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AmazonがAWSで多大な利益を得ている手法とは?


Amazonが展開するクラウドコンピューティングサービスの「Amazon Web Services(AWS)」は世界中の企業に採用され、広いシェアを獲得しています。AmazonはAWSでどのように利益を上げているのかを公開していませんが、ニュースメディアのCNBCがそんなAmazonの用いる「利益化の仕組み」を独自調査でまとめています。

How Amazon Web Services makes money: Estimated margins by service
https://www.cnbc.com/2021/09/05/how-amazon-web-services-makes-money-estimated-margins-by-service.html

Amazonの2021年第2四半期決算報告によると、AWSの収益は前年同期比で37%増の148億900万ドル(約1兆6200億円)、営業利益は前年同期比24%増の41億9300万ドル(約4590億円)となっています。この41億9300万ドルという営業利益は、Amazon全体の営業利益・77億ドル200万ドル(約8430億円)の半分以上を占めており、AWSがAmazonの主力部門となっていることが分かります。なお、2021年第2四半期決算報告の詳細は以下の記事で確認できます。

Amazonの2021年第2四半期売上は市場予想を下回り成長も鈍化、ただしAWSと広告事業は好調 - GIGAZINE


Amazonは2015年第1四半期から決算報告でAWSの収益を公開するようになりました。しかし、AWSに属するサービスごとの収益は公開されていないため、AWSの利益構造はわかりににくくなっています。そこで、CNBCは多くの専門家にインタビューを行い、AWSが利益を得ている仕組みをまとめました。

AWSの費用削減方法を企業にレクチャーするサービスを展開しているDuckbill Groupでチーフクラウドエコノミストを務めるコーリー・クイン氏によると、AWSの収益の50%は仮想サーバー構築サービス「Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)」によって賄われているとのこと。

Amazon EC2のユーザーはさまざまなハードウェア・ソフトウェア構成が用意されたインスタンスを選択することができますが、このインスタンスはAmazon EC2のサービス開始直後は1種類しか存在しませんでした。AmazonはmacOSを利用可能なインスタンスを追加したり、独自プロセッサー「AWS Graviton2」を採用したインスタンスを追加したりとインスタンスの拡充を積極的に行っており、記事作成時点では400種類以上のインスタンスが存在しています。CNBCは数あるインスタンスの中でもAmazon独自プロセッサーを採用したインスタンスに着目し、「Amazonは独自のプロセッサーを用いることで、コストを削減できます」と指摘しています。

Amazonの独自ARMプロセッサ「Graviton 2」を採用したAWSインスタンス「M6g」のスペック比較表が公開される - GIGAZINE


また、Amazonは「Amazon Simple Storage Service (Amazon S3)」や「Amazon Elastic Block Store (EBS)」といったクラウドストレージサービスでも多くの利益を得ています。Amazonのストレージサービス担当ヴァイスプレジデントのMai-Lan Tomsen Bukovec氏は「Amazon S3のユーザーの中には、数百ペタバイトから数エクサバイトのストレージを使っているユーザーもいます」と、Amazon S3の規模の大きさをアピールしています。

Amazon S3よりも安価なことをアピールするクラウドストレージサービスwasabiデイビッド・フレンドCEOによると、Amazon S3に保存したデータを他のサービスに転送する際は、非常に高額な料金が発生するとのこと。このため、多くのユーザーがAmazon S3を使い続けることになると主張しています。

Amazonには、Amazon以外の企業がAmazonの販売ページを利用して商品を販売できるAmazonマーケットプレイスという仕組みがあります。AWSにも同様にAmazon以外の企業が開発したウェブサービスをAWSプラットフォームで販売できるAWS Marketplaceという仕組みが存在しています。AWS Marketplaceでは、AppleやGoogleがアプリ配布プラットフォームで手数料を得ているのと同じように、Amazonは他の企業のウェブサービスが売れるたびに手数料を受け取ることができます。Amazonの株式を評価しているアナリストは、「AWS Marketplaceの営業利益率は、AWS全体の利益率である30%を大きく上回っていると考えられます」と述べ、AWS MarketplaceがAWSの利益増大に一役買っていることを指摘しています。

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in ネットサービス, Posted by log1o_hf

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