生き物

驚異のジャンプ力で体高の10倍まで跳ね上がりヘビを逃れる「カンガルーラット」の跳躍ムービー


非常に小さな体を持ちながら、体高の10倍にまで跳躍することが可能な「カンガルーラット」(カンガルーハムスター)の驚異の跳躍ムービーが公開されています。時に捕食者であるヘビの顔面に着地し、かまれた後でもヘビを蹴飛ばすことで逃れることができるカンガルーラットの、その跳躍の秘密に迫っています。

Kangaroo Rats Are Furry, Spring-Loaded Ninjas | KQED
https://www.kqed.org/science/1957226/kangaroo-rats-are-furry-spring-loaded-ninjas

カンガルーラットの跳躍は、以下のムービーから見ることができます。

Kangaroo Rats Are Furry, Spring-Loaded Ninjas | Deep Look - YouTube


暗闇の中に現れた小さなカンガルーラット。


しかし、行く手にはヘビが潜んでいました。


夜間でも撮影可能なカメラを利用しているので、ヘビとカンガルーラットが至近距離になっていることがわかります。


ヘビがカンガルーラットに襲いかかります。このままかみつかれてしまいそうに見えますが……


カンガルーラットはジャンプで回避。


そのまま高く高く跳ね上がります。


ヘビはまだ口を開けたままの状態。カンガルーラットは着地すると……


あっという間に闇へと消えていきました。


カンガルーラットがジャンプでヘビから逃れることができたのは、単なる偶然ではありません。以下の画像でも、カンガルーラットとヘビが至近距離に存在しますが……


ヘビが動いた瞬間に、カンガルーラットは長い脚で地面を蹴ります。


高く跳躍。


ヘビの顔面にグシャッと着地し、そのまま逃げることに成功しました。カンガルーラットの跳躍は体高のほぼ10倍になるとのこと。


このようにカンガルーラットが跳躍によって捕食者から逃れることができる理由を、研究者は「カンガルーラットはヘビの動きやフクロウの羽ばたきなど、わずかな空気圧の変化を検知できるから」だと考えています。またカンガルーラットの聴覚は人間の90倍も敏感です。


聴覚の鋭さの秘密は、カンガルーラットの頭蓋骨にあるとのこと。


カンガルーラットの頭蓋骨には音を反響させる鼓胞という空間があり、小さな音でも大きな空洞の中で響かせることにより検知することが可能です。


またカンガルーラットはその名の通りカンガルーのような後ろ足を持ち、分厚い腱と大きな筋肉により、驚くべき速さで跳躍することが可能です。


以下の画像から、体に対して足のサイズが非常に大きいことがわかります。


さらに、飛び跳ねた時に……


尻尾がくるんくるんと動き回ります。この動きによって空中でも体を回転させ、うまく着地することが可能になります。


時にはヘビにかまれることも。


しかし一度かまれた後でも勢いよく足でヘビを蹴ることで、逃れることが可能です。


さらに、「ヘビがいる」ということに気付き……


蹴る力を利用してヘビに砂をかける個体も。


ヘビが砂をあびてもだえている間に難なく逃れることに成功。驚異的な脚力にはこのような使い方もあるわけです。


このムービーを撮影したのはサンディエゴ州立大学の生物学准教授であるルーロン・クラーク氏らの研究チーム。クラーク氏らは赤外線センサーを備えた高速カメラをカリフォルニア州とアリゾナ州近くの砂漠に設置し、撮影を行いました。この結果、カンガルーラットはヘビによる攻撃32回のうち17回で逃れることに成功。15回は噛まれましたが、うち8回はかまれた後に逃れることができたとのこと。研究者の過去の調査では、ヘビの攻撃を何度か回避した後に、まるでからかうかのようにヘビの周囲をうろつく個体も観察されたそうです。

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in 生き物,   動画, Posted by darkhorse_log

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