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Facebookがクラウドソーシングで地図用データを収集する「Mapillary」を買収


Googleストリートビューのような道路沿いの風景写真をクラウドソーシングで収集し、地図データと一緒に提供している地図サービスの「Mapillary」が、Facebookに買収されたことを公式ブログ上で発表しました。マサチューセッツ工科大学(MIT)が所有する科学技術誌であるMIT Tech Reviewに、「地図製作のWikipedia」と評されるMapillaryのヤン・エリック・ソレムCEOは、同社が買収された経緯をブログ上で説明しています。

Mapillary Joins Facebook on the Journey of Improving Maps Everywhere - The Mapillary Blog
https://blog.mapillary.com/news/2020/06/18/Mapillary-joins-Facebook.html

ソレムCEOは最初に「Mapillaryのサービスがスタートした日から、我々は誰もがより良い地図を作成するために必要な画像とデータを取得できるようにするために、グローバルなストリートレベルの画像を提供するプラットフォームの構築に取り組んできました。プラットフォームには何万人もの貢献者がおり、Mapillaryのデータで毎日地図が改善されている現在、我々は次の大きなステップに踏み出す時が来たと感じています」と記し、Mapillaryにとって変革の時が来たと主張。


Facebookは機械学習や衛星画像、マッピングコミュニティとの提携を通し、よりオープンな地図プラットフォームを製作するための取り組みを行っています。具体的に、2019年7月にオープンソースの地図データソースである「OpenStreetMap」に対し、Facebookは自社製AIツールであるの「Map With AI」を提供しました。MapillaryはFacebookの傘下となることで、Facebookが主導するオープンマッピングプロジェクトの一部として機能していくこととなるそうです。

Mapillaryでは世界中のあらゆる場所の最新視覚情報を作成するためのツールを構築しており、そのデータを誰もが更新できるようになっています。Mapillaryのこれまでの取り組みをFacebookのオープンマッピングプロジェクトと統合することで、「航空写真」と「道路沿いの風景写真」の両方の画像を人力および機械で処理していくことが可能になるとのこと。

なお、MapillaryはFacebook傘下となってからもこれまで通りのプラットフォームとしてあり続けるそうで、これまで通りユーザーがMapillaryに道路沿いの風景写真をアップロードしたり、プラットフォーム上に存在するすべての画像・地図データを使用したりすることができます。


加えて、Mapillaryは「OpenStreetMapへの取り組みも変わりません」と説明し、今後もすべてのマップコミュニティ・企業・都市と協力し、世界中の地図をより正確で詳細で最新のものに保つための努力を続けるとしています。

Mapillaryのデータはすべてオープンなものであり、誰もが非営利目的で自由に使用することが可能でした。このライセンスは今後も同様のものとなりますが、MapillaryがFacebook傘下に入ったことで、今後は商用利用目的のユーザーも無料でMapillary上のすべてのデータを利用可能となります。これについて、MapillaryのソレムCEOは「以前はプラットフォームを構築するために利益を得ることに集中する必要がありましたが、Facebook傘下となることで、Mapillaryを無料サービスとしてあらゆる人々に提供するという我々の当初のビジョンに近づくことができました」と語っています。

なお、Facebookは地図サービスを提供していないため、買収したMapillaryをどのように利用するつもりなのかは不明。Mapillaryはブログ上で「世界中の人道主義組織に重要なデータを提供するFacebook Marketplaceのようなプロダクトを強化することにつながる」と説明しています。

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in ネットサービス, Posted by logu_ii

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