メモ

中国・ロシア・サウジアラビアが国連人権理事会の理事国に選出される見込み、人権団体は強い懸念を表明


2020年10月13日に実施される国連人権理事会理事国選挙で、中国・ロシア・サウジアラビアなどの人権侵害に関する批判が根強く存在する国が当選する見込みです。これについて各国の人権団体は強い懸念を表明しており、ジュネーブに拠点を置く国連監視組織のUN Watchは「有罪判決を受けた放火犯が消防隊に参加するようなもの」と表現しています。

China, Russia and Saudi Arabia set to join UN human rights council | United Nations | The Guardian
https://www.theguardian.com/world/2020/oct/12/china-russia-saudi-arabia-set-join-un-human-rights-council

‘World’s worst abusers’ to join UN human rights council | World | The Times
https://www.thetimes.co.uk/article/worlds-worst-abusers-to-join-un-human-rights-council-grxf0cs9q

UN: Deny Rights Council Seats to Major Violators | Human Rights Watch
https://www.hrw.org/news/2020/10/08/un-deny-rights-council-seats-major-violators

国連人権理事会は、2006年にコフィー・アナン国連事務総長の提言によって設置された、国際連合加盟国の人権を定期的・系統的に見直すことで国際的な人権状況を改善することを目的とした、国際連合の下部組織です。理事会は47議席で構成されており、アジアには13議席、アフリカに13議席、ラテンアメリカに8議席、東欧に6議席、西欧に7議席と、地域ごとに異なる議席数が割り当てられています。

By Ludovic Courtès

2020年10月13日に実施される国連人権理事会理事国選挙では、47議席のうちの15議席の改選が行われる予定。しかし、この改選に際して、中国、ロシア、サウジアラビア、キューバ、パキスタンなどの人権侵害の非難が根強い国が立候補する見込みです。

イギリス大手紙のThe GuardianやThe Timesの報道によると、秘密裏に行われた裏取引によってロシア・キューバには対立候補が存在せず、中国・サウジアラビア・パキスタンは同ブロックで立候補した5カ国で4議席を争うことから、選出される公算が大きいとみられています。

中国は香港国家安全維持法やチベット・新疆ウイグル自治区の強制収容施設、ロシアはシリアでの民間人虐殺化学兵器使用疑惑、サウジアラビアはイエメンでの民間人虐殺や、女性権利活動家などの人権擁護主義者や反体制派の弾圧など、国際的に大きな非難を招いた人権問題をそれぞれ抱えています。こうした人権問題のある国が国連人権理事会理事国に当選する可能性が高いという現状に対して、多くの人権団体が強い懸念を表明しています。ヒューマン・ライツ・ウォッチのルイス・シャルボノー氏は「中国とサウジアラビアは国内で大規模な権利侵害を犯しているだけでなく、国際的な人権システムを弱体化させようとしている」と指摘。Citizen Power Initiatives for ChinaのYang Jianli代表は「もしもこれが『国連人権侵害理事会』の理事国選挙だとしたら、中国に投票するのは妥当でしょうね」と皮肉っています。


国連人権理事会理事国に選出されるには、全加盟国の絶対過半数(97票以上)が必要です。各国の人権団体はEU諸国に対して投票を再考するように嘆願しています。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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