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仮想通貨取引所のBinanceがイギリスの金融当局から事業禁止にされる、日本の金融庁も警告


イギリスの金融行動監視機構(FCA)が2021年6月26日に、中国系カナダ人であるChangpeng Zhao氏が代表を務める大手暗号資産取引所のBinanceについて、イギリスでの事業が許可されていないことを理由に同国内での事業を禁止すると発表しました。一方Binanceは、金融当局により規制を受けたのは子会社であるとして、イギリス在住者へのサービスを継続する考えを示しています。Binanceは、6月25日に日本の金融庁から「無登録で暗号資産交換業を行う者」として警告を受けたばかりでした。

Consumer warning on Binance Markets Limited and the Binance Group | FCA
https://www.fca.org.uk/news/news-stories/consumer-warning-binance-markets-limited-and-binance-group

Binance Crypto Exchange Ordered to Cease U.K. Activities - WSJ
https://www.wsj.com/articles/binance-crypto-exchange-ordered-to-cease-u-k-activities-11624812672

Binance Can't Do Business in UK But Crypto Trading Unaffected: British Financial Watchdog - Decrypt
https://decrypt.co/74608/binance-not-permitted-to-operate-in-the-uk-british-financial-watchdog

FCAが6月26日に「Binance Group傘下のBinance Markets Limitedは目下、FCAが事前に書面によって同意した場合以外に、規制の対象となる事業を行うことを許可されていません」と発表しました。


ウォール・ストリート・ジャーナルによると、Binanceは同社のイギリス支社であるBinance Markets LimitedについてFCAに申請を行っていましたが、5月17日にその申請を取り下げていたとのこと。FCAの広報担当者はウォール・ストリート・ジャーナルに対し、「多くの暗号資産取引業者が、許可を受けるのに必要な基準を満たしていません。当社がこれまで審査した事業者の内、90%が我々の指示の後に申請を取り下げています」と述べて、イギリスのマネーロンダリング規制に関する審査を通過できなかったため、Binanceが申請取り下げを余儀なくされたことを示唆しました。

一方Binanceは、FCAにより事業を禁止されたのは同社が買収したグループ企業のBinance Markets Limitedであるため、サービスに影響はないと主張しました。

The FCA UK notice has no direct impact on the services provided on https://t.co/QILSkzx7ac.

Our relationship with our users has not changed. (3/4)

— Binance (@binance)


これについて、暗号資産関連のニュースサイト・Decryptは「まぎらわしいことに、イギリスの金融規制当局が『Binanceはイギリスでは運営できない』と発表しましたが、イギリスのトレーダーは引き続きBinanceを利用できます」と説明し、Binanceの主張を支持しました。

Decryptによると、Binance Markets Limitedはイギリスのユーザーの口座開設業務について2020年夏のサービス開始を目標に許可を申請していましたが、FCAの承認を得られなかったとのこと。イギリスでは、暗号資産取引所は2022年3月までにFCAの正式な承認を得なければならないことになっていますが、それまではイギリスのユーザーにサービスを提供することができるそうです。

イギリス大手紙のフィナンシャル・タイムズは、FCAの発表を「世界の規制当局がBinanceに対して行った最も重要な措置の1つです。この一件は、消費者がマネーロンダリングや詐欺などの不正行為から十分に保護されていないという懸念から、規制当局が暗号資産業界への規制を強めていることの表れでしょう」と評価しました。

イギリスのほか、日本・アメリカ・ドイツ・カナダなどの金融当局も、Binanceに対する締め付けの強化に動いています。金融庁は6月25日に、暗号資産取引所のBinanceを運営するBinance Holdings Limitedが、日本居住者を相手に無登録で暗号資産交換業を行っていたとして、警告を発しました。

無登録で暗号資産交換業を行う者について(BinanceHoldingsLimited)
(PDFファイル)https://www.fsa.go.jp/policy/virtual_currency02/Binance2_keikokushilyo.pdf


ブルームバーグによると、アメリカ司法省と内国歳入庁がBinanceについてよく知る関係者に対する聞き取り調査を開始しているとのこと。また、ロイターは2021年4月に、ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)が、投資家に規定の情報提供をすることなくデジタルトークンを発行したとしてBinanceに対する罰金措置を検討していると報じました。

さらに、Binanceは6月26日に、カナダの規制強化により同国での事業を継続できなくなったことを発表しています。

Terms of Use Review (2021-06-25) | Binance Support
https://www.binance.com/en/support/announcement/ba03469c86f34546bd25faf414730733

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in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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