サイエンス

過去120年間の気候変動が一発でわかる地図やグラフをアメリカ海洋大気庁が公開


海洋と大気に関する調査や研究を行うアメリカ海洋大気庁(NOAA)が、アメリカの気温・降水量・風速・積雪量などのさまざまな気候観測値の1991年から2020年までの30年間平均である「平年値」を、2021年5月第1週に公開します。これに先駆けて、NOAAが1901年からどれだけ気候が変動しているかを示すデータを公開しました。

Climate change and the 1991-2020 U.S. Climate Normals | NOAA Climate.gov
https://climate.gov/news-features/understanding-climate/climate-change-and-1991-2020-us-climate-normals


平年値が最後に更新されたのは2011年で、1971年~2000年から1981年~2010年のものに更新されました。この時には、気候に関連する植物の分布帯である「植物帯」を示す以下の地図が作成されました。1971年~2000年の時(画像左)と比べると、1981年~2010年(画像右)の植物帯が全体的に北に推移していることがわかります。植物帯がより気温の低い北にずれるということは「アメリカの気候が全体的に温暖化している」ことを示しています。


アメリカの平年値のうち、平均気温を順番にまとめた地図が以下。1901年~2000年の100年間における平均気温と比較して低い部分が青色で、高い部分が赤色で示されており、100年間を通じて着実に温暖化が進んでいることがはっきりと視覚化されています。


そして、年間降水量の変化をまとめたものが以下の地図。1901年~2000年の100年間における平均年間降水量と比較して少ない部分が茶色で、多い部分が緑色で示されています。これを見ると、1901年から120年間を通じて降水量が増加の傾向にあることがわかります。


以下のグラフは、1901年から2020年にかけての年間平均気温を折れ線グラフ(オレンジ色)にまとめたもの。赤い線は全体的な気温の変動を示す傾向推定の線ですが、右肩上がりになっています。


NOAAは「平年値は変化していますが、私たちは気候変動を見逃してはいません」とコメントしました。

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in サイエンス, Posted by log1i_yk

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