Googleが検索ワードを予測する「オートコンプリート機能」を大統領選対策で一部削除、Twitterもポリシーを変更して選挙妨害を排除する方針

2020年11月3日のアメリカ合衆国大統領選挙を目前に、GoogleやTwitterが相次いでデマや誤解を招きやすい言論への対策を打ち出しています。Googleはサーチエンジンにおいて検索ワードを補完したり、関連ワードの候補を表示する「オートコンプリート」機能の政治的な予測を排除すると発表しており、Twitterも選挙や投票のデマを削除すること明示しました。
Our latest investments in information quality in Search and News
https://blog.google/products/search/our-latest-investments-information-quality-search-and-news
Expanding our policies to further protect the civic conversation
https://blog.twitter.com/en_us/topics/company/2020/civic-integrity-policy-update.html
Google and Twitter expand policies to fight election misinformation - Los Angeles Times
https://www.latimes.com/business/technology/story/2020-09-10/google-twitter-expand-policies-to-fight-election-misinformation
トランプ大統領が初当選した2016年大統領選挙では、ロシアによるハッキングを通じた干渉や工作があったとされていることから、2020年大統領選挙ではこれまで以上にサイバー攻撃や世論誘導などが警戒されています。
こうした懸念を背景に、Facebookは2020年9月3日に声明を発表し、これまで堅持してきた政治広告の掲載を選挙前の1週間はブロックする方針を打ち出しました。Facebookのマーク・ザッカーバーグCEOは声明の中で「今回の選挙はいつものようにはいかないでしょう」と述べています。
Facebookが「大統領選の1週間前は政治広告をブロックする」ことを発表 - GIGAZINE

Facebookに続き、Googleは9月10日に公式ブログを更新し、「選挙に関するオートコンプリート ポリシーを拡充し、候補者または政党に対する主張と解釈される可能性のある予測をGoogle検索から削除します」と発表しました。
Google検索のオートコンプリート機能とは、入力中の検索ワードを補完したり、関連する検索ワードの候補を表示したりする機能のことです。これによりユーザーは少ない入力でスムーズに検索を行うことができますが、特定の候補者名や政党名と一緒に有利または不利な検索ワードが表示されると、候補者や政党へのイメージが変容してしまうという問題がありました。

by John Swindells
Googleは今後、候補者や政党だけでなく投票方法や投票要件、投票場所の状況などの選挙への参加に関する主張や、選挙の安全性や正当性に関する主張ととれる予測も削除するとのこと。例えば、「you can vote by phone(電話で投票ができます)」や「you can't vote by phone(電話では投票ができません)」といった投票関連のフレーズは正しいかどうかを問わず表示から除外されるほか、政党や候補者への寄付に関するフレーズも表示されなくなります。ただし、検索自体はこれまでと同様に、どんな検索ワードでも行うことが可能です。
Googleのグローバルポリシーおよびスタンダード担当シニアディレクターであるデヴィッド・グラフ氏は、「完全に良心的な予測も巻き込まれてしまうかもしれませんが、特に選挙関連のクエリについては、これが最も責任のあるアプローチだと考えています」と話しました。
また、Twitterも9月10日に公式ブログを更新して、「市民の清廉性に関するポリシー」の拡充を発表しました。これにより、選挙や投票に関するデマまたは誤解を招くような情報は削除されたり、ラベルが表示されたりするようになります。
Under this expanded policy, we will label or remove false or misleading information intended to undermine public confidence in an election or other civic process. We will begin enforcing this updated policy in 7 days.
— Twitter Safety (@TwitterSafety) September 10, 2020
Twitterの新しいポリシーは、発表から1週間後の2020年9月17日から発効するとのこと。Twitterは発表の中で「私たちは、民主主義のプロセスにおいて最も重要な選挙で私たちのサービスが悪用されることを許しません。そのような試みに対しては、国内外を問わず全ての人に平等かつ公正に適用される私たちのルールが、厳格に執行されることになります」と述べました。
体力のあるIT大手各社が積極的な選挙対策を講じている一方で、地方自治体の選挙担当部局は人手不足にあえいでいると報じられています。アメリカのニュース放送局NBC Newsの取材に対し、ノースカロライナ州ウォーレン郡の選挙管理責任者Debbie Formyduval氏は、「ここにはフルタイムのスタッフが3人しかおらず、しかもITの専門家は1人もいません。我々はシステムのセキュリティを強化するため、国境警備隊からサイバーセキュリティの専門家を迎えました」と話しました。
With election cybersecurity experts in short supply, some states call in the National Guard
https://www.nbcnews.com/tech/security/election-cybersecurity-experts-short-supply-some-states-call-national-guard-n1238893

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