サイエンス

何百年間も人々に恐れられてきた山頂の巨人「ダークウォッチャー」の正体とは?

By Andrew

カルフォルニアのサンタ・ルシア山脈では、何百年も前から帽子とマントを着用した巨大な人物の影「ダークウォッチャー」が目撃されてきました。そんなダークウォッチャーの正体を科学系メディアのLive Scienceが解説しています。

'Dark Watchers' have been spooking California hikers for centuries. What are they? | Live Science
https://www.livescience.com/dark-watchers-california-optical-illusion.html

ダークウォッチャーは、日没時にサンタ・ルシア山脈の山頂を見上げた人々によって目撃されてきました。古くは、1700年にスペイン人がサンタ・ルシア山脈に到達した際に、「ダークウォッチャーを目撃した」という記録が残っているとのこと。

また、「アメリカ文学の巨匠」と呼ばれるジョン・スタインベックは、1938年に公開した短編小説「フライト」の中で、「ウォッチャーが誰で、どこに住んでいるのかは誰も知りません。ウォッチャーには興味を示さない方がいいでしょう」と記しています。

By Andrew Hill

しかし、Live Scienceによると、ダークウォッチャーは「ブロッケン現象」と呼ばれる単純な物理現象に過ぎないとのこと。サンタ・ルシア山脈の山頂は濃い霧に囲まれており、その霧に「ダークウォッチャーの目撃者」本人の影が映り込み、まるで巨大な人物の影のように見えるとLive Scienceは解説しています。

また、「月にウサギが見える」「壁のシミが人間に見える」といった本来そこに存在しないものを思い浮かべる心理現象「パレイドリア」も、ダークウォッチャーが目撃される要因の1つ。「帽子とマントを着用した巨大な人物」というダークウォッチャーの情報を知っているため、自分の影が見えているにも関わらず、あたかも「帽子とマントを着用した巨大な人影」が見えているように錯覚してしまうとLive Scienceは指摘しています。

なお、ブロッケン現象はサンタ・ルシア山脈以外でも発生する現象であり、Instagramには、雪原に人影が映った写真や……

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飛行機の機影が雲に映り込んだ写真など、ブロッケン現象を捉えた写真が数多く投稿されています。

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また、以下のムービーでは、ブロッケン現象によって霧に巨大な人影が映り込んでいる様子を確認できます。

Brocken Spectre in the Lake District - YouTube

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in サイエンス,   動画, Posted by log1o_hf

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