メモ

新型コロナウイルスの責任問題でトランプ大統領が「国立感染症研究所所長の解任運動」をツイッター上でスタート

by IoSonoUnaFotoCamera

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大を生み出した「犯人捜し」がアメリカで行われています。アメリカの新型コロナウイルス対策を主導するアメリカ国立アレルギー・感染症研究所アンソニー・ファウシ所長が「政府の意思決定の遅さ」について非難、ドナルド・トランプ大統領は「でたらめだ」と反論して、ツイッター上でファウシ所長の解任を要求しています。

Anthony Fauci admits earlier Covid-19 mitigation efforts would have saved more American lives - CNNPolitics
https://edition.cnn.com/2020/04/12/politics/anthony-fauci-pushback-coronavirus-measures-cnntv/index.html

Trump spreads #FireFauci hashtag on Twitter as pandemic continues | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2020/04/trump-spreads-firefauci-hashtag-on-twitter-as-pandemic-continues/

ファウシ所長は2020年4月12日、CNNに対して「専門家の勧告に従って緩和策を導入する時期が早ければより多くの人命が救えたことは明白です」と回答。CNNによると、ファウシ所長はアメリカでまだCOVID-19の流行が始まっていなかった2020年2月中旬の段階で、「社会的距離を取る」などの政策を提言していたとのこと。しかし、トランプ政権が「社会的距離を取る」というガイドラインを推奨し始めたのは3月中旬でした。


ロックダウンに関してファウシ所長は、「感染が始まった時点から全てを閉鎖していれば、少しは違った結果になっていた可能性はありますが、当時は閉鎖に対して多くの反発がありました」と回答。専門家にできることは純粋な医学的な観点からの提言であって、その提言が採用されるかどうかは他の事情も関わるのだと示唆しました。


アメリカの大手紙の1つ、ニューヨーク・タイムズは「彼は何が起きるかを知ることができた:トランプ大統領の失策の原因とは」と題した記事で、「トランプ政権は専門家からの警告を受けていたにも関わらず無視した」として、激しく非難しました。

He Could Have Seen What Was Coming: Behind Trump’s Failure on the Virus - The New York Times
https://www.nytimes.com/2020/04/11/us/politics/coronavirus-trump-response.html


一連の報道に対して、最初に反応した政治家は共和党のディアナ・ロレイン氏でした。ロレイン氏は自身のツイッター上で「ファウシ所長はトランプ大統領が医学専門家の提言を早くから聞いていればもっと人命が救えたと述べています。しかし、ファウシ氏は2020年2月29日の段階で『アメリカの一般市民に対する脅威はなく、心配することはありません』と述べていました」と記して、「#FireFauci(ファウシを解任せよ)」というハッシュタグを付けてツイートを投稿しました。実際に、2月29日にファウシ所長はTODAYニュースに対して「現時点では、日々行っている行動を今すぐに変える必要はありません。今のところリスクはまだ低いといえますが、このリスクは変わる可能性があります」と回答していました


トランプ大統領もロレイン氏のツイートを引用する形で、「申し訳ありませんが、それはフェイクニュースですね。証拠もあります。私は人々がそれを口にするよりも早く、中国からの渡航を禁止しましたよ」と発言。実際にトランプ政権が中国からの渡航を禁止したのは、ヒトからヒトへの感染が中国・日本・ドイツ・ベトナムでしか確認されていなかった2020年1月31日の段階でした。


また、トランプ大統領はニューヨーク・タイムズの記事についても「ニューヨーク・タイムズという新聞自体がフェイクであるのと同様に、この記事もフェイクです」と言及。「中国からの渡航を禁じたとき、私は『やりすぎだ』と非難されました。(トランプ政権下で国家通商会議のトップを務める)ピーター・ナヴァロも渡航禁止という意見でしたよ」と述べました。


ファウシ所長はヒト免疫不全ウイルス(HIV)に関する研究とその対処法などの重要な医学的発見で知られる人物で、 アメリカ国立衛生研究所で50年以上も公衆衛生に貢献し、「アメリカの感染症に関する第一人者」と評される人物です。クイニピアック大学が2020年4月8日に実施した新型コロナウイルスの対応に関する世論調査によると、ファウシ所長の支持率は78%でしたが、トランプ大統領の支持率は46%でした。

なお、以上のような一連の論争にもかかわらず、ホワイトハウスのホーガン・ギドリー報道官は2020年4月13日、「アンソニー・ファウシ氏をトランプ大統領が解任することはない」と明言しました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
280万回も再生された「新型コロナウイルス感染症の流行初期における政治家・著名人の発言まとめ」ムービー - GIGAZINE

新型コロナウイルスのパンデミックに直面する社会全体が意識すべきこととは? - GIGAZINE

Amazonの倉庫作業員が新型コロナウイルスのパンデミックで直面する恐怖を告白 - GIGAZINE

なぜ新型コロナウイルスの犠牲者は「圧倒的に黒人が多い」のか? - GIGAZINE

トランプ大統領が新型コロナウイルス対策のため「ヨーロッパからの渡航を30日間停止する」と発表、株価は大きく下落 - GIGAZINE

新型コロナウイルス感染者の世界平均検出率はおよそ6%、実際の感染者は数千万人を超えている可能性 - GIGAZINE

in メモ, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.