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2兆円の企業価値を持つ「FTX」が世界最大の仮想通貨取引所「Binance」との関係を遠ざけている理由とは?


暗号資産取引所の「FTX」は、2021年7月に1000億円の資金調達に成功し、その企業価値は2兆円と見積もられています。そんなFTXが世界最大の暗号資産取引所である「Binance」との提携を解消し、距離を置こうとしているとしていることが報じられています。

Behind the Breakup of FTX and Binance - Decrypt
https://decrypt.co/76810/behind-the-breakup-of-ftx-and-binance

After Barclays and Santander, UK Bank Natwest Blocks Payments to Binance – News Bitcoin News
https://news.bitcoin.com/barclays-santander-uk-bank-natwest-blocks-payments-to-binance/

FTXは2019年にサム・バンクマン・フリードCEOが設立した暗号資産取引所で、設立当初はBinanceからの投資を受けていました。その後、FTXは急速に事業規模を拡大し、2020年にはシリーズAラウンドの資金調達に成功。2021年7月には複数の投資グループから合計1000億円の資金を調達することに成功しました。

1000億円の資金調達に暗号資産取引所「FTX」が成功、企業価値は2兆円に到達 - GIGAZINE


暗号資産関連メディアのDecryptによると、FTXによる2021年7月の資金調達の際に、Binanceは投資を行わなかったとのこと。加えて、Decryptのインタビューに応じたバンクマン・フリードCEOは「FTXは、Binanceから株式を買い戻しました」「私たちは、株式の買い戻しによって柔軟性を向上させられます。また、私たちのビジネスが世界で果たしている役割を考えると、株式の買い戻しは理にかなっている思います」と語り、資本面でBinanceとの関係を遠ざけたことを明かしています。

Binanceは、記事作成時点では暗号資産取引所の24時間当たりの建玉ランキングで1位に君臨する世界最大の暗号資産取引所です。しかし、日本の金融庁は2021年6月25日に「無登録で暗号資産交換業を行っていた」としてBinanceに警告を発したことを公表。アメリカ・イギリス・カナダ・ドイツの規制当局も「取引に必要な許可を取得していない」という理由でBinanceに対して警告を発しています。さらに、2021年7月にはイギリスの大手商業銀行であるナショナル・ウエストミンスター銀行(Natwest)が「Binanceと関連する取引の停止」を発表しており、Binanceに対する規制の動きが活発になっています。

暗号資産取引所のBinanceがイギリスの金融当局から事業禁止にされる、日本の金融庁も警告 - GIGAZINE


バンクマン・フリードCEOはBinanceの規制上の問題について質問したDecryptに対して「FTXはBinanceと規制当局のやりとりに関与していないのでなんともいえませんが、1つ間違いないのは、私たちは規制当局とできる限り協力的であろうと努力しているということです。もし協力を怠れば、当局による規制を引き起こしてしまう可能性があります」「FTXとBinanceの事業運営方針には、いくつかの違いがあると思います」と語り、FTXが規制を受けない健全な事業運営を行っていることをアピールしています。

また、Decryptはバンクマン・フリードCEOの発言を受けて、「バンクマン・フリードCEOは、『FTXをBinanceから遠ざけるために株式を買い戻しました』と言わないように注意しています。しかし、FTXによる株式の買い戻しがBinanceからFTXを遠ざけるために行われたことは明白です」と指摘しています。

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in メモ, Posted by log1o_hf

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