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真夜中にノーベル賞の受賞者がもう1人の受賞者の自宅に行って受賞を伝えるムービーが公開され話題に

by Nobel Media. Ill. Niklas Elmehed

ノーベル賞を選考するスウェーデン王立科学アカデミーが2020年10月12日に、2020年のノーベル経済学賞をスタンフォード大学の経済学者であるポール・ミルグロム教授とロバート・ウィルソン名誉教授に授与することを発表しました。この知らせを受けたウィルソン氏が、真夜中に直接ミルグロム氏の自宅に赴き、直接ノーベル賞受賞を伝えるムービーが公開され、話題となっています。

Stanford economists Paul Milgrom and Robert Wilson win the Nobel in economic sciences | Stanford News
https://news.stanford.edu/2020/10/12/stanford-economists-paul-milgrom-robert-wilson-win-nobel-economic-sciences/

2020年のノーベル経済学賞受賞者は、オークションにゲーム理論の手法を導入するという「オークション理論」の発展に貢献したミルグロム・ウィルソン両氏に決まりました。両氏の研究は理論の域にとどまらず、電波の周波数割り当てを決める際に行われる「電波オークション」に活用されるなど、人々の実生活にも役立っています。

ミルグロム氏(左)とウィルソン氏(右)


ノーベル委員会は、発表と同時にウィルソン氏に連絡して賞の授与を知らせましたが、共同受賞者であるミルグロム氏については個人的な連絡先を知らなかったために、連絡が取れませんでした。ウィルソン氏は、ノーベル委員会にミルグロム氏の連絡先を教えましたが、時差の影響で両氏が住むアメリカ・カリフォルニア州の現地時間は午前2時と真夜中だったため、結局ミルグロム氏には電話がつながりませんでした。

そこで、ミルグロム氏の自宅と通りを挟んで向かい側に住んでいるウィルソン氏は、午前2時15分ごろにミルグロム氏宅を直接訪問して、ノーベル賞受賞を伝えました。ミルグロム氏の自宅のインターフォンに記録されたこの時の映像を、スタンフォード大学がTwitterに投稿しています。



真っ暗な中、インターフォンのボタンに手を伸ばしている男性がウィルソン氏です。


ドアをたたきながら「ポール、ポール」とミルグロム氏の名前を呼ぶウィルソン氏。後ろにはウィルソン氏の妻であるメアリー夫人の姿もあります。


30秒ほどしてミルグロム氏がインターフォンに出ると、ウィルソン氏は開口一番に「ボブ・ウィルソンだ。君はノーベル賞を取ったぞ」と話しました。


ウィルソン氏とメアリー夫人は、ノーベル委員会がミルグロム氏の連絡先を知らなかったことや、ウィルソン氏からノーベル委員会にミルグロム氏の携帯電話の番号を伝えたことなどを説明。これに対し、驚いた様子のミルグロム氏はしばらくたってから「ワオ、そうか」とだけ答えました。


この映像は記事作成時点で236万回も再生されているほか、映像を投稿したスタンフォード大学のツイートにも6万件の「いいね」が寄せられています。

ウィルソン氏自身、最初にこの知らせが来た時は電話詐欺だと考えて自宅の電話線を抜いてしまったとのこと。そこで、ノーベル委員会が代わりにメアリー夫人に連絡をしたことで、ウィルソン氏は自分がノーベル経済学賞を受賞したことを知りました。

スウェーデン王立科学アカデミーが、賞とともに授与した1000万スウェーデンクローナ(約1億1947万円)の賞金は、両氏の間で均等に分けられるそうです。

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in 動画, Posted by log1l_ks

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