新型コロナウイルスの解析を自分のPCの計算リソースを使って手助けできる「Folding@home」「BOINC」レビュー

世界中で感染が拡大している新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を分散コンピューティングで解析するプロジェクトが「Folding@home」や「BOINC」などのプラットフォーム上で行われています。プロジェクトに参加することで自分のコンピューターの余った計算リソースを寄付することができるので、実際にプロジェクトに参加して新型コロナウイルスの解析に協力してみました。
Folding@home – Fighting disease with a world wide distributed super computer.
https://foldingathome.org/
BOINC
https://boinc.berkeley.edu/index.php
Rosetta@home
https://boinc.bakerlab.org/
Unraid | Help Take the Fight to COVID-19 with BOINC and Folding@home
https://unraid.net/blog/help-take-the-fight-to-covid-19-with-boinc-or-folding-home
◆Folding@home編
Folding@homeでの新型コロナウイルスに対する取り組みについては、下記の記事を読むとよくわかります。
新型コロナウイルスの研究にPCの余ったコンピューティングパワーを使う取り組み - GIGAZINE

まずはソフトウェアをダウンロードするため、下記サイトにアクセス。
Alternative Downloads – Folding@home
https://foldingathome.org/alternative-downloads/
Folding@homeはWindows、macOS、Linuxに対応しています。今回はWindows版をインストールするので、赤枠部分をクリックしてWindows版のインストーラーをダウンロード。

ダウンロードしたインストーラーを起動します。

インストーラーが起動したら「Next」をクリック。

利用規約が表示されるので「I Agree」をクリックします。

設定は変更せず「Next」をクリック。

インストールが始まるので、しばらく待ちます。

インストールが完了したら「Finish」をクリック。

環境によってはファイアウォールの警告が表示されますが、「アクセスを許可する」をクリック。

ブラウザが自動で起動するので、アカウントの設定に入ります。匿名で参加するか、個人を識別するための情報を入力するか問われます。今回は匿名で参加するので、そのまま「Start Folding」をクリックします。

チームで参加する場合や、ポイントによるランキングに参加する場合は、個人を識別する情報を入力する必要があります。「Team Number」はチームでプロジェクトに参加する場合の識別番号で、「PassKey」は解析に協力した報酬として獲得できるポイントを守るためのセキュリティを向上させるものです。なお、「PassKey」は32桁の16進数を入力する必要があります。

設定が終わると管理画面が表示されました。これで既に計算リソースをプロジェクトに提供していることとなります。

赤枠部分にあるプルダウンメニューから、解析に協力する疾病を選択できます。記事作成時点では「Any disease」を選択すると優先的に新型コロナウイルスの解析に計算リソースが使用されるようになっています。

タスクマネージャーを確認すると「FahCore_a7.exe」というプログラムがCPUリソースを消費しているのがわかります。

計算は「ユニット」と呼ばれる単位で行われており、グラフは現在計算中のユニットの解析がどれくらい進んだかを表しています。

「Power」を調整することで提供する計算リソースの度合いを調整することができます。

計算はブラウザを閉じても実行されるので、計算を一時停止する場合は「Stop Folding」をクリックする必要があります。

ブラウザ経由ではなく通常のアプリケーションによる操作も可能。タスクバーのアイコンを右クリックして「Advanced Control」を選択します。

アプリケーションではより詳細な設定や値の確認を行うことができます。

また、「Protein Viewer」をクリックすると……

全世界の計算リソースを使ってシミュレーションしているタンパク質の3D構造を眺めることができます。

◆BOINC編
BOINCは分散コンピューティングのプラットフォームとして開発されているソフトウェアで、多くの解析プロジェクトに利用されています。BOINC上のプロジェクトである「Rosetta@home」はタンパク質の立体構造を解析するプロジェクトであり、その内容が新型コロナウイルスに対するワクチンや抗生物質の開発につながる可能性があるとのこと。
Rosetta@home とは?
https://boinc.bakerlab.org/rosetta/rah/rah_about.php
BOINCをインストールするため、インストーラーのダウンロードサイトへアクセスします。
Install BOINC
https://boinc.berkeley.edu/download.php
今回は仮想環境を利用せず、実環境にBOINCをインストールするので、赤枠のボタンをクリックしてインストーラーをダウンロードします。OSはWindows、macOS、Linuxのほか、Androidでも利用できます。

ダウンロードしたインストーラーを起動します。

インストーラーを起動したら「Next」をクリック。

利用許諾が表示されるので「I accept...」にチェックを入れ、「Next」をクリックします。

特にインストール設定を変える必要がなければ「Next」をクリックします。

「Install」をクリック。

インストール完了後「Finish」をクリックすると、自動でBOINCが起動します。

BOINCが起動すると参加するプロジェクトを選択する画面が表示されるので、「Rosetta@home」を選択して「次へ」をクリックします。

Rosetta@homeのアカウントを新しく設定するため、メールアドレスやパスワードを入力します。入力が完了したら「次へ」をクリック。

「プロジェクトが追加されました」と表示されたら「終了」をクリックします。

BOINCの管理画面が表示され……

しばらくすると、BOINCによる計算リソースの消費が始まりました。

タスクマネージャーを確認するとこんな感じ。

なお、BOINCのインストールが完了すると、ブラウザが自動で起動するので、アカウント設定の続きを行う必要があります。入力が完了したら「OK」を押します。

Rosetta@homeもFolding@homeと同様、チームでの参加が可能です。今回は一人で参加するため赤枠部分をクリック。

アカウント情報が表示されました。

「計算についての好みの設定(プレファレンス)」へ進むと、計算リソースの提供に関する詳細な設定を行うことができます。

また、Rosetta@homeのサイトではCPUごとのパフォーマンス表を確認したり……

日替わりで参加者のプロフィールを閲覧したりすることもできます。

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in レビュー, ソフトウェア, Posted by darkhorse_log
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