メモ

南極で「18.3℃」という気温が記録、過去最高気温が更新される可能性


現地時間で2020年2月6日、夏を迎えている南極が18.3℃という気温に達し、南極における「歴代最高気温」が更新されました。

New record for Antarctic continent reported | World Meteorological Organization
https://public.wmo.int/en/media/news/new-record-antarctic-continent-reported

Antarctica Hits Record Temp, Region Noting 'Dramatic Changes' | Time
https://time.com/5780052/antarctica-record-high-temperature/

It Was 65 Degrees In Antarctica This Week : NPR
https://www.npr.org/2020/02/07/803835452/it-was-65-degrees-in-antarctica-this-week

南極の歴代最高気温が更新されたという一報をもたらしたのは、アルゼンチンの南極観測基地であるエスペランサ基地。当該ツイートが以下。


世界気象機関(WMO)は報告を精査した後、この記録を正式に認定する予定です。なお、南極大陸で記録された気温でこれまで最も高かったのは、2015年3月24日の17.5℃でした。

WMOで極端気象・気候現象の報告者として働くランドール・チェルベニー氏は、今回観測された気温上昇は局所的なフェーン現象によるものだと解説。アメリカ国立気象局国立環境予測センターが提供する全球大気循環モデルによる、南極半島における850hPa高層天気図を示すアニメーションが以下のもの。アニメーション内の色は大気の温度を表しており、赤色に近ければ近い程温度が高いことを示します。高層天気図は南極の気温を大幅に上げたフェーン現象時のもので、温かい大気が吹き込む様子が視覚的に確認できます。


南極には地球表層の淡水の約90%を含んでいるともいわれる大きさ3000万km3の氷床が存在します。この氷床が解けた場合地球上の海面が約60mも上昇すると算定されています。なお、過去50年間で南極の気温は3℃も上昇しており、その結果、1979年から2017年にかけて1年間の氷床融解量は約6倍にまで増加したと報告されています。

ヨーロッパの観測衛星「Sentinel-1」が捉えた以下の画像は、南極での過去最高気温が記録された2月6日より前の段階で、南極西部に位置するパイン・アイランドの氷河に大きな亀裂が入ったことを示す衛星写真です。パイン・アイランドにおける氷河の分離現象は、近年頻度が増してきているとWMOは報告しており、写真は2月2日(左)と2月5日(右)に撮影されたものです。


チェルベニー氏は「温暖化傾向が進行し続けるでしょう。気候は変わりつつあるという事実を、我々は認識しなければなりません」とコメントしています。

なお、南極地域全体でみるとこれまでに観測された最高気温は、シグニー島で1982年1月30日に観測された19.8℃です。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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