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Appleが中小企業の「ナシの形のロゴ」がAppleのロゴに酷似していると商標登録に異議申立て


一口かじられたリンゴをモチーフにしたロゴを掲げるAppleが、ナシをモチーフにしたロゴの商標登録に異議申立てを提出したと報じられています。異議を申し立てられた企業は「大企業のAppleは同様の手口で中小企業に圧力をかけている」として、異議申立ての取り下げを求める嘆願書への署名を募っています。

Apple Takes Legal Action Against Small Company With Pear Logo - MacRumors
https://www.macrumors.com/2020/08/08/legal-action-against-company-with-pear-logo/


Apple Takes Legal Action Against This Small Company's Pear Logo [Update] | iPhone in Canada Blog
https://www.iphoneincanada.ca/news/apple-legal-action-pear-logo/#disqus_thread


Apple's Notice of Oppos... by MacRumors on Scribd



今回Appleに訴えられたのは、Super Helathy Kidsが運営するオーガニック料理のレシピ提供サービス「Prepear」です。Prepearは洋ナシをモチーフにしたロゴを使っており、このロゴを商標登録する手続きを2017年から進めていました。Prepearの最高執行責任者であるラス・モンソン氏によれば、アメリカの商標局からは「他の登録商標と競合していないが、異議申立てがないか確認するために公開する」という段階だったとのこと。

しかし、商標登録に異議申立てができる期日になって、Appleがこの商標登録申請に待ったをかけました。提出された商標異議申立書の中で、Appleは「Prepearのロゴを見た消費者は、Appleを連想する可能性が高い。Prepearのロゴは、直角に配置した葉っぱと小さなフルーツのデザインで構成されており、これはただちにAppleの有名なアップルロゴを連想させ、以下に比較するように、まるで同一であるような商業的な印象を与えるものである」と主張。Prepearのロゴの商標範囲が、Appleの登録する「コンピューターソフトウェア、およびヘルスケア、栄養、一般的なウェルネス、ソーシャルネットワーキングに関連するサービス」と重なると述べています。


Appleは1976年からデザイナーのロブ・ジャノフ氏がデザインした「一口かじられたリンゴ」をロゴに使用しています。ロゴの形そのものは40年以上ほとんど代わっていませんが、当初は6色のレインボーカラーだったのが1998年から単色になっています。また、異議申立書の中では、Appleの知名度について各メディアの記事が参考資料として引用されており、Appleが先行してリンゴのシルエットをロゴに使ってきた事実とそのブランド力をアピールしています。

Appleのロゴマークのリンゴはなぜ一口かじられているのかという本当の理由 - GIGAZINE


Appleの訴えに対して、Super Healthy KidsはInstagramの公式アカウントで、「中小規模のビジネスを行っている私たちのナシのロゴが、時価総額160兆円超えの大企業であるAppleのブランドを傷つけると考えているのでしょうか」と述べ、ロゴを変えるためには数万ドル(数百万円)のコストがかかると主張。また、PrepearはAppleが果物をロゴに採用する中小企業数十社に対して同じような措置を行っており、Appleと裁判で戦うほどの金銭的余裕がない多くの会社がロゴを変えるか廃業するかを迫られていると主張しています。


Super Healthy Kidsが指摘する通り、実際にAppleは過去にノルウェー政党のロゴドイツの自転車専用コースのロゴに対して異議申立てを行っています。


Super Healthy Kidsは「誰もApple製品の使用や購入をやめさせようとしているわけではありません」と述べ、Prepearはわずか5人のスタッフで構成される小さな子会社で、すでに法的費用として数千ドル(数十万円)を要しており、やむを得ず1人を解雇することになったと報告しています。また、署名サイトのChange.orgで嘆願書を募っており、記事作成時点で3万7000人以上の賛同者が集まっています。

モンソン氏は「この訴訟は明らかに軽薄なものです。いったん一般の人々がこの件に関するAppleの立場を認識すれば、Appleは正当な理由もなく明らかにわれわれに損害を与えていることを一般の人々に知られるよりも、訴訟を取り下げることを選ぶと私たちは信じています」と述べました。

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in デザイン, Posted by log1i_yk

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