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Google Chrome 88正式版リリース、拡張機能の新たな仕様「マニフェストv3」がついに到来


ウェブブラウザ「Google Chrome」の最新安定版であるバージョン88.0.4324.96がリリースされました。拡張機能の新たな仕様「マニフェストv3」がサポートされたほか、CSSでアスペクト比が指定できるようになったり、JavaScriptのタイマー機能が乱用されているサイトのせいでChromeの動作が重くなりすぎないように変更されたりしています。

New in Chrome 88  |  Web  |  Google Developers
https://developers.google.com/web/updates/2021/01/nic88

New in Chrome 88: Manifest v3, aspect-ratio, digital goods API, and more!


◆マニフェストv3で作成された拡張機能をサポート
マニフェストはChrome拡張機能の仕様を定めたもので、2012年のv2から約9年ぶりにメジャーアップデートが行われました。プライバシーおよびセキュリティ、パフォーマンスの3つが大きく強化されており、リモートのコードを読み込めないようになったり、ユーザーが拡張機能のアクセス範囲を設定できるようになったりしています。


マニフェストv3ではv2で広告ブロッカーが利用していた「webRequestAPI」が廃止されるため、広告ブロッカーを排除するためのアップデートだと批判を受けていましたが、ChromeチームはAdblock Plusの開発者などと協力して広告ブロッカーが今後も動作するようにしたと述べています。なお、マニフェストv2で作成された拡張機能も引き続きサポートされており、すぐに乗り換えが必要というわけではありません。

◆CSSでアスペクト比を指定できるプロパティが追加
CSSで新たに「aspect-ratio」プロパティがサポートされ、任意の要素にアスペクト比を設定できるようになりました。これまでは画像など一部の要素において、横幅か高さの一方のみが指定されている場合にもう一方はアスペクト比から自動で計算されていましたが、同様の動作をdivなど他の要素で行うことが可能になります。


◆新たなウィンドウで開くように設定されているリンクの標準動作が「noopener」に
開いたページのJavaScriptが元のページを操作できなくなっており、セキュリティが向上しています。


◆OSの「マウス加速」機能を無効化可能に
「マウス加速」は「マウスを動かす速度によってマウスカーソルの移動距離が変わる」という機能で、マウスの可動範囲が狭い場合などには便利なのですが、ゲームのプレイ時にマウス加速がオンになっていると正確なポインティングが難しくなってしまうため、Chrome 88からはPointer LockAPIを利用してマウス加速を無効化する機能が搭載されました。

◆イベントリスナーの削除が簡単に
addEventListenerが「abortシグナル」をオプションに取るようになり、簡単にイベントリスナーを削除することが可能になりました。


◆JavaScriptの動作が改善
表示していないページがJavaScriptのタイマーを連鎖的に発生させている場合の動作を改善し、CPU使用率を低下させています。Chromeチームによると、下記のようなケースではタイマーの代替手段を利用してほしいとのこと。

・要素がビューポートにいつ入るかを知りたい場合は「IntersectionObserver
・要素のサイズがいつ変更されるかを知りたい場合は「ResizeObserver
・DOMがいつ変更されるかを知りたい場合は「MutationObserver」もしくはカスタム要素のライフサイクルコールバック
・サーバーをポーリングしたい場合は「webソケット」「server-sent events」「プッシュAPI」「fetch streams
・音声やムービーの状態に応じて何かをしたい場合は「timeupdateやendedのイベント」や「requestVideoFrameCallback
・アニメーション
アニメーションの内容が事前に定義できる場合はそもそもCSSでアニメーションするか、「web animations API」の利用が推奨されています。JavaScriptを利用する場合でも、タイマーではなく「requestAnimationFrame」を利用することで非表示状態の動作を改善できるとのこと。

また、Chrome 88には36個のセキュリティバグフィックスが含まれています。

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