「有給休暇の付与」は退職率を下げるのか?

アメリカには法定有給休暇の制度がなく、一部の州を除いて有給休暇の付与は任意となっています。こうした福利厚生を充実させるだけで、退職率が大幅に減少するという研究結果が発表されました。
Does one week now prevent two weeks notice later? A longitudinal study of paid time off and employee retention | Journal of Strategy and Management | Emerald Publishing
https://www.emerald.com/jsma/article-abstract/doi/10.1108/JSMA-02-2025-0059/1337299/Does-one-week-now-prevent-two-weeks-notice-later-A

More paid time off keeps US workers from quitting, study finds
https://phys.org/news/2026-01-paid-workers.html
アメリカは38の先進国で構成される経済協力開発機構(OECD)の中で唯一、有給休暇を法的に保障していない国です。2024年12月時点で18の州が有給休暇付与を義務付けていますが、その多くは取得上限を5日間に設定しています。一部の雇用主は有給休暇を拡充しているものの、依然として多くの労働者がまったく取得できず、有給休暇を取得できる労働者は半数未満にとどまっているのが現状です。
クリーブランド州立大学のパトリシア・デア氏らは、有給休暇の付与日数によって労働者の自主退職率がどう変動するのかを調べるため、18年分のデータと3万2000件以上の観測結果を用いて検証しました。

その結果、有給休暇を1日から5日提供した場合の退職率の低下はわずかであり、男女別に分析すると有意な効果は見られませんでしたが、6日から10日にすると退職率は大幅に減少し、特に男性において顕著だったことが分かりました。男性はもともと女性より退職率が低い(4.7%対6.7%)ものの、有給日数を増やすことで退職率を下げる効果があることが判明しています。
最も強い効果が確認されたのは11日以上の有給休暇を提供した場合で、男女ともに退職する可能性が大きく低下しました。女性の場合、11日以上が提供されるまで有給休暇の影響はほとんど見られませんが、それを超えると退職率は大幅に低下します。女性は、退職の可能性を下げるために男性よりも多くの有給休暇を必要とする傾向があります。

研究では有給休暇を6日以上に増やすことで退職率が大幅に減少することが示されていますが、この水準を労働者に義務付けている州は9州にとどまり、年間8日を超える有給休暇を義務付けている州は存在しないため、制度の改革が求められます。また、労働者の再雇用にかかる費用は労働者の1年分の給与に相当するとの試算から、有給休暇を増やして雇用を安定させる方がメリットがあるとも指摘されています。
共著者のリーアン・デリーニュ氏は「有給休暇は5日間では不十分であることが明らかです。多くの州法はこの最低水準で止まっており、8日を超える有給休暇を義務付けている州は1つもありません。しかし、私たちのデータは、最も強い定着効果がその水準を大きく上回るところで生じていることを示しています。政策立案者や雇用主が労働者を引き留めたいのであれば、有給休暇は贅沢品ではなく、安定のための戦略であることを認識する必要があります」と語りました。
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in サイエンス, Posted by log1p_kr
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