ドライブインシアターに平日でも200台が集まる盛況
by Thomas Hawk
新型コロナウイルス対策として、国内外問わず、人が多く集まる施設は多くが営業自粛や営業停止となっています。そんな中、密閉空間・密集場所・密接場面の「3密」に当たらないものとしてドライブインシアターを訪れる人の数が増えており、いよいよ、平日の夜でも200台の車が集まるような状態になっていることが報告されています。
Social Distancing Is Bringing Drive-In Theaters Back to Life - Atlas Obscura
https://www.atlasobscura.com/articles/drive-in-theaters-adapt-to-coronavirus
新型コロナウイルス対策で映画館のような多くの人が集まる施設は営業が制限されたり、そもそも閉鎖されたりする状況にある一方で、注目を集めるのが、車から降りることなく映画を見られる「ドライブインシアター」です。
新型コロナウイルス感染拡大の中で「ドライブインシアター」は復権なるか - GIGAZINE
世界のさまざまな情報を発信するAtlas Obscuraによると、フロリダ州オカラにあるドライブインシアターを経営するジョン・ワツケ氏も「この業界で、ここ数年ない上昇気流になるかもしれない」と感じているとのこと。
ワツケ氏は新型コロナウイルス対策として、駐車場に緩衝地帯を作ったり、食事のパッケージを変更したりと、72年の歴史あるシアターをこの機に一新。おかげで、ワツケ氏のシアターは、平日夜に200台が集まるほどの賑わいを見せているとのこと。これは例年の2倍近い盛り上がりで、お客さんの中には、車で2時間以上かけて来ている人もいるそうです。
フロリダ州には外出禁止令が出ていますが、ワツケ氏は厳しい公衆衛生ガイドラインのもと、知事と地元警察から営業を続ける許可を得ています。
全米ドライブインシアターオーナー協会には305のシアターが加盟しており、ワツケ氏によれば、このうち11件が許可を得て営業中。ただ、公開されるはずだった作品が延期になるなどしているため、上映作品を求めてインディペンデント系の映画会社に連絡を取っている状況だとのこと。
チケットの値上げをすることなく、新たに費用をかけてまでシアターにソーシャル・ディスタンス対策を行う価値についてAtlas Obscuraに問われたワツケ氏は、まずは「従業員が仕事を続けられること」と回答。そしてもう1つの理由として、自身がハリケーン・カトリーナの被災者であり、精神的な安定が何よりも重要であることを実感しているためであると述べました。ワツケ氏は、家に閉じ込められている現状は子どもたちにとって「何もしてないのに罰を受けている」ようなものであり、そんな中で映画を見に行くことができれば、数時間だけでも普通の生活を送れて、緊張感が和らぐ、と語っています。
ワツケ氏のシアターが営業を続けていることに対して、来場者からは絶賛や感激の声が寄せられているとのこと。そもそも、ワツケ氏は祖父・父・兄・子どもたちとそろって映写技師の一家で、「ショーは続けなければならない」こそが自分たちの生き方だとのこと。
なお、ワツケ氏はシアターを単に映画を見るスペースとしてだけではなく、近くにある教会に週2回、礼拝の会場として貸し出しています。また、スピーチを大画面で映し出せて、内容をすべてライブ配信可能であるということで、卒業式などのイベントも実施可能。実際に、郡の教育委員会が実施を検討していると語っています。
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