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2020年第1四半期のPC出荷台数が新型コロナウイルスの影響で前年同期比で約10%減、一方でPCの需要は急激に上昇

by Nick Normal

調査企業のCanalysGartnerIDCが、2020年第1四半期のPC出荷台数に関する調査データを発表しました。3社とも「2020年第1四半期は、PC出荷台数が前年同期比で10%前後減少する」と報告しており、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で高まりつつあるPC需要に供給が応えられていない状況を指摘しています。

Canalys Newsroom- Canalys: Demand surges but PC shipments fall 8% due to a supply chain hit by COVID-19
https://www.canalys.com/newsroom/global-pc-market-Q12020-COVID19

Gartner Says Worldwide PC Shipments Declined 12.3% in the First Quarter of 2020 Due to Coronavirus Pandemic
https://www.gartner.com/en/newsroom/press-releases/2020-04-13-gartner-says-worldwide-pc-shipments-declined-12-point-3-percent-in-the-first-quarter-of-2020-due-to-coronavirus-pandemic


Traditional PC Shipments Saw a Sharp Decline in Q1 2020 Despite Increased Demand to Meet Remote Work and School Needs, According to IDC
https://www.idc.com/getdoc.jsp?containerId=prUS46214420


PCの出荷台数はここ1年間で増加の傾向にあり、2019年第4四半期の出荷台数は7180万台、前年同期比で4.8%の増加を記録したと報じられました。

2019年第4四半期のPC出荷台数は7180万台で前年同期比で増加、Windows 7のサポート終了が大きな後押しに - GIGAZINE


Canalysによれば、COVID-19の急速な流行拡大によって、世界各国で外出自粛によるリモートワークや自宅学習が行われるようになったことで、PCの需要は2020年第1四半期に急増しているとのこと。しかし、PCの出荷量は前年比で8%減少したと伝えています。

Canalysによる各企業のPC推定出荷台数をまとめた表が以下。1位のLenovoの出荷台数は前年同期比で4.4%減、HPは前年同期比13.8%減、中国以外のApple Storeを全店閉鎖したAppleは前年同期比で21.0%減と最も大きな打撃を受けています。一方でDellだけは、出荷台数がわずかに前年同期比でプラスになっています。市場全体としてはPCの出荷台数は前年同期比で8%減少するとCatalysは見ています。


CanalysのリサーチディレクターであるRushabh Doshi氏は「PCの出荷は世界的なCOVID-19流行によって大きな遅れが生じています」「そもそも、10nmプロセスノードへの移行がうまくいかなかったためにIntelプロセッサの供給が遅れており、さらにCOVID-19の影響で中国の生産工場が2月上旬の春節明けに稼働を再開できなかったことで状況が悪化しました」とコメント。COVID-19の影響で生産と物流が混乱したことで、PCの供給量が激減し、PC販売企業はデバイスの生産コストよりも供給をとにかく安定させることに重きを置くようになっていると分析しています。

Catalysは、中国での生産が第2四半期に入って復活したため、市場は回復するだろうと述べていますが、Doshi氏は「各企業が支出を抑える傾向にあるので、第2四半期に入ると今度はPCの需要が大幅に減少する可能性がある」と指摘しています。

Gartnerによる各企業のPC推定出荷台数が以下の表です。Gartnerは、HPとAcerが特に大きな打撃を受けると予測していますが、Dellだけが前年同期比で出荷台数を延ばす点はCanalysの予測と一致。全体としてPCの出荷台数が前年同期比で12.3%の減少を見せると予想しています。


Gartnerのリサーチディレクターである北川美佳子氏もCanalysと同様に「COVID-19によるロックダウンで、リモートワークや自宅学習用のPCの需要が突如発生した」と分析。Windows 7からWindows 10に移行する必要があるコンピューターは全世界で数億台存在している可能性が指摘されていますが、北川氏は「PCの供給が不安定になると、企業がPCの購入から別のところに予算を回すようになるため、予想よりもWindows 10への移行が遅れ、PC需要が減少し、PCのライフサイクルが全体的に長くなってしまうでしょう」と予想しました。

そして、IDCによる各企業のPC出荷台数に関するデータは以下の通り。IDCはCanalysと同じく、HPとAppleの出荷台数が前年同期比で大きく減るだろうとみており、市場全体のPC出荷台数は前年同期比で9.8%減少するとしています。


またIDCは、2020年第1四半期における日本のPC市場についても予測しており、Windows 10への移行需要によって業務用・民生用は堅実な成長が見込まれたものの、COVID-19が物流に影響を与えたことで日本のPC市場全体が縮小に転じるだろうと述べています。

なお、日本では中古品のWindowsノートPCの売れ行きが急激に伸びており、2020年4月7日に緊急事態宣言が発令されてから「前年比で300%に迫る勢い」で中古のノートPCが売れまくっているという報告もあります。

中古品Windowsノートの売れ行きが「えらい事」に、イオシスで前年比300%に迫る急激な伸び (取材中に見つけた○○なもの) - AKIBA PC Hotline!
https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/wakiba/find/1246565.html

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in メモ,   ハードウェア, Posted by log1i_yk

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