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「AIが大学生活をどのように変えてしまったのか?」をスタンフォード大学の学生が語る


生成AIの登場により、多くの学生がAIを利用するようになっており、AIを用いたカンニングなどの不正行為問題視されています。そんな学生のAI利用について、スタンフォード大学の現役学生が語りました。

A Stanford student reflects on his ChatGPT class and a culture of "just a little bit of fraud"
https://the-decoder.com/a-stanford-student-reflects-on-his-chatgpt-class-and-a-culture-of-just-a-little-bit-of-fraud/

2026年6月にスタンフォード大学を卒業するテオ・ベイカー氏は、大学生活のすべてをチャットAIのChatGPTと共に過ごした最初の世代のひとりです。ChatGPTはベイカー氏が2022年秋にスタンフォード大学に入学してから約2カ月後にリリースされ、リリースから1週間も経たないうちに100万人超のユーザーを獲得しました。

対話型チャットAI「ChatGPT」開始から1週間も経たないうちにユーザーが100万人を突破、そもそもChatGPTとは一体何なのか? - GIGAZINE


ベイカー氏が入学する前から、スタンフォード大学の評判は傷ついていました。その原因は、「史上最大の詐欺会社」とも呼ばれる血液検査会社セラノスの創業者であるエリザベス・ホームズ氏や、仮想通貨詐欺師としてアメリカの地方裁判所から懲役15年の実刑判決を受けたドー・クォン氏などが、スタンフォード大学の卒業生だったためです。

ベイカー氏らの世代が大学に入学してからChatGPTがリリースされたことで、不正行為はそれまで以上に容易かつ儲かるものとなってしまったそうです。ベイカー氏によると、AIを利用して寮の資金を横領する学生や、Uber Eatsのクレジットを得るために新型コロナウイルス感染を偽装する学生、ブラウザ上でChatGPTを開いたまま「ChatGPTを使わない」という誓約書にサインする学生もいたとのこと。


さらに、ベイカー氏が大学3年生時に849人のコンピューターサイエンス専攻学生を対象に実施された学内アンケートでは、回答者の49%が「試験に落ちるくらいなら不正行為をする方を選ぶ」と回答しました。AIを用いたカンニングは教育分野でしばらく注目を集めており、カンニング目的でスマートグラスのレンタルが急増していることも報じられています。

カンニングを目的としたスマートグラスのレンタルが増加 - GIGAZINE


また、スタンフォード大学の学生がMetaのAIモデルである「Llama 3-V」を使った画期的な成果を主張する論文を発表したものの、実際には中国のOpenBMBが開発したオープンソースのマルチモーダルAIモデルであるMiniCPM-Llama3-V2.5を盗用しただけだったという事件も起きたそうです。

AIによる不正行為がまん延した結果、スタンフォード大学は2026年4月に1世紀以上にわたって禁止されてきた対面式の試験を復活させざるを得なくなりました。これと同じように、プリンストン大学でもAIを用いた不正のまん延により試験中に教授が教室を離れるという規定が133年ぶりに廃止されており、スタンフォード大学だけが学生のAI利用に苦慮しているわけではないことが伺えます。

AIを使ったカンニングが蔓延したため試験中に教授が教室を離れるという規定が133年ぶりに廃止されたと学生新聞が報じる - GIGAZINE


ベイカー氏はAIによる不正行為が横行する理由について、「歪んだインセンティブ構造」を挙げています。スタンフォード大学のコンピューターサイエンスの学位はもはやエントリーレベルの仕事を保証するものではなくなっており、ジュニア開発者は就職市場が閉ざされつつあると感じながら、学業に専念しているとAI関連メディアのTHE DECODERは指摘。

また、他社の開発したAIモデルを再パッケージ化しただけのいわゆる「ラッパースタートアップ」に巨額の資金が流れ込んでいることも問題であるとTHE DECODERは指摘しました。実際、元はOpenAIのAIモデルのラッパーであったPerplexityの評価額が2024年4月の10億ドル(約1590億円)から、2025年9月には200億ドル(約3兆1800億円)にまで上昇しました。クラスメイトが「税金対策のためにラスベガスに家を買った」と何気なく口にしたとしたら、「普通に宿題することが馬鹿らしくなるのもうなずける」とTHE DECODERは記しています。

なお、ピュー研究所がアメリカで暮らす13~17歳の若者を対象に行った調査によると、半数以上の若者が学業や情報収集にAIを使っていることが明らかになっています。これによると、世帯年収が低いほど若者はAIに依存しがちであることも判明しました。

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in AI, Posted by logu_ii

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