サイエンス

新型コロナウイルスワクチンを接種すると何が起こるのか?


新型コロナウイルスワクチンは2020年12月にアメリカ食品医薬局の使用許可を取得し、各地で接種が始まっていますが、登場したばかりの医薬品を接種することには不安もあります。そこで、新型コロナウイルスワクチンを接種した際に起こる反応について医薬品や健康に関するニュースメディアのSTATが解説しています。

What to expect when you're injected: Vaccine side effects explained - STAT
https://www.statnews.com/2020/12/22/what-to-expect-when-youre-injected-vaccine-side-effects-explained/

一般的なワクチンは、病原性を弱めたウイルスや細菌を体内に注入し、人為的にウイルスに感染した状態を再現することで、そのウイルスに対する免疫を獲得します。これに対し、新型コロナウイルスワクチンは新型コロナウイルスそのものではなく、新型コロナウイルスの表面のタンパク質を合成する情報を持ったmRNAを注入します。その後、体内では、mRNAの情報を元に新型コロナウイルスの表面と同一のタンパク質が合成され、そのタンパク質に対抗する形で抗体が作られることで、新型コロナウイルスに対する免疫を獲得できます。


STATによると、「ワクチンを接種すると、新型コロナウイルスを体内に入れることになる」という誤解が広がっているとのこと。しかし、前述の通り新型コロナウイルスワクチンではmRNAを注入するため、ワクチンにより新型コロナウイルスに感染することはありえません。

また、新型コロナウイルスワクチンを接種すると、合成されるタンパク質に対する免疫反応によって発熱することがありますが、これは「膝をすりむくと、患部が発熱する」といった反応と同様の仕組みで起きる正常な反応であり、何も心配する必要はないとのこと。

ワクチン接種後に発熱などの軽い副作用が現れることは、「ワクチンが効いている」ということを示しています。STATは、「ワクチンに対する正しい知識を身に付ける事が重要です」と締めくくっています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
なぜ新型コロナワクチンはこれほど高速に開発できたのか? - GIGAZINE

Twitterが新型コロナウイルスワクチンに関する誤情報を削除すると発表 - GIGAZINE

「新型コロナウイルスの変異種」がイギリスで流行の兆し、新たな変異種について専門家が解説 - GIGAZINE

新型コロナウイルスのワクチン接種の優先者リストから医療従事者が除外される事態が発生 - GIGAZINE

「新型コロナワクチン接種後もマスクは必要?」など5つのよくある質問に医師が回答 - GIGAZINE

新型コロナPCR検査の結果やワクチン接種の有無を証明する「デジタルパスポート」の導入が進む、研究者は不平等をもたらすと懸念 - GIGAZINE

in サイエンス, Posted by log1o_hf

You can read the machine translated English article here.