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10歳の少女は隠語として「コールスロー」などを使った性的なメッセージを10代の少年よりも高い頻度でやり取りしている


スマートフォンを所持する子どもたちが増加すると共に、SNSやメッセージアプリで性的な写真やメッセージを送り合う「セクスティング」という行為が問題視されています。子どもたちがスマートフォンで送信するメッセージを監視するアプリ「SafeToNet」が、2019年11月以降に子どもたちが送信した6500万件ものメッセージを分析した結果、「10歳の少女は10代の少年よりも高い頻度で隠語を使って性的な会話を行っている」ことが判明したと報告されています。

Nando's-inspired sex slang used by girls as young as 10 | Technology | The Guardian
https://www.theguardian.com/technology/2020/mar/02/nandos-inspired-code-words-for-sex-used-by-girls-as-young-as-10

多くの親は、子どもたちがスマートフォンで有害なテキストの送受信に関わっていないかどうかを心配しています。SafeToNetはWhatsApp・Facebook Messenger・Instagram・Snapchatなどのメッセージアプリでのやり取りを監視し、子どもたちが性的、あるいは攻撃的なメッセージを送ろうとしたり、メッセージが自殺や自傷行為に関連していたりした場合に警告を発するアプリです。子どもたちが有害なテキストを送信しようとするのを検知すると、SafeToNetは警告を発したり、テキストの送信を防いだりします。


子どもたちにとって有害なテキストを識別するアルゴリズムを開発するため、SafeToNetはオンラインでのやり取りに特化した言語学者と心理学者のチームを採用しています。SafeToNetは人工知能を使ってユーザーが入力したテキストを文脈レベルで判断することが可能だそうで、「(サッカー選手の)ラヒーム・スターリングレアル・マドリードをブチのめした」という文章で使われる「kill」という単語には警告を発しませんが、「お前なんか死んでしまえ」というテキストで使われた「kill」には警告が表示され、テキストの送信が妨害されるとのこと。

また、子どもたちがメッセージのやり取りで使用する言葉は移り変わりが激しいため、SafeToNetはさまざまな隠語や略語についても敏感に認識します。たとえば「hate(嫌い)」が「h8」、「awesome(最高)」が「4W3S0M3」といった風に変化した言葉についても、SafeToNetは識別できるそうです。SafeToNetのCEOを務めるRichard Pursey氏は、子どもたちが入力したテキストに対して警告を発するシステムについて、「リアルタイムで子どもたちを教育しようとするものです」と述べています。


SafeToNetは子どものスマートフォンにアプリをインストールした親に対して、定期的に子どもたちが送信しようとしたテキストに関連するフィードバックを送ります。テキストの内容が詳細に伝えられるわけではありませんが、性的な会話・いじめ・攻撃・自殺や自傷行為といった項目についての脅威レベルが伝えられるとのこと。

2019年11月以降に子どもたちが送信した6500万件ものメッセージを分析したところ、10歳の少女は「性的な会話」の項目において、10代の少年よりも高い脅威レベルが報告されたそうです。「私たちはこのような結果を予想していませんでした。私たちは性的な会話の脅威レベルについて、女の子よりも男の子の方が脅威レベルが高く、12歳~13歳の年齢層で最も高いと考えていました」と、Pursey氏は述べました。

少女たちが使用する「性的な言葉」は必ずしも直接的なものだけではなく、「coleslaw(コールスロー)」や「peri peri(ペリペリ)」といった、料理の名前を使った隠語も使われていたとのこと。「コールスロー」は細かく切ったキャベツを使ったサラダの一種であり、「不倫や浮気」といった意味を持つ隠語だそうです。「ペリペリ」は南アフリカ発祥でイギリスにおいて人気のある、「Nando's」というチェーン店の「ペリペリ・チキン」というメニューから作られた隠語で、「性的能力がある男性」を指し示す隠語として使われています。


SafeToNetによると、一般的に少女は少年よりも性的に露骨な言葉をやり取りする傾向が強かったそうですが、テキストの攻撃性やいじめという点では少女よりも少年の方が脅威レベルが高かったそうです。10歳という年齢の少女が頻繁に性的なテキストをやり取りしている点について、Pursey氏は「これは見かけほど問題があるわけではないと思っています。私たちはこれを通過儀礼のようなものだと考えています」と述べ、テキストのやり取りが必ずしも実際の性的活動につながるわけではないと指摘しています。なお、SafeToNetがインストールされている子どものうち、約35%が10歳~11歳の子どもだそうです。

また、子どもたちが家族と過ごす時間が増えてスマートフォンをながめる時間が減るほど、子どもたちが有害なテキストを送りにくくなることも判明したとのこと。「土曜日は家族で一緒に過ごす割合が多く、土曜日にはテキストメッセージの攻撃性が低下しました」と、Pursey氏は述べました。

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in モバイル,   ネットサービス, Posted by log1h_ik

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