「新型コロナワクチン接種後もマスクは必要？」など5つのよくある質問に医師が回答

2020年12月10月に、アメリカ食品医薬品局(FDA)の諮問委員会が、大手製薬会社・ファイザーの新型コロナウイルスワクチン「BNT162b2」の緊急使用承認につながる報告書を発表するなど、新型コロナウイルスワクチン普及に向けた動きが着々と進みつつあります。そんな新型コロナウイルスワクチンについてのよくある質問とその答えを、アメリカ・テキサスA＆M大学のプライマリケア医師であるジェイソン・マックナイト博士が5つにまとめました。

The coronavirus vaccine: A doctor answers 5 questions
https://theconversation.com/the-coronavirus-vaccine-a-doctor-answers-5-questions-151985

◆1：ワクチンを接種された後もマスクの着用が必要？
マックナイト博士は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防接種を受けた後も、公共の場では引き続きマスクの着用が奨励されることになりそうです。なぜなら、ワクチンの有効率が95％だとしても、5％は感染する確率が残っているからです」と述べて、ワクチン接種後もマスク着用による感染予防の取り組みが必要になるとの見方を示した。

また、マスクにはCOVID-19以外の呼吸器系の感染症を予防する効果もあるため、すでに多大な負担がかかっている医療システムへの影響を軽減させる効果も期待できるとのこと。実際に、世界各地でCOVID-19以外の感染症が激減していることや、COVID-19対策として実施されている「社会距離拡大戦略」が他の感染症も抑制しているとの研究結果などが報告されています。

新型コロナウイルス対策の「社会距離拡大戦略」が他の感染症も抑えていることが確認される - GIGAZINE

また、ワクチンを接種しても無症状のままCOVID-19に感染する人がいる可能性はあるため、そのような場合における感染拡大予防にも、マスクは役立つとマックナイト博士は指摘しました。

◆2：ファイザーのワクチン接種を確実に2回受けるにはどうすればいい？
ファイザーが開発したワクチンは、1回接種してから3週間の間隔をあけて2回目の投与を受ける必要があるとされています。この点について、マックナイト博士は「ファイザーのワクチンは2回接種することを前提に配布が行われ、各医療機関はワクチン接種を受けた人の記録を保管して2回目の接種時に確認をとります」と述べて、確実に2回接種を受けられるよう考慮されていることを強調しました。

◆3：専門家はどのようにワクチンの安全性を確かめているのか？
マックナイト博士によると、公衆衛生の専門家らは多くの人に向けてワクチンを配布するにあたり、複数の方法でワクチンの安全性を追跡しているとのこと。まず、ワクチンの効果を確かめるための治験でワクチンの接種を受けた人は、長期的な安全性に問題ないことを確認するための追跡調査にも参加することになっています。

また、ワクチンが広く配布された後も第IV相市販後臨床試験が実施され、安全性に問題が生じていないことや、ワクチンが当初考えられていた効果を維持していることなどが確かめられるとのことです。

◆4：ワクチン接種を受ける時期はいつ分かる？
アメリカでは、ワクチン接種の時期を知りたい人は州の保健当局に連絡すれば、最新情報や詳細についての情報提供を受けられるとのこと。また、質問がある場合はかかりつけの医療機関に連絡するようにと、マックナイト博士はアドバイスしました。

◆5：どこでワクチン接種を受けるべき？
ワクチンがどのように配布されるかは記事作成時点では決まっていませんが、マックナイト博士は「ほとんどのワクチンは医療機関、医療提供者のオフィス、一部の薬局に配送されると思われます」と話しました。ワクチン接種を受けられる最寄りの場所を知りたい場合は、住んでいる地域の保健当局や医療機関に問い合わせてほしいとのことです。