セキュリティ

アメリカでHuaweiおよびZTEの通信機器を新規販売することが禁止される可能性


アメリカでは、国内の通信インフラの安全を脅かすとの懸念から、中国通信企業のHuaweiとZTEの製品を全面的に調査し、通信インフラから締めだそうと試みています。海外メディアのAxiosが伝えたところによると、アメリカの通信事業の規制監督を行う独立機関「連邦通信委員会(FCC)」が国内で初めて、国家安全保証上の懸念からHuaweiとZTEの新型通信機器の販売を全面的に禁止する計画を立てているとのことです。

FCC poised to ban all U.S. sales of new Huawei and ZTE equipment
https://www.axios.com/2022/10/13/fcc-ban-huawei-zte-equipment

通信設備や通信端末を数多く製作するHuaweiとZTEの製品はアメリカ国内でも広く使われており、民間企業や政府機関でも採用されていました。しかし、FCCは「国家の安全上許容できないリスクがある」などの理由から上記2社の製品を排除しようと試みており、2020年には「国家安全保障上の脅威」に指定して本格的な規制を始め、2021年には「安全な機器に関する法律(Secure Equipment Act)」を制定して国内にある既存製品をFCCが認める企業の製品にすべて入れ替えようとしています。

この流れに追い打ちをかけるように、「FCCは該当企業が国内で新しい通信機器を販売することも禁止しようとしている」とAxiosが報じました。2人の情報筋によると、FCCのJessica Rosenworcel委員長が「国家安全保障に脅威を与える企業がアメリカで新しい機器を販売することを事実上禁止する」という内容の草案を組織内部で公開したとのこと。


FCCは以前「政府の助成金を使ってHuaweiやZTEの製品を購入すること」を禁止していましたが、企業が自社の資金等で購入することは許可されていました。今回の草案がまとめられ法律として制定された場合、これまでの「既存の機器を入れ替える」という措置に加えて新規販売も禁止されることになり、該当企業の製品は国内で姿を消す可能性があります。

しかし、草案では法律は遡及して適用されないと規定されているため、「該当企業が以前に販売した製品は引き続き販売できる可能性がある」と情報筋は語りました。


また、草案では通信機器に加えてビデオ監視機器の販売にも言及しているため、国内で該当の機器を取り扱う中国企業のHyteraやHikvision、Dahuaにも影響を与えると情報筋は指摘しています。

Huaweiは以前からアメリカの規制に懸念を示しており、「アメリカに輸出する製品はすべて流通前にFCCの認証を受けており、我々はいかなる悪意のあるサイバーセキュリティ事件にも関与したことはありません」と述べています。HikvisionはAxiosの取材に応じ「Hikvisionはアメリカへセキュリティ上の脅威をもたらすことはありません。来たるべき規則の影響を受ける技術的または法的な正当性はありません」と主張しました。


通信技術からの中国企業排除の試みはイギリスでもみられるもので、イギリス政府は5GネットワークにHuaweiの技術を使用することを禁じ、2027年末までに同社の技術を全て削除するよう正式な法的通知を発行しています。しかし、国内ではHuaweiの技術に依存している通信事業者もあるため、5Gの技術展開を遅らせるとの苦情が政府に寄せられているとのことです。

UK telcos legally required to remove Huawei equipment • The Register
https://www.theregister.com/2022/10/13/uk_telcos_huawei_ban/

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in ネットサービス,   セキュリティ, Posted by log1p_kr

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