セキュリティ

「Huaweiがモバイルネットワークに侵入可能なことを証明する」とアメリカが発表、イギリスやドイツ陥落による焦りか

by Kārlis Dambrāns

アメリカ政府が「Huaweiが違法なバックドアを製品に仕込んでいると証明することが可能である」と発表しました。これまで、具体的な証拠の提示には消極的だったアメリカ政府が大きく軌道修正した背景には、イギリスやドイツなどの同盟国がHuawei排除に失敗したことへの焦りがあると見られています。

U.S. Officials Say Huawei Can Covertly Access Telecom Networks - WSJ
https://www.wsj.com/articles/u-s-officials-say-huawei-can-covertly-access-telecom-networks-11581452256

US finds Huawei has backdoor access to mobile networks globally, report says - CNET
https://www.cnet.com/news/us-finds-huawei-has-backdoor-access-to-mobile-networks-globally-report-says/

Feds claim Huawei can snoop on mobile networks - The Verge
https://www.theverge.com/2020/2/11/21133631/huawei-china-spying-claims-us-officials-blacklist-5g


US says it can prove Huawei has backdoor access to mobile-phone networks | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2020/02/us-gave-allies-evidence-that-huawei-can-snoop-on-phone-networks-wsj-says/

国家安全保障問題担当大統領補佐官のロバート・オブライエン氏は2020年2月11日に「我々は、Huaweiが全世界で販売および保守点検を行っているシステムで、秘密裏に機密情報や個人情報の窃取が可能なことについて、確固たる証拠を示す用意があります」と、経済紙ウォールストリート・ジャーナルを通じて発表しました。

オブライエン氏によると、Huaweiが世界中の通信事業者(キャリア)に販売しているアンテナや基地局といったモバイルネットワーク用の通信機器には、キャリアが存在を察知できないような形でバックドアが仕込まれているとのこと。これにより、法執行機関が「10年以上にわたり秘密裏に世界各国でスマートフォンなどの通信を傍受することが可能な状態になっている」とオブライエン氏は指摘しています。

また、ウォールストリート・ジャーナルは「アメリカでは、『法執行機関が合法的な理由のためにネットワークにアクセスする手段』を通信機器に搭載することが法律で義務づけられていますが、これはキャリアの協力なしではアクセスできないような形で実装しなければなりません。しかし、Huaweiのバックドアはキャリアでさえ関知しないうちに機密情報にアクセス可能であり、これはアメリカを含む世界各国で違法です」と報じました。


アメリカ政府は、かねてから「Huawei製品には情報通信上のリスクがある」として、自国内の政府機関や企業、ひいては同盟諸国に対してHuaweiを排除するよう要請してきました。一方、Huaweiの何がリスクとなるのかについては、安全保障上の機密情報にあたるとして「具体的な証拠を提示する必要はない」との立場を取ってきました。

アメリカ政府がここにきて方針を大きく転換した背景には、Huaweiが次々とアメリカの同盟諸国に取り入っているという現状に対する焦りがあると見られています。イギリス政府は2020年1月に、「Huaweiがイギリスで5Gネットワークの構築に参画することを許可する」と発表。この決定に対し、ドナルド・トランプ大統領はイギリスのボリス・ジョンソン首相との電話会談で「卒倒もの」と非常に強い語調で不快感を示していました。

Donald Trump flew into 'apoplectic' rage at Boris Johnson over Huawei 5G deal | Metro News
https://metro.co.uk/2020/02/07/donald-trump-flew-apoplectic-rage-boris-johnson-huawei-5g-deal-12197632/


また、アンゲラ・メルケル首相率いるドイツ政府も、5GネットワークからHuaweiを排除することに消極的な姿勢を示していることが報道により明らかになっています。

オブライエン氏は、Huaweiがヨーロッパ諸国に対し、非常に安価な価格で5Gネットワークを構築すると提案していることについて「陥落を誘う贈り物です」と述べて、危機感をあらわにしました。

一方、Huaweiのセキュリティ責任者アンディ・パーディ氏はIT系ニュースサイトThe Vergeに対し「我々がそのような機能を有しているという主張を断固として否定します。顧客情報やデータに不正にアクセスしたことは、これまで一切ありません」と述べて、事実無根だとの見方を示しました。

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in モバイル,   ネットサービス,   セキュリティ, Posted by log1l_ks

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