レビュー

凍てつく世界の中で美少女の姿をした7本の剣で戦う「Blade Rondo Frost Veil」プレイレビュー


7枚の手札のみで戦う対戦カードゲーム「Blade Rondo」の拡張版である「Blade Rondo Frost Veil」が、2019年12月5日(木)にDomina Gamesから登場しました。今作では新しく「凍結」と呼ばれる能力が追加され、一段と思考能力が問われるゲームに進化したとのことで、実際に遊んでみました。

Blade Rondo Frost Veil | Domina Games
https://www.dominagames.com/frostveil


◆内容物
Blade Rondo Frost Veilのパッケージはこんな感じ。プレイ人数は1人~2人、想定プレイ時間は10分~20分となっています。


中身はゲームマニュアル、パラメータボードが2枚、パラメータダイス3色が2つずつ、ライフストーンが2つ、4種類のカードが合計60枚。


剣カードはこんな感じ。背面はこれまでのBlade Rondoシリーズと同じデザインです。


Blade Rondo Frost Veilは、「カードの効果が場に出してから時間差で発動する」という「凍結」の追加が大きな特徴です。


呼吸法カードはこれまでのBlade Rondoシリーズと変化はありません。


吹雪と白い剣が背面に描かれたソーニャの剣カードは、ソロプレイで使うためのもの。


ソロプレイで、プレイヤーの相手となるソーニャカードは1枚。


ソーニャカードの背面には、ソロプレイでのゲーム進行が記載されていました。なお、Blade Rondo Frost Veilは拡張版という位置付けですが、これまでのシリーズを持っていなくても単体でプレイすることが可能です。


◆2人で対戦してみた
さっそく2人で対戦をしてみました。まず、各プレイヤーは以下のように、パラメータボードに、0の目を上にしたパラメータダイスを同じ色の場所に置き、ライフストーンを「15」の場所に設置します。パラメータダイスはATTACK(攻撃力)、VOLTAGE(ボルテージ)、DEFENCE(防御力)の数値を表示するためのもので、実際に転がして使うことはありません。


呼吸法カードの「加熱法」「加護法」を1枚ずつパラメータボードの手前に配置します。


40枚の剣カードをシャッフルし、各プレイヤーに15枚ずつ配布します。そして、各プレイヤーは15枚から7枚を選んで手札にします。使わなかったカードは伏せたままゲームから排除します。


じゃんけんなどで先攻・後攻を決めたら、後攻の人は鼓動法カードを1枚受け取り、攻撃力を1にします。これで準備はOK。


自分のターンになったら、まずボルテージを1追加します。このボルテージの数字が、そのターンに行動できるコストの上限となります。つまり、ゲームが進めば進むほどできる行動が増えていくというわけ。なお、パラメータダイスは0~9の目しかないので、ボルテージが9以上になることはありません。そのため、9ターン以降は「ボルテージが増やせない代わりにライフが1ずつ減っていく」というシステムとなっています。


行動のコストは、カードの左上に書かれている数字。今回は1なので、先攻プレイヤーは凍結の能力を持ち物理攻撃を行う「氷刃剣」を出します。物理攻撃は「自分の攻撃力」から「相手の防御力」を引いた分だけ相手にダメージを与えられます。


コスト1の「加熱法」カードを使うことで、攻撃力は上げることができます。相手の防御力で軽減されてしまう上に、1ターンにつき1回、1しか攻撃力を上げることができないので、物理攻撃だけで戦い抜くのは至難の業。なお、防御力は「加護法」カードを使うことで、支払ったコストの分に設定することが可能。


凍結の能力を持ったカードはセットエリア(パラメータボードの左側)に出します。ターンは効果を発揮することはできませんが、次のターン以降、自分のターンなら好きな時にいつでも発動できるというもの。


後攻のプレイヤーは、同じく凍結の能力を持つ「アイシクルドロップ」をセットエリアに配置。アイシクルドロップが行う魔法攻撃は防御力を無視して、括弧内の数字分だけのダメージを相手に与えることができます。例えばアイシクルドロップの場合は、与えられるダメージは1。


次のターンで後攻のプレイヤーが、カードを横にしてアイシクルドロップを発動。凍結の能力を持つカードは場に出す時にコストを支払っているので、効果発動にはコストを支払う必要はありません。


ダメージを受けたら、ライフストーンのカウンターを減らします。もちろんライフが0になったプレイヤーの負け。


「物理攻撃だけだと厳しいのでは」と焦った先攻プレイヤーは、「ハイドレンジアの魔剣」をプレイエリア(パラメータボードの手前)に配置。ハイドレンジアの魔剣は物理攻撃と魔法攻撃のどちらかを選ぶことができるというカードで、今回は魔法攻撃を選択。


後攻プレイヤーは攻撃力を上げた後、コストを1支払って場にカードを1枚伏せました。これはレスポンスカードで、条件がそろえばいつでも発動できるというカード。ただし、相手のターンが終わると手元に戻ってくるため、どのタイミングで伏せるのかが重要となります。


次のターン、先攻プレイヤーはコストを3支払い「回遊するルフラン」をセットエリアに配置しました。回遊するルフランは召喚を持つカードで、セットエリアに置くことで自分の配下にすることができ、効果が自動で発動されるほか、その防御力を借りることができます。例えば、防御力0のプレイヤーが回遊するルフランを召喚した場合、物理攻撃を受けた時に防御力を3で計算してもよいというわけです。


……と、強力なカードを発動してワクワクしていた先攻プレイヤーに、後攻プレイヤーが「はい、レスポンスカード発動!」と宣告。後攻プレイヤーが伏せていたレスポンスカード「極光の空のオパール」は相手が取ったコスト3以上の行動を無効化するというもの。コスト1を支払えば無効化は回避できるものの、先攻プレイヤーは既にコストの上限に達していたために支払うことが不可能。


回遊するルフランは無効化されました。回遊するルフランは「L」のリミテッドアイコンを持つため、無効化されると捨て札として場から排除されます。


レスポンスカードの威力を思い知った先攻プレイヤーは、次のターンでレスポンスカードを伏せます。


後攻プレイヤーの狙いはこの「刻み記すラメント」の召喚でした。刻み記すラメントは「ターン開始時にライフが相手よりも多いなら勝利する」という非常に強力なカード。先攻プレイヤーはこれ以降、常に後攻プレイヤーよりもライフを多く保たなければ敗北してしまうことに。後攻プレイヤーはこの時点で勝ちを確信しますが……


そして、後攻プレイヤーはさらに追い打ち。凍結していた調停するカンパネラとアイシクルドロップを発動。


調停するカンパネラは相手のライフを8にするというもの。さらに魔法攻撃も加わり、先攻プレイヤーの体力が一気に削られます。


しかし、「伏せといてよかった!」と先攻プレイヤーはレスポンスカード「ぬくもりのアンバー」を発動。ライフを3回復させました。


さらに1ターン目から凍結させていた氷刃剣を発動。物理攻撃で相手のHPを削りにかかります。


さらにコスト5の「圧壊剣」を発動。圧壊剣は「相手が手札を2枚捨てればダメージは2倍、捨てなければダメージは4倍」という強力なカード。


後攻プレイヤーは渋々手札を2枚捨てたものの、ライフ残り2というギリギリの状態。手札もほぼ失ってしまったことで、先ほどまでの優勢とは打って変わって、ターン中にできることがなくなり、「防御力全振りだ!」と全てのコストを防御力に変換します。


しかし、次のターンで、先攻プレイヤーが魔法攻撃を繰り出す「ヴォルテクスピオラ」を発動し……


後攻プレイヤーのライフは0になり、対戦終了。序盤は静かに一進一退の攻防でしたが、動き始めると決着まであっという間でした。


◆ソロプレイ「凍てつく薔薇」をやってみた
Blade Rondoシリーズは、一人でも遊べるのが大きなポイント。Blade Rondo Frost Veilのソロプレイは、ソーニャと戦うことができます。基本的な準備は2人対戦のものと同じですが、相手側は通常の呼吸法カードではなく、ソーニャカードを配置します。


40枚の剣カードをシャッフルして15枚引き、そのなかから7枚を選んで手札にします。


紫色のアイコンが左上に書かれた布石カード4枚を除いた10枚のソーニャの剣カードをシャッフルし……


そのうちの5枚を、カード右上に書かれている「起動ターン」が小さい順に左から並べて表向きに配置。


布石カード4枚をシャッフルし、2枚をソーニャ側のパラメータボードの右に、表向きに並べます。


プレイヤーは後攻になるので、鼓動法カードを受け取り、攻撃力を1にしたらソロプレイの準備は完了。


なお、すべての配置が終了するとこんな感じ。


先攻はソーニャのターン。ボルテージを1上げると、ソーニャの呼吸を処理します。ソーニャの呼吸は「攻撃力を2上げる、ただし攻撃力が防御力よりも高い場合は防御力を1上げる」というもので、非常に強力。


ソーニャの行動は、5枚のソーニャの剣カードを左から順に処理します。ただし、ソーニャのボルテージが右上にある起動ターン以上にならなければ、カードは行動しません。今回は一番左にある「加速するロンド」の起動ターンが3だったので、ひとまず3ターン目まではソーニャは行動しません。


その間にプレイヤーは攻撃力を上げます。


ついでに1ターンだけコストの上限が1増加する「鼓動法」カードを使って……


毎ターン物理攻撃を繰り出してくれる「遠吠えるクレシェンド」を召喚しておくことに。


3ターン目、ついにソーニャが動き出します。ボルテージを1増やす「加速するロンド」や攻撃力3の物理攻撃を行う「朝駆けの狼牙」の行動を処理します。


ソーニャの剣カードが表向きに配置されているということは、この先にどんな行動が起こるかが予測できます。次のターンで発動するであろう「牙城崩しの槍」は「ソーニャの防御力を+1し、プレイヤーの防御力を-1する」という効果を持つカード。


そこで、毎ターン魔法攻撃を行ってくれる「回避するルフラン」も設置し、相手のライフを少しずつ削っていく作戦をとります。


しかし、ゲームが進むと、ソーニャは朝駆けの狼牙の物理攻撃に加えて、魔法攻撃を繰り出す「デッドリーミスト」も行ってくるようになります。さらに、7ターン目には「ソーニャのライフがプレイヤーよりも多い場合、プレイヤーが敗北する」という恐ろしい効果を持つ「抹消の楔」が眠っていることに気づきます。


そこで、伏せておいたレスポンスカードでライフを回復。


また、ソーニャの防御力もぐんぐんと上がっているので、物理攻撃ではなく魔法攻撃をしかけます。ヴォルテクスピオラを出すと、同じターンでその後の魔法攻撃のダメージが上がります。これと、「同ターンに一度でも魔法攻撃が行われていればコストが-1される」というスパイラルセージを組み合わせ、合計6ダメージの魔法攻撃をさく裂させます。


ただし、ソーニャ側のレスポンスカードの効果により、ソーニャはライフが10を下回ったのでライフを3回復。


ソーニャのターン開始時、プレイヤーのライフは10であるのに対して、ソーニャのライフは9だったため、抹消の楔の効果は発動しませんでした。ひとまず即敗北はまぬがれて一安心。


しかし、2ダメージの魔法攻撃を繰り出すソーニャのデッドリーミストが非常にやっかい。プレイヤーのライフは着々と削られていくので、一気にたたみかけなければ敗北は必至です。


3コストにつき攻撃力を3増加できるという遠吠えるクレシェンドで攻撃をしかけながら、なんとかプレイヤーのライフがソーニャのライフを下回らないように行動するしかありません。


ソーニャは、一度限りですがとどめの攻撃を無効化するレスポンスカード「束縛のスフェーン」の効果によって守られていますが……


ダメージとコストを管理しながらチクチクとソーニャを攻撃し、ソーニャのライフを0にして、なんとか勝利することができました。


Blade Rondo Frost Veilでは、これまでのシリーズにない「凍結」という効果が追加されており、これが時間差の攻撃になったり、カードの効果を連携させるコンボの発生技になったりするので、これまで以上に戦略の幅が広がっているように感じました。また、「物理攻撃か魔法攻撃か」などのように、複数ある効果から1つを選択できるカードも追加されたことで、戦略の予測不可能性も上がっている印象。

また、ソロプレイは「相手の手を見て先を読んでいく」という詰め将棋のようなプレイ感覚があり、対戦とはまた違った楽しみ方ができます。カードのテキストがややわかりづらい上にルールが複雑なので、カードゲームに慣れていない人には難しいものがありますが、公式サイトやDomina GamesのTwitterアカウントでもゲームシステムの判定や解釈を解説してくれています。

Blade Rondo Frost Veilは税込2970円で、以下のAmazonのページから購入可能です。

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in レビュー,   ゲーム, Posted by log1i_yk

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