安倍総理が「緊急事態宣言」発令、新型コロナウイルス感染拡大対策のため

2020年3月13日(金)に成立した新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正法に基づき、2020年4月7日(火)17時43分、安倍晋三総理大臣が「緊急事態宣言」を発令しました。同法に基づく宣言は初のこと。対象は東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、福岡県の7都府県で、期間は4月8日(水)から5月6日(水)までです。

発表時の安倍総理の話によると、専門家の試算で、接触を最低7割、極力で8割削減できれば、2週間後には感染者数を減少に転じさせることができるとのことです。

「緊急事態宣言」により都道府県知事の権限が強化され、外出自粛や学校の休校、ライブハウスや映画館など大規模施設の使用制限についての要請、医療施設の整備のための土地建物の使用、医薬品・食料品の譲渡要請が行えるようになります。

この「緊急事態宣言」は海外の都市で行われている、交通機関や店舗を封鎖して外出を禁じる「ロックダウン(都市封鎖)」とは異なるもので、「ロックダウン」は実施しないことが明言されています。外出自粛では、医療機関への通院、食料の買い出し、職場への出勤など生活の維持に必要なものは対象外となっていて、スーパーマーケットなどは原則として営業を継続するので、おおむね宣言前の外出を控える生活と大きな変化はなく、「買いだめの必要はない」とのこと。

大規模施設の使用制限や医薬品・食料品の譲渡については、事業者が正当な理由なく要請に応じない場合、「要請」よりも強い「指示」を出すこともできます。罰則はありませんが、指示に従わない場合、事業者の名称が公開されるため、事実上の圧力となる見込みです。

「緊急事態宣言」の発令にあたっては、「国民の生命および健康に著しく重大な被害を与える恐れ」「全国的かつ急速なまん延により国民生活および経済に甚大な影響を及ぼす恐れ」の2点の要件があります。4月7日(火)午前中に行われた、専門家による基本的対処方針等諮問委員会は、今回の事例が要件を満たすと判断し、緊急事態宣言発令の方針を了承しました。4月3日(金)時点では、安倍総理は「全国的かつ急速なまん延には至っていない」という見方を示していました。

大阪市の松井一郎市長は、4月6日(月)夜に安倍総理が行った「緊急事態宣言の検討状況についての会見」をもって「緊急事態モード対応」とすることを表明しており、7日に予定されていた大阪市立小中学校の入学式の中止と、8日の始業式の延期を決定しています。

大阪府の吉村洋文知事も、府立高校・支援学校の入学式等の延期を決めています。また、大阪府下の市町村教育委員会・私立学校園に対して同様の措置を要請しています。

追記：
令和2年4月7日付けの官報 特別号外(第44号)に、「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言に関する公示」が掲載されました。

令和2年4月7日 官報 特別号外(第44号)
https://kanpou.npb.go.jp/20200407/20200407t00044/20200407t000440001f.html