なぜ完璧な成績を取っても人生の成功には結びつかないのか?

by pan xiaozhen

中国では受験におけるカンニングが大きな問題となっており、受験生に「ワイヤレス端末が仕込まれている可能性があるためワイヤー入りのブラジャーをしないように」という指示が出されたことも。世界各国で場合によっては死人が出るほど受験戦争が過熱しており、学生たちが大きなストレスにさらされていますが、これまでに行われた研究から「テストの点数が高くても長期的に見ていい人生を送れるわけではない」ということがわかっています。

Why Perfect Grades Don't Matter - YouTube


アメリカや日本など詰め込み式&テスト有りの教育を受けると「いい成績が全て」と子どもは感じてしまうもの。


名声を手にして成功するためには高校でよい成績を取り、大学進学適性試験(SAT)で高得点を取ることが必要だと考えられがちですが、人生で成功するためには学校のテストでの高得点は必須なのだろうか?というのがこのムービーのテーマです。


アメリカでの成績評価システムは100年以上前に「学術的な成功」をベースに作られました。


しかし、2017年現在において、学校の成績は不安材料になっています。


2002年にミシガン大学が行った研究では、「80%の生徒は自分の価値を学校での成績ベースで考えている」ということが判明しています。つまり、成績が低いと自尊心も低くなるのです。


また、完璧な成績を追い求めることはクリエイティビティを殺し、学術的にもリスクを取ることを避けるようになると言われています。完璧な成績を追い求めると、学習の目的が「A評価を取ること」だけになり、「勉強したい」という気持ちさえも失っていくとのこと。


A評価を求め続けると大きなストレスにさらされ、メンタルヘルスに問題を抱えることも。ニューヨーク大学のNYU Rory Meyers College of Nursingが私立高校の生徒を調べたところ80%の生徒が日常的に非常に大きなストレスを感じていると答えたそうです。


「いい成績を取らないと」という考えから、GPAを上げるためにカンニングを行う生徒もいます。アメリカでは全国70の学校に在籍する2万4000人の生徒について調査を行ったところ、64%がカンニングをしたことがあると答えました。それだけ、学生たちにとってSATやACTといった大学入試のプレッシャーは大きいのです。


しかし、大学入試で成績がよかった生徒であるほど大学での高いパフォーマンスを発揮するのかというと、そうではありません。12万3000人の生徒について調べた2014年の研究では、大学入試の得点が高いことと大学でのパフォーマンスにはあまり関連性がなく、「高校の成績はいいけれど大学入試の得点は平凡」という生徒の方が、「大学入試の得点は高いが高校の成績は低い」よりも大学でのパフォーマンスが上になるとのこと。


1回きりのテストはその時その瞬間のパフォーマンスしか測定できませんが、学校の成績は「どれだけ物事に真剣に取り組むことができるのか」という日常的なあり方を反映しているためです。


そして、卒業生総代に選ばれるような学業的に優秀だった人が同級生よりも成功するのかというと、これもそうではありません。過去14年にわたって卒業生総代に選ばれた人のその後を追跡したところ、プロフェッショナルとしてキャリアを積みそれなりに成功した人はいたものの、先見の明を持っていたり、先駆者として活動した人は1人もいませんでした。


卒業生総代に選ばれた人自身も「自分は最も頭のいい生徒ではない」と考えており、自分自身のことを「教師が求めるものを努力して渡すタイプ」と認識しています。リスクをとって冒険するタイプではないのです。


成績が長期的に見た時の成功と関係なく、よりよい人生にとっての害でしかないのならば、別のアプローチはないのでしょうか。


学生たちの学業成績を世界規模で比較すると、ここ何年もトップに躍り出てくるのがフィンランド。アメリカの学生たちの成績はフィンランドに及びません。


フィンランドでは、「テスト」の役割はアメリカよりもずっと小さいものになります。そして、93%の学生が大学や職業学校を卒業しているというシステムは世界一だとも評価されています。


フィンランドは学校に入学してから最初の6年間、テストというものがなく、学術的な能力を測定するメジャーが存在しません。


標準化されたテストは、高校の最終年度で行われるもののみです。


しかし、フィンランドの学生は学術的なパフォーマンスにおいてここ毎年世界トップ10に含まれています。


このような流れの中で、「もっと新しい教育方法を」という声もアメリカでは大きくなっています。


単に記憶ばかり求めるのではなく、「自分自身について考えること」「成功するためのモチベーションを生み出すこと」に着眼した教育法が必要だと主張する専門家も増えています。


2017年現在はテストが重視されていますが、テストが全てではありません。成功することのカギは「人生にわたって続いていく学びへの情熱」を身につけることであり、この情熱が、成績を上げ、テストで高得点を取ることへつながっていくのです。

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