Microsoftが汎用人工知能(AGI)開発のため1000億円以上をOpenAIに出資

Microsoftが、人工知能(AI)関連の研究を行っているNPO「OpenAI」と共同で新しいスーパーコンピューティング技術を構築するための複数年契約を結び、10億ドル(約1080億円)の出資を行うことを発表しました。

OpenAI forms exclusive computing partnership with Microsoft to build new Azure AI supercomputing technologies - Stories
https://news.microsoft.com/2019/07/22/openai-forms-exclusive-computing-partnership-with-microsoft-to-build-new-azure-ai-supercomputing-technologies/

Microsoft invests in and partners with OpenAI to support us building beneficial AGI
https://openai.com/blog/microsoft/

With $1 Billion From Microsoft, an A.I. Lab Wants to Mimic the Brain - The New York Times
https://www.nytimes.com/2019/07/22/technology/open-ai-microsoft.html

「OpenAI」は2015年に誕生した、人工知能に関連する研究を行う非営利団体(NPO)で、テスラのイーロン・マスク氏やLinkedInのリード・ホフマン氏、起業家・投資家のサム・アルトマン氏、ピーター・ティール氏らが出資しています。

OpenAIによると、AIは2012年以来、「視覚」「単純なビデオゲーム」「機械翻訳」「複雑なボードゲーム」「音声合成」「画像生成」「ロボット制御」「文章作成」と、異なる分野のさまざまなタスクを、増大した計算能力とディープニューラルネットワークの革新的応用によって達成してきました。

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しかしAIシステム構築にあたっては、タスクごとに手動のエンジニアリング作業が必要だとのこと。

これを解消するものとして期待されるのが、1人の人間よりも多数の分野を専門家レベルでマスターできる「汎用人工知能(AGI)」です。OpenAIでは、Microsoft AzureでAGI対応のハードウェアやソフトウェアのプラットフォームを開発し、AGIの実現を目指していくことになります。

OpenAIのサム・アルトマンCEOは「AGIの開発は人類史上で最も重要な技術開発であり、人類の軌跡を形作る力を秘めています」「我々の使命は、AGI技術が人類全体に利益をもたらすことを保証することであり、そのためにMicrosoftとともに『AGIを構築するためのスーパーコンピューティング基盤』を構築していきます。我々は、AGIが安全かつ確実に配備され、その経済的恩恵が広く行き渡ることが極めて重要であると考えています。Microsoftとこのビジョンを深く共有していることに興奮しています」と述べました。

また、Microsoftのサティア・ナデラCEOは「AIは現代、最も革新的な技術の1つであり、今の世界に差し迫った課題の多くを解決するのに役立つ可能性を持っています」「OpenAIの画期的技術と、新しい『Azure AI』スーパーコンピューティング技術と組み合わせることで、AIの安全性を常に中心に置いて誰もが恩恵を受けられるようにすることが、我々の望みです」と語っています。