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筋肉は使わないとすぐに落ちる、自宅でできる筋力維持の方法とは?


感染力の強いデルタ株の流行している状況では、感染を防ぐためには「なるべく自宅で過ごす」のが最も有効な手段の1つといえますが、自宅でダラダラ過ごしているとどうしても筋肉が落ちがち。動かないと落ちてしまう筋肉量や筋肉を維持する方法について、オーストラリアのディーキン大学で運動科学について研究するデビット・スコット准教授が解説しています。

Use it or rapidly lose it: how to keep up strength training in lockdown
https://theconversation.com/use-it-or-rapidly-lose-it-how-to-keep-up-strength-training-in-lockdown-165810

2021年9月1日時点において日本では感染力の強いデルタ株が流行しており、新規感染者数は「1日2万人」というペースで増え続けています。ファイザー製やモデルナ製などのワクチンはデルタ株にも一定の有効性を発揮すると評価されていますが、このような状況下では「不要不急の外出を避ける」というのが改めて重要になっています。

しかし、自宅に居続けるとどうしても筋肉が落ちて不健康になりがち。筋肉量は代謝に密接に関わっているだけでなく、2型糖尿病や肥満にも関わっており、さらに高齢者の場合は心疾患、心血管疾患、変形性関節症、認知障害、うつ病、転倒、骨折などにも関わっています。

スコット准教授によると、筋肉を使わない状態を続けると若くても急速に筋肉量が減少することが示されているとのこと。20代前半の男性を1週間にわたってベッドに寝かし続けるという実験では、平均1.4kgも除脂肪体重が減少するという結果が得られており、膝補強用の保護帯で片足だけを固定するという実験では、固定された側の足の筋肉量が2週間で約5%減少し、筋肉強度に至っては10~20%減少するという結果が得られています。


もちろん上記の研究結果は意図的に筋肉を使えなくした状態の結果であるため、自宅待機中に上記のペースで筋肉量が落ちるわけではありません。しかし、COVID-19による自宅待機中の筋肉量を調べたパドヴァ大学の研究によると、自宅待機2日目から検出可能なレベルの筋肉量低下が始まり、わずか2週間ほどで除脂肪体重・インスリン感受性・肉体機能に関して懸念が必要なレベルに達するとのこと。

ロックダウン中の行動変化に関する調査結果64件を分析した研究によると、ほとんどのケースで身体活動を伴うアクティビティの割合は減少し、座ったまま行うアクティビティの割合が増加していたことが確認されています。こうした状況下で重要になる「自宅待機中でも筋肉を維持する」方法について、スコット准教授は器具なしの場合は腕立て伏せ、プランクディップスランジ、スクワット、カーフ・レイズシットアップ、器具ありの場合はダンベルやレジスタンスバンドを使ったエクササイズを勧めています。スコット准教授オススメの器具なし筋トレのムービーは以下。

15-Minute at Home Bodyweight Strength Workout | No Equipment Needed - YouTube


スコット准教授によると、早歩きやジョギング、サイクリングなどの中強度~高強度の運動を少なくとも1日30分行った上で、週に2日以上は筋トレをすべきとのこと。30分連続して運動を行うのが困難な場合には、30分という運動時間を5~10分に分割して1日の間に分けて行う「エクササイズ・スナック」という方法がオススメだそうで、スコット准教授は「洗い物をしながら片足でスクワットする」「階段をできる限り早く上る」「椅子に座る&立ち上がる、を30秒間高速で繰り返す」「荷物を積んだ手押し車を押す」といった日常の中に筋トレを取り入れる手法を勧めています。

筋肉にはトレーニング時の強さをある程度は保持し続けられるという「マッスルメモリー(筋肉記憶)」と呼ばれる機能が備わっているため、スコット准教授は若いうちから筋肉を鍛えて「筋肉貯金」を行うよう勧めています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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