HuaweiとZTEに代わる西洋ベースの5G技術開発を1300億円規模で支援する法案登場
by Jack Sloop
アメリカのマーク・R・ワーナー上院議員らの超党派グループから、「5G」競争で中国のHuaweiやZTEに負けないため、国として合計12億5000ドル(約1300億円)規模の支援を行うという法案が提出されました。
National Security Senators Introduce Bipartisan Legislation to Develop 5G Alternatives to Huawei - Press Releases - Mark R. Warner
https://www.warner.senate.gov/public/index.cfm/2020/1/national-security-senators-introduce-bipartisan-legislation-to-develop-5g-alternatives-to-huawei
US may subsidize Huawei alternatives with proposed $1.25 billion fund | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2020/01/us-may-subsidize-huawei-alternatives-with-proposed-1-25-billion-fund/
これは、Huaweiが中国政府の後ろ盾を得て、アメリカの経済や国家安全保障に広範な影響を与える「5G」の主要プロバイダーとなる体制を整えていることに対抗するもの。アメリカは「5G」でHuaweiにリードされている一方、安全保障上の理由から国内ではHuaweiを排除する方向に進んでいることから、国防総省がシスコシステムズやオラクルに「オープンソースの5G対応技術」を開発するよう声をかける事態となっています。
アメリカ政府が「オープンソースの5G対応技術」を通信機器メーカーに求めている - GIGAZINE
国防総省の呼びかけは、技術開発を担当したメーカーにとってメリットの薄いものでしたが、ワーナー上院議員らの案では、周波数オークションのライセンス料から最低7億5000万ドル(約820億円)、あるいは年間のオークション収益の最大5%を用いて基金を立ち上げ、技術開発の資金提供を行うとのこと。
また、信頼できる安全な機器の世界的な導入を促進するため、5億ドル(約550億円)の多国間基金を作るとのこと。2つの基金の合計額は12億5000万ドル(約1300億円)に上ります。
超党派グループの一員であるマルコ・ルビオ議員は「中国が国家を挙げて主導している電気通信会社がアメリカの競合企業をしのぐことは見過ごせない」と述べ、仮想敵が「Huawei」と「ZTE」であることを名指しで明かしています。
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