「TikTok」が本社を中国からイギリスに移転する計画を立てている
ユーザーデータの扱いについて問題が指摘されている動画共有アプリ「TikTok」が、イギリスに本社を移転する計画を進めています。しかし、イギリス政府は中国製品の取り締まりを強化する姿勢であり、協議は難航している模様です。
TikTok shelves plan for global HQ in Britain | News | The Sunday Times
https://www.thetimes.co.uk/article/tiktok-shelves-plan-for-global-hq-in-britain-chl5gpbzb
TikTok halts talks on London HQ amid UK-China tensions | Technology | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2020/jul/19/tiktok-halts-talks-on-london-headquarters-amid-uk-china-tensions
TikTokは世界に10億人のユーザーを持つ人気アプリですが、「ユーザーのさまざまな情報を収集している」と指摘されており、インドで使用が禁止されたほか、香港から事業が撤退し、アメリカ議会でも「TikTokはプライバシー上の懸念があるため使用しないように」と警告されています。
このような懸念が広まるなか、TikTokが中国を拠点とする親会社・ByteDanceと距離を置くために、本社を中国・北京からイギリスに移す計画を立てていることが判明しました。
ただし、イギリス政府は中国製品排除の姿勢を強めており、2020年7月14日には「2027年末までに全てのHuawei製品をイギリスの5G通信網から排除する」という方針を発表しています。
「2027年までにHuawei製品を5G通信網から完全に排除する方針」をイギリス政府が公式に発表 - GIGAZINE
TikTokはイギリスの首都ロンドンに本社を移すことを求めて数カ月にわたりイギリス政府と協議を行ってきました。しかしSunday Timesによると、 TikTokはイギリス政府との交渉の中で新たに3000人の雇用を生み出すオフィスを開設することを計画していましたが、ByteDanceは「より広範な政治的背景により計画を延期した」と述べているとのこと。一方でロイターは「協議はまだ継続中」だという関係者の情報を報じています。
まだ結論には至っていないものの、ロンドンへの移転が難しい場合は、すでに何人かのスタッフが働いているアイルランド首都のダブリンも候補となっていることをThe Guardianは示しています。
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