士に提示します。また、ロシア軍による激しい電波妨害に対抗するためにさまざまな技術が導入されており、通信が遮断された状態でも自律攻撃による命中率は70%を超えるそうです。操作はインターネット経由でも可能で、地上チームが前線で機体を放出した後、約300マイル(約483キロ)離れた場所から操縦士が攻撃を指揮した事例も報告されています。


シュミット氏の取り組みはこれだけに留まらず、時速100kmで飛行し90マイル(約144km)以上の範囲を攻撃可能な固定翼型ドローン「Hornet」や、飛来する自爆型ドローンを95%の確率で迎撃するシステム「Merops」も提供しています。これらの開発は、ウクライナ軍の精鋭部隊である第13ハルティア旅団などとの密接な協力のもとで行われており、戦場からのフィードバックを受けてソフトウェアがリモートで頻繁に更新されるという、極めて迅速な開発サイクルを実現しているとのこと。


ロシアの技術情報報告書は、回収された機体を分析した結果、そのチップセットやマザーボードが世界有数のメーカーに匹敵する最高品質であると評価しています。クピャンスクやハルキウ周辺のロシア兵からは、これらの新型ドローンが電波妨害を完全に無効化してスムーズに飛行し、次々と命中弾を上げているとの報告が上がっています。ロシア側は、これを止める唯一の確実な方法は物理的に撃ち落とすことだけだと認めています。

ウクライナがこうした先端技術の導入を加速させている背景には、切実な防衛上の理由があります。UPI通信が報じているように、ロシアによる民間インフラへの攻撃が激化しており、オデッサでは生後7か月の乳児を含む子供3人と大人3人が負傷し、17万人以上が停電に見舞われるなどの甚大な被害が出ています。このような状況下で、より精度の高い防衛手段を確保することが生存に直結しています。

また、アメリカ右派系メディアのFox Newsは、ロシア側が「プーチン大統領の官邸を狙った攻撃があった」と主張し、それを口実にさらなる軍事行動を正当化しようとするなどの情報戦を展開していることも理由の1つとして挙げています。

ニューヨーク・タイムズによれば、民間軍需企業がウクライナを手厚く支援する例は他にもあり、VermeerがGPS不要の視覚測位システム開発のために1200万ドル(約18億4000万円)を調達したり、NORDA Dynamicsが自律攻撃モジュールを5万個供給したりするなど、民間企業による支援がウクライナの防衛体制を支える柱となっています。


なお、ロシア側もただ傍観しているわけではなく、独自のAI強化兵器の導入を進めているとのこと。戦地で回収されたロシア軍ドローンの調査から、ロシア側もAIを用いた標的認識や自律飛行技術への投資を強化し、ウクライナとの間で激しいAI軍拡競争を繰り広げている実態が明らかになっています。

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in ハードウェア, Posted by log1i_yk

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