Microsoftのクラウドサービスに貢げる「最高金額」は一体いくらなのか?
by Mike Mozart
Amazon AWSやMicrosoft Azureといたクラウドサービスは、利用するインスタンスのマシンスペックやストレージの容量によって価格が異なります。MicrosoftのエンジニアであるNemanja Mijailovic氏が、Microsoft Azureを利用する際に請求される最高金額を検証しています。
How to burn the most money with a single click in Azure
https://mijailovic.net/2020/03/28/azure-money-burning/
Mijailovic氏が検証を始めるきっかけとなったは、クラウドエコノミストのCorey Quinn氏による「リージョンをバーレーンに設定した、エンタープライズ向けマルチAZ Microsoft SQL Serverに対応しているdb.r5.24xlargeの利用金額は、311万8367ドル(約3億4000万円)です」というツイート。Mijailovic氏はMicrosoft Azureユーザーとして、AWSと最高金額で張り合ってみたくなったとのこと。
Since someone asked today:
— Corey Quinn (@QuinnyPig) March 26, 2020
An all-upfront reserved instance for a db.r5.24xlarge Enterprise Multi-AZ Microsoft SQL server in Bahrain is $3,118,367.
I challenge you to find a more expensive single @awscloud API call.
まずはじめに思いつくのは「規模が大きく、高価なマシンを契約する」方法です。Mijailovic氏はAzureが提供する416個の仮想CPUと11.4TBのRAMを搭載したStandard_M416ms_v2の3年プランの金額を確認してみましたが、たった80万2028ユーロ(約9500万円)しか請求されないという結果に。71%の割引も最高金額への到達を阻む要因になっています。
次に、AzureのストレージサービスであるBlob Storageで、1PB(1024TB)のストレージを3年間借りた場合の利用金額を見てみると、164万2100ユーロ(約1億9500万円)と、AWSの3億4000万円に少し近づきました。
データ分析サービスであるDatabricksの最も高額なプランは318万7674ユーロ(約3億8000万円)で、ついにAWSの最高金額を超えることに成功しました。Mijailovic氏は「このサービスが何なのかまったくわからないが、非常に高額であるということだけは確かであり、それこそが私に必要なものだ」とコメント。
Mijailovic氏は分散型データベースのCosmos DBを利用しており、Cosmos DBが非常に高くつくことを知っていたので、Cosmos DBの最も高額なプランの金額を確認しようとすると、「クレジットカードでは支払えない」という警告が表示されました。
Microsoftが提供するPricing calculatorで価格を計算してみると、なんと948万1824ドル(約10億円)という計算結果に。Mijailovic氏が確認できたプランの中で、これが最も高額だったそうです。
なお、Blob Storageでストレージ容量を999PBに設定すると、利用金額は8億122万5972ユーロ(約950億円)と表示されましたが、実際に購入画面まで進むことができなかったため、Mijailovic氏の検証結果からは除外したとのこと。
Mijailovic氏は「みなさんも自分でクラウドサービスの最高金額にチャレンジして、私に結果を教えてください」とコメントしています。
・関連記事
Microsoftの元エンジニアが危惧した「Windowsを脅かすもの」とは? - GIGAZINE
Microsoft Azureの利用率が775%も増加したことが明らかに - GIGAZINE
Amazon・Google・Microsoftのクラウドのパフォーマンスを比較した結果が公開中 - GIGAZINE
Microsoftがパッケージ管理システム「npm」を買収、GitHubとの統合にかけるnpm創設者の思いとは? - GIGAZINE
なぜGoogleはクラウド分野で2023年までにAmazonとMicrosoftを上回らなければならないのか? - GIGAZINE
・関連コンテンツ