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SpaceXの衛星インターネット「Starlink」のベータテストユーザーから続々と感銘の声が上がる

by Official SpaceX Photos

2020年10月下旬に、民間宇宙開発企業のSpaceXが提供する衛星インターネット「Starlink」のパブリックベータテストが開始されました。すでにベータテストを利用したユーザーによると、たまに接続が途切れるといった問題点はあるものの、全体的なパフォーマンスは驚くべきものだったと報告されています。

SpaceX Starlink has some hiccups as expected, but users are impressed | Ars Technica
https://arstechnica.com/information-technology/2020/11/spacex-starlink-has-some-hiccups-as-expected-but-users-are-impressed/


Starlinkは1万2000基もの人工衛星を地球周回軌道上に配置し、インターネットインフラが十分に整備されていない地域にまで、快適なインターネット接続環境を構築するというプロジェクト。2019年5月に最初の人工衛星が打ち上げられて以来、SpaceXは次々と衛星の数を増やしています。

そして2020年10月には人工衛星の数が900基近くに達し、アメリカ北西部を含む一部地域にインターネット環境を提供できるまでになりました。そこでSpaceXはアメリカ北西部に住むユーザーに対し、パブリックベータテストの展開を開始。パブリックベータテストは月額料金が99ドル(約1万300円)で、これに加えて衛星に接続するためのユーザー端末・端末取り付け用の三脚・Wi-Fiルーターを含むスターターキットを499ドル(約5万2000円)で購入する必要があるとのこと。

SpaceXの衛星インターネット「Starlink」がパブリックベータテストを開始、料金は月額1万円 - GIGAZINE


SpaceXはパブリックベータテストに参加するユーザーに対し、「最初の数カ月間は、短期的に接続が完全に途切れる時間帯もある」と通知しており、依然として完全なインターネット接続環境の提供には至っていないと主張しています。

海外メディアのArs Technicaによると、確かにユーザーたちは一時的に接続が途切れる問題に直面しているものの、全体的なパフォーマンスには感銘を受けているとのこと。パブリックベータテストに参加するユーザーの多くは、これまで最新のブロードバンド環境に接続できなかった人々であり、Starlinkの比較的高速なインターネット通信を高く評価しているそうです。


RedditユーザーのExodatum氏は、「接続が少し不安定になっています。5分~10分おきに接続に敏感なサーバーから切断されてしまいます」と述べていますが、読み込みにバッファを持たせているNetflixなどの動画配信サービスは快適に視聴できるとのこと。Exodatum氏によると、アップロード速度は10~30Mbpsほど、ダウンロード速度は15~120Mbpsだったと報告しています。

Exodatum氏はStarlinkの受信用アンテナやユーザー端末を屋根に取り付けるまでの間、一時的に屋外のテーブルに置いていたことから、設置場所によって接続が不安定になっていた可能性があります。また、Exodatum氏が住む地域は曇りがちであり、すでに雪が降ることもあるそうで、天候が影響したかもしれないそうです。


カナダとの国境に接するモンタナ州に住むBenchingServers氏というRedditユーザーは、Starlinkのパブリックベータテストが開始された当初に、大雪の天候下で11~100Mbpsのダウンロード速度を記録したと報告。しかし、それからしばらく経過した時点のテストでは、前回のテスト時より天候が悪化したにもかかわらず、通信速度はさらに向上したとのこと。この結果からBenchingServers氏は、当初は衛星のカバレッジが悪かったことで、速度が上がらなかったのではないかと推測しています。

BenchingServers氏は、Starlink回線ではたびたび通信が切断されることから、リアルタイムのコミュニケーションを行うZoom会議では従来の回線に戻したそうです。しかし、SpaceXがより多くの人工衛星を打ち上げることで切断問題は改善されるとBenchingServers氏は考えており、「SpaceXが問題を解決すれば本当にうまく行くと思います。だからこそ、今の段階ではベータ版になっているのです」と述べました。

また、モンタナ州に住む別のパブリックベータテストユーザーであるNickolas Friedrich氏は、これまで1Mbps未満の通信速度で月額120ドル(約1万2500円)の回線料を支払ってきたとコメント。しかし、Starlinkのパブリックベータテストでは、たまに10秒間ほど接続が途切れたり、速度が低下したりするものの、基本的に170Mbpsもの通信速度が得られているとのこと。「Starlinkを使用してダウンロードにバッファがあるYouTubeやNetflixを視聴するなら、素晴らしい都市部のケーブルインターネットのように感じるでしょう」と、Friedrich氏はコメントしています。


SpaceXは今後もより多くの人工衛星を打ち上げ、ネットワークを改善していく予定であり、Starlinkの通信速度および安定性は今後数カ月で向上するとみられています。パブリックベータテストへの招待メールの中で、SpaceXは「さらなる人工衛星の打ち上げ、地上局の設置、ネットワークソフトウェアの改善により、データ速度や遅延、稼働時間は劇的に向上します。遅延については、2021年夏に16~19ミリ秒を達成する予定です」と記しています。

また、パブリックベータテストは数カ月以内にアメリカ南部まで拡大する可能性があるとのこと。フロリダ州での展開について尋ねられたイーロン・マスクCEOは、「低緯度の州ではより多くの衛星が必要なので、おそらく2021年1月に拡大することでしょう」と回答しました。

Lower latitude states need more satellites in position, so probably January

— Elon Musk (@elonmusk)

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