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「ナルシシズムには2種類ある」という研究結果

by tommyandone

クイーンズ大学ベルファストの心理学講師コスタス・パパジョルジュ氏が、「ナルシシズムには2種類存在し、一方の種類には良い側面もある」と主張しています。

The bright side of dark: Exploring the positive effect of narcissism on perceived stress through mental toughness - ScienceDirect
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0191886918305877

Narcissists: why we need to take better care of them
https://theconversation.com/narcissists-why-we-need-to-take-better-care-of-them-126528


ナルシシズムは目的のためには手段を選ばないマキャヴェリズムや、反社会的人格の一種であるサイコパシーとともにダークトライアドと呼ばれ、反社会的な性格とみなされています。

パパジョルジュ氏によると、ナルシシズムには「尊大」と「ぜい弱」の2種類があるとのこと。「尊大」タイプのナルシストは過度な自尊心を持ち、ステータスや力を誇示することに執着しがちな一方で、「ぜい弱」タイプのナルシストは防御的で他者の行動を敵視しがちな傾向にあるとされています。なお、ここでいう「ナルシシズム」や「ナルシスト」は人格障害として診断されたものではなく、性格特性に関連したものです。

パパジョルジュ氏は2種類あるナルシシズムのうち、「尊大」タイプのナルシシズムに注目。SNSや広告で募った参加者らに対し、性格を調べるダークトライアド・アンケートや、うつ病のスクリーニングなどに使われるPatient Health Questionnaire 9を実施して、参加者らが持つナルシシズムの傾向とメンタル・タフネスの関係を調べる実験を行いました。その結果、「尊大」タイプのナルシシズムと、メンタル・タフネスの強さの間には相関関係があることが分かりました。そのため、「尊大」タイプのナルシストは、うつ病などのストレス症状への耐性につながる自信や、目標達成に向かう集中力などが強い可能性があるとのこと。一方で、「ぜい弱」タイプのナルシストは「尊大」タイプとは逆に、ストレスに対して弱い傾向が見られました。

by dotshock

この研究結果についてパパジョルジュ氏は「健全な自尊心よりも尊大さがいいなどと言うつもりは毛頭ありません。しかし、一般的に後ろ暗い性質であるナルシシズムには、単純な良しあしではなく、時と場合によって有益でも有害でもあるという側面があります。従って、人間の後ろ暗い一面であるダークトライアドにナルシシズムを含めるかどうかには一考の余地があります」と述べました。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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