メモ

120人以上のジャーナリストが黒人差別抗議運動の取材中に警察から不当な暴力を受けているという報告


2020年5月25日に黒人のジョージ・フロイドさんが白人警察官に取り抑えられて窒息死した「ジョージ・フロイドの死」事件をきっかけに、「Black Lives Matter」というメッセージをかかげて黒人差別撤廃を訴える抗議運動がアメリカ全国で行われています。抗議運動は、一部地域では警察官との衝突で過激化し、「ミネアポリス暴動」と呼ばれる暴動に発展。混乱する現場を取材する多数のジャーナリストが警察によって攻撃あるいは逮捕されており、「アメリカの法執行機関は故意にジャーナリストを標的にしている」と主張する者も現れています。

U.S. police have attacked journalists more than 120 times since May 28 » Nieman Journalism Lab
https://www.niemanlab.org/2020/06/well-try-to-help-you-follow-the-police-attacks-on-journalists-across-the-country


2020年5月29日に、抗議運動の中心地となっているミネソタ州ミネアポリス市で暴動事件を取材していたCNNの黒人レポーターが生放送中に逮捕されるという事件が発生しました。

暴動を取材していたCNNの黒人レポーターはなぜ生中継の最中に逮捕されたのか? - GIGAZINE


ニュースメディア・Bellingcat所属のジャーナリストであるニック・ウォーターズ氏は、警察によるジャーナリストへの攻撃を追跡するため、Twitter上に投稿されているジャーナリストへの逮捕や攻撃を記録した映像や写真を、2020年6月2日15時30分(東部標準時)までに124件まとめています。

例えば以下は、逃げる抗議者を追いかけていた警官隊の1人が、道中にいたカメラマンを殴りつける瞬間。他の警察官が慌てて止めに来るところも映り込んでいます。

Incident 101: member of the press deliberately attacked by what appears to be federal law enforcement in order to allow Mr Trump to walk from the White House to St John’s Church without being disturbed. https://t.co/VIjETSqEsH

— Nick Waters (@N_Waters89)


ウォーターズ氏は「いくつかの事件でジャーナリストが偶然襲われたり影響を受けたりする可能性もありますが、事件の記録を見ると、ジャーナリストは報道機関としてはっきり特定できるため、ミネアポリスでジャーナリストが意図的に標的にされていることは明らかです」と主張しています。

また、アメリカにおける報道の自由の侵害を追跡して記録する団体のU.S. Press Freedom Trackerによれば、2020年6月3日時点で報道の自由の侵害は192件確認でき、31人以上のジャーナリストが逮捕されたとのこと。また、ジャーナリストへの攻撃は131件あり、そのうち108件は警察によるもので、30の報道機材が損傷したと報告しています。ジャーナリストが受けた暴行は物理的な攻撃のほか、催涙ガス、コショウ散布、ゴム弾があったそうです。

You can see our spreadsheet tracking this data below. Please note these are preliminary numbers, so please let us know if anything is accidentally mischaracterized! (Also, some journalists were assaulted multiple ways.) https://t.co/73e9qJ0uLp

— U.S. Press Freedom Tracker (@uspresstracker)


海外ニュースメディアのザ・インターセプトの共同設立者であるジェレミー・スケイヒル氏は、「警察は抗議デモで定期的にジャーナリストを攻撃して逮捕しています。しかし、その多くがフリーランスの無名なジャーナリストだったので、誰も気を向けなかったのです。今も警察は意図的かつ継続的に、企業所属のジャーナリストも攻撃しています」とコメント。

Police forces have regularly attacked and arrested journalists at protests in this country. But often it has been unfamous journalists from non-corporate outlets, so no one paid attention to it. Now, the police are deliberately & consistently attacking corporate journalists too.

— jeremy scahill (@jeremyscahill)


日刊紙ニューヨーク・タイムズのホワイトハウス担当記者であるマギー・ハバーマン氏は「警察と記者が衝突する事件が違う都市でこんなに同時多発するのは初めてのことです。警官と記者の間には以前から緊張が走っていました。全国で同時多発的に記者への攻撃が行われるのはなにか違います」と述べています。

I’ve never seen so many incidents with police and reporters simultaneously in different cities. Tension between cops and reporters is nothing new. Aggression on reporters in multiple locations nationally at same time is something different. https://t.co/SA5s1Wy3DP

— Maggie Haberman (@maggieNYT)


日刊紙ワシントン・ポストの編集記者であるウェズリー・ロウリー氏は、2014年にもあったエリック・ガーナー窒息死事件に端を発する抗議運動に言及し、「今回の騒動は私にとって違った感じがあります。警察が、2014年からこれまで行われてきた抗議運動では超えてこなかった報道の自由という境界線を越えてきているように思います」と述べました。

This is the thing, to me, that feels different. This is the action where the police are crossing a line in terms of press freedom that they hadn’t routinely cross before at 2014-2019 protests. Your “new” and “increasing” narratives are now accurate https://t.co/MNq3sCrvvl

— Wesley (@WesleyLowery)

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in メモ, Posted by log1i_yk

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