「Firefox 76」正式版リリース、パスワード管理機能が大幅に強化される
ウェブブラウザ「Firefox 76」の正式版が公開されました。パスワードを盗み見られる危険性を減らしたほか、保存しているパスワードが流出済みのものでないかどうかチェックする仕組みが登場しています。
Firefox 76.0, See All New Features, Updates and Fixes
https://www.mozilla.org/en-US/firefox/76.0/releasenotes/
More reasons you can trust Firefox with your passwords | The Firefox Frontier
https://blog.mozilla.org/firefox/trust-firefox-with-your-passwords/
Firefox 76: Audio worklets and other tricks - Mozilla Hacks - the Web developer blog
https://hacks.mozilla.org/2020/05/firefox-76-audio-worklets-and-other-tricks/
◆新たなパスワード保護機能が追加
Firefox Lockwiseに保存されているパスワードを表示しようとした時に、マスターパスワードが設定されていない場合、そのデバイスのログインパスワードの入力が求められるようになりました。ちょっと席を外した際にパスワードを盗み取られてしまう危険性が減りそうです。
◆パスワードが流出済みのものと同一だった場合に警告を表示するように
Firefox Lockwiseに保存されているパスワードが、既に流出済みのパスワードと照合されるようになりました。流出済みのパスワードと一致するパスワードがあった場合、パスワードが脆弱であるという警告が表示されます。
また、ログインIDとパスワードが両方一致してしまった場合は流出済みという赤い警告が表示されます。なお、この照合によってFirefoxがパスワードを知ることはないとのこと。
◆ピクチャーインピクチャーの操作性改善
ピクチャーインピクチャーはFirefoxにて視聴中のムービーを小窓に切り出すことで、別の作業をしながらでも視聴を継続できるという機能ですが、Firefox 76からはその小窓をダブルクリックすることでフルスクリーン再生に切り替える事が可能になります。再びダブルクリックすることで元のサイズに戻すことも可能です。
◆音声処理のアップデート
Audio Workletのサポートが追加され、VRやゲームなどの複雑な音声処理が行いやすくなります。この変更によって、何も追加でダウンロードすることなくZoom会議に参加できるようになるとのこと。
◆WebRenderがノートPCで利用可能に
ウェブサイトの表示速度を改善するWebRenderが、Intel製のグラフィックチップを搭載した画面サイズ1920x1200以下のノートPCにて標準で利用可能になりました。
◆開発者向けの内容
・デバッガのアップデート
ファイルをブラックボックスにすることで、デバッグ作業においてデバッガがそのファイルを無視するように設定できますが、Firefox 76からはフォルダ内・フォルダ外をまとめてブラックボックスにする設定が登場しました。フォルダの中身に焦点を当てるための「ルートディレクトリーに設定」機能と組み合わせることで、より効率的にデバッグを行うことが可能になっています。
・コンソールの出力が折りたたまれるように
コンソールをマルチラインモードにすることで、複数行の入力を行うことができますが、Firefox 76以降は入力された内容が最初の5行分だけ表示され、残りは折りたたまれるようになります。
・コールスタックの情報を丸ごとコピー可能に
デバッガでコールスタックの情報を表示した際に、そのスタックトレース情報を丸ごとコピーすることが可能になりました。
・JSONプレビューにおいて常に「すべて展開」ができるように
・WebSocketインスペクションがAction Cableに対応
他にも、「Socket.IO」「SignalR」「WAMP」などのライブラリに対応しています。
・WebSocketコントロールフレームが非表示に
WebSocketコントロールフレームはサーバーとブラウザがリアルタイム通信を管理するために利用されていますが、データが含まれていないためFirefox 76以降デフォルトでは非表示となります。
・ネットワークテーブルの列のサイズをダブルクリックで適切に変更可能
ネットワークテーブルの列の間をダブルクリックすることで、それぞれの列の内容に合った幅へと自動で調整されるようになりました。
また、Firefox 76には数多くのセキュリティフィックスも含まれています。
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