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ディズニーが「人間のようにまばたきをして視線が揺れるロボット」を開発、ただし人間らしい皮膚はなし


ディズニーの研究部門であるウォルト・ディズニー・イマジニアリングが、大学の研究チームと協力して「人間の顔の動きを高いレベルで模倣したロボット」を開発しました。新たに開発されたロボットはまばたきや頭の微妙な動き、視線の移動といった仕草が非常にリアルな一方、人間らしい皮膚がない奇妙な見た目となっています。

Realistic and Interactive Robot Gaze – Disney Research
https://la.disneyresearch.com/publication/realistic-and-interactive-robot-gaze/

Disney Made a Skinless Robot That Can Realistically Stare Directly Into Your Soul
https://gizmodo.com/disney-made-a-skinless-robot-that-can-realistically-sta-1845522375

Disney’s new skinless robot can blink like a human because why not - The Verge
https://www.theverge.com/2020/11/1/21544341/disney-skinless-robot-blink-human-robotics

人間らしく作られたロボットと実際の人間との違いは多くありますが、そのうちの一つに「ロボットは人間と違い、まっすぐ自分を凝視してくる」という点があります。相手と視線を合わせる機能を持ったロボットの多くは、相手と視線を合わせたらそのまま動きませんが、実際の人間は視線をあちこちにさまよわせたり、まばたきをしたりして視線を外します。


そこでウォルト・ディズニー・イマジニアリングの研究チームは、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校カリフォルニア工科大学の研究チームと協力して、「より人間らしい顔の動きを模倣したロボット」の開発を行いました。

実際にディズニーが開発した人間らしいロボットは、以下のムービーで確認できます。

Realistic and Interactive Robot Gaze - YouTube


新たに開発されたロボットは胴体こそ普通のシャツを着ているものの、顔面は眼球や歯がむき出しのかなりグロテスクなもの。


外見こそロボットらしさにあふれていますが、ロボットの顔や眼球はなめらかに動き、まるで人間のように見えます。


付近に誰もいない場合、ロボットはぼーっとしていますが……


人が近づくとスムーズに視線を合わせました。胸部にある黒いセンサーで人間の位置を捉えているとのこと。


ロボットの眼球は常に小さく動いていますが、これは人間の「マイクロサッケード」と呼ばれるわずかな眼球運動を模倣したもの。人間の目は視野のわずか2%に焦点を当てているため、一点を凝視していても常に視線を微修正しているとのこと。


また、時にはまばたきをしてまぶたが下がります。


呼吸をするのに合わせて頭部が上下に揺れる動きも模倣しており、皮膚がない点に目をつぶれば非常に人間らしいロボットです。


目の前の人が頭をかたむければロボットもそれに合わせて頭をかたむけ……


反対にかたむければロボットもそれに合わせました。


複数人が目の前にいても、1人にだけ視線を合わせ続けるといった不自然なことはせず、時々視線を移動させて相手を交互に見つめます。


GIZMODOはこのロボットが人間らしさという点で優れているとしつつも、「これらのアップグレードされたロボットが遊園地などに導入される前に、ディズニーはロボットの頭に偽のシリコンスキンを付けた方がいいでしょう」と述べ、グロテスクな頭部はどうにかした方がいいと主張しました。

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in ハードウェア,   サイエンス,   動画, Posted by log1h_ik

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