NVIDIAのジェンスン・フアンCEOが「AGIに到達した」と発言

汎用人工知能(AGI)は人間が実現可能なあらゆる知的作業を理解・実行できるAIのことを指し、AI開発の1つの到達すべき目標として考えられていますが、一方でAGIの定義が曖昧なまま巨額の投資が進んでいるという指摘もあります。そんな中、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOがポッドキャストに出演した際に「我々はAGIを実現したと思う」と発言して物議を醸しています。
Jensen Huang: NVIDIA - The $4 Trillion Company & the AI Revolution | Lex Fridman Podcast #494 - YouTube

Nvidia CEO Jensen Huang says ‘I think we’ve achieved AGI’ | The Verge
https://www.theverge.com/ai-artificial-intelligence/899086/jensen-huang-nvidia-agi
AGIはあらゆる分野で人間の知的能力を超えたAIのことで、AGIは実現不可能と考える意見もある一方で、MicrosoftがAGI開発のために1000億円以上をOpenAIに出資していたり、Googleの創業者であるセルゲイ・ブリン氏が「平日の週60時間オフィスで開発に取り組めば、GoogleはAGIを開発して業界をリードできる」と発言していたりと、AI開発をリードする企業がAGIの実現に本気で取り組んでいます。
しかし、AGIの定義については企業ごとに分かれています。Google DeepMindはAGIの定義として、「ほとんどの認知タスクにおいて、少なくとも熟練した成人と同等の能力を持つAI」と表現しており、この「熟練した成人」とはどれほどの能力なのか、「ほとんどの認知タスク」とはどれほど幅広ければ良いのか、明確に定義されていません。OpenAIはAGI開発支援の出資をしたMicrosoftとの合意内容で「AIが15兆円の利益を出したらAGIを達成したと見なす」と財務的な指標で定義しています。
「OpenAIが15兆円の利益を出すAIを開発したら汎用人工知能(AGI)達成とする」という内容でMicrosoftとOpenAIは合意している - GIGAZINE

このように合意されたAGIの認識がないことで、一部のテクノロジーリーダーはAGI到来のハードルを下げつつあります。OpenAIのサム・アルトマンCEOは2024年12月に「私の推測では、世界中のほとんどの人が考えているよりも早くAGIは実現し、その重要性ははるかに小さくなるでしょう」と発言しています。
NVIDIAのジェンスン・フアンCEOも同様に、2026年3月23日にコンピュータ科学者のレックス・フリッドマン氏のポッドキャストに登場した際に、「我々はAGIを実現したと思う」と発言しました。ポッドキャストの中でフリッドマン氏は「AGIは、基本的にあなたの仕事をこなせるAIシステム」「AGIは10億ドル(約1500億円)以上の価値のある成功したテクノロジー企業を立ち上げ、成長させ、運営できる」と前置きした上で、フアンCEOに「AGIが現実のものとなるのはいつ頃だと思うか」と尋ねました。その結果、フアンCEOは「今だと思います。私たちはすでにAGIを実現したと思います」と回答しました。

ポッドキャストでは、AIエージェントプラットフォームのOpenClawが爆発的に流行したことにも言及しています。AIエージェントによりある程度クオリティの高いサービスが次々に生まれ、流行しては廃れていく速度も急激に加速していることから、フアンCEOは「何らかのソーシャルイベントが発生したり、あるいはたまごっちにエサを与えるようなソーシャルアプリケーションが突然大成功を収めたりしても驚かないでしょう。しかし、数十億人が数セント支払って数十億ドルの売り上げを達成したとしても、すぐに事業がしぼんでしまうケースもありえます。今となっては、そうした10万のAIエージェントがNVIDIAのような会社を構築する可能性は0%です」と語っており、AGIに達したとしてもAIが構築できるのは一過性のブームに過ぎない可能性があると示唆しています。
また、ポッドキャストではNVIDIAのAIを駆使したアップスケーリング技術「DLSS 5」についても触れています。DLSS 5はゲームに登場するキャラクターを過剰に加工してしまうとしてインターネットユーザーの嘲笑の的となっていましたが、フアンCEOは「彼らの言い分も理解できます。なぜなら、私自身もAIの粗雑な表現が好きではないからです。しかし、DLSS 5はアーティストがより美しいものを、自分の望むスタイルで作成できるようにできるものであり、均一的に美しくしてしまう単なる加工とは異なります」と説明しました。
NVIDIAのCEOがDLSS 5の過剰加工をからかうインターネットユーザーに反論 - GIGAZINE

ソーシャルニュースサイトのHacker NewsでもフアンCEOの発言が話題になり、タスクを自動処理する程度のAIエージェントをAGIと呼ぶような誇張表現を批判する意見などが寄せられています。一方で、ポッドキャストのパーソナリティであるレックス・フリードマン氏はしばしば注目を集めるために誇張表現を用いることがあるという指摘や、フアンCEOはフリードマン氏が会話の中で具体的に定義したAGIの目標について「既に達成している」と述べただけだという見解もあります。
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