レビュー

「がら空きだぜ!」など絶妙にダサカッコイイ中二病感溢れるセリフを吐きながらギャングの頭として暗黒街を制覇する「シブヤ ストラグル」を実際に遊んでみた


2019年12月4日にディライトワークスから登場した新作ゲーム「シブヤ ストラグル」は、新興ギャングのリーダーとなって架空の街シブヤに構成員を送り込み、他プレーヤー率いるギャングとの抗争を勝ち抜くワーカープレイスメント形式のボードゲームです。シンプルなルールに戦略性や運が絡む駆け引きが凝縮された新感覚ボードゲームには、絶妙にダサかっこいい中二病感で盛り上がれるビジュアルや決めセリフが満載とのことなので、実際にGIGAZINE編集部でプレイして悪徳渦巻くシブヤを制覇してみました。

シブヤ ストラグル - ディライトワークス株式会社
https://www.delightworks.co.jp/games/boardgame/shibuyastruggle/


「シブヤ ストラグル」のパッケージには、4人の荒くれ者が武器や火のついたたばこを向け合っている様子が描かれています。


プレイ人数は3~4人で、対象年齢は14歳以上、標準的なプレイ時間は60分です。


箱の中には説明書・ゲームに使用するコインやマーカー・ギャングの構成員を表す駒・バトルに使用するダイスに……


抗争の舞台になるマップタイル・プレーヤーに立ちはだかるギャングのカード・プレーヤーのステータスボード・バトル中に特殊効果を発動するのに必要な抗争カードが入っています。


合計9枚のマップタイルはこんな感じに縦横3枚ずつ並べて、ゲームの舞台とします。タイルはゲームごとにランダムに配置されますが、中心には必ず黄色の「スクランブル交差点」が置かれます。


合計4枚のステータスボードは、ギャングの構成員の頭数を表す駒や、「武」「財」「運」の3つのステータスを表すマーカーを置いて、各プレーヤーが率いる新興ギャングの勢力を表すのに使用します。「武」はバトルでの戦闘力に直接プラスになり、「財」は特殊効果のコストなどに使用するコインの収入に影響してきます。また、「運」はバトルの際などに振るダイスの振り直しに使用することが可能です。


ゲーム開始時のシブヤは、KINGと4人の四天王が仕切るギャング「Death Crown」が牛耳っています。各プレーヤーは、他のプレーヤー率いるギャングとの抗争に勝ち抜いていち早く「Death Crown」を打倒し、新たなシブヤの覇者になることを目指します。なお、KINGはゲーム開始時には存在せず、終盤に登場します。


さっそくプレイ開始。今回は4人で対戦しました。


9枚のマップタイルを配置したら……


各プレーヤーはステータスボードに3つの駒とマーカーをセット。シャッフルされた中から2枚配られた抗争カードと、5コインを持った状態でゲームを開始します。


ジャンケンなどの方法でスタートプレーヤーを決めたら、スタートプレーヤーから時計回りに1つずつコマをマップタイルに配置して、シブヤに構成員を送りこんでいきます。構成員の配置に制限は無いので、各プレーヤーはまだ誰も構成員を配置していないタイルにも、既に構成員が存在しているタイルにも構成員を置くことが可能です。


全プレーヤーが手持ちの構成員を全員配置したら、各マップタイルの処理に入ります。マップタイルは、左上のタイルから右下のタイルまで赤線の順番で処理していきます。


まずは左上の「道玄坂裏路地」というタイルからスタート。ここには構成員が1人しかいないので、緑のプレーヤーの1人勝ちとなります。勝ったプレーヤーは、まずタイルの左下の効果を得ます。このタイルの効果はプレーヤーの「財」を「+1」します。


「財」を「+1」得たプレーヤーは、青色のマーカーを1つ右にずらします。各プレーヤーは「財」の数の分だけラウンド開始時にコインを得られます。コインは戦力に変換したり、抗争カードのコストに使用したりできるので、「財」のステータスを伸ばしておくと豊富な資金力でゲームを有利に進めることが可能です。


左下の効果を得たら、次に右下の効果を得るかを選択します。


右下の効果を得るかは任意ですが、今回は「運」のステータスを「-1」する代わりに抗争カードをゲットしました。


また別のタイルには赤のギャングと青のギャングの構成員が配置されていました。このように、別々のギャングの構成員が配置されたタイルでは、プレーヤー同士のバトルが発生します。各プレーヤーはタイルに配置した自分の構成員の数だけサイコロを振って、出目と「武」ステータスの合計が大きい方が勝利となります。


バトルでは抗争カードを使用し、バトルを有利にすることも可能。抗争カードを発動させるには、カードに記載されたカード名と「がら空きだぜ」「混沌を楽しもうぜ」などのセリフを読み上げなければならないルールなので、プレーヤーは必然的にワルなギャングになりきることになります。


タイルに置いた構成員は1つですが、抗争カードの効果によりサイコロを2つ追加したので、合計3つのサイコロを振りました。その結果、出目の合計は「12」。ここに「武」のステータスである「2」を追加した「14」が今回のこのプレーヤーの戦闘力となります。


対する青のプレーヤーのサイコロの出目は最初は4でしたが、「運」のステータスを「-1」することでサイコロを振り直した結果、「6」を引き当てることに成功しました。このように、各プレーヤーはサイコロを振った後、もし出目が気に入らなければ「運」を消費して振り直すことが可能です。


サイコロの出目「6」に「武」のステータスが「1」で、抗争カードの効果で戦闘力「4」を得ました。さらに、コインを5支払うごとに戦闘力「1」を得られるので、合計戦闘力は「12」に。しかし、赤のプレーヤーの「14」には届かなかったので敗北してしまいました。


バトルで負けたプレーヤーは、タイルから構成員を撤退させてステータスボードに戻し、勝ったプレーヤーだけがタイルの効果を得ます。負けたプレーヤーはタイルの効果が得られない代わりに撤退させた構成員の数のコインを得ることが可能です。


中心の「スクランブル交差点」は戦闘が発生しないタイルなので、ここに構成員を配置したプレーヤー全員がタイルの下に記載された「抗争カード1枚獲得」か「5コイン支払って構成員1人獲得」のどちらかの効果を受けることができます。


一番右下のタイルの処理が完了したら、各プレーヤーが「Death Crown」の四天王に挑む「挑戦フェイズ」が始まります。各四天王には挑戦する条件が2つずつ存在しており、例えばこのナンバー4の四天王に挑むには、「武」のステータスが5ポイントあり、かつ左上と右上のタイルを占拠している必要があります。もし、全プレーヤーが四天王の誰にも挑戦できない場合はそのまま「挑戦フェイズは」終了。スタートプレーヤーが次のプレーヤーに移るとともに次のラウンドが開始され、各プレーヤーが構成員をタイルに配置するところからスタートします。


あるラウンドの「挑戦フェイズ」で各プレーヤーのステータスを確認してみると、赤のプレーヤーの「武」が5ポイントに到達していました。


しかも、赤のプレーヤーは左上と右上の両方を占拠しています。「挑戦フェイズ」で四天王に挑戦する2つの条件を満たしているプレーヤーが存在する場合、四天王は自動的にそのプレーヤーの軍門にくだります。四天王は通常のラウンドではゲームに影響を与えませんが、四天王の全員が倒されてKINGが出現すると、KINGに挑むプレーヤーに加勢して戦力となります。


ナンバー4に続きナンバー2が倒されて……


ナンバー1とナンバー3も敗れました。


四天王が全員打倒されると、中央の「スクランブル交差点」が裏返されてKINGが出現し、「最終決戦」がスタート。「最終決戦」でKINGを倒したプレーヤーがゲームの勝者となります。


「最終決戦」開始早々に、緑と紫のプレーヤーがKINGに総力戦を挑みました。


まず緑のプレーヤーからサイコロを振ります。その結果、出目の合計が「24」・左の四天王が「同じ出目のダイス1つにつき戦闘力+3」で該当するダイスの数が5個なので「+15」・右の四天王が「1コインにつき戦闘力+1(最大15)」でコインが合計19なので最大の「+15」・武が5ポイントなので「+5」・2枚の抗争カードの合計が「+7」で、緑のプレーヤーの戦闘力は「66」になりました。


紫のプレーヤーは、サイコロの出目の合計が「28」・合計15コインを消費して戦闘力を「+3」・四天王が「構成員1人につき戦力+2」で構成員は6人なので「+12」・武が5ポイントなので「+5」で、合計戦力は「48」になりました。


最後に、KINGの戦力を計算します。KINGの戦力は「50+ダイス2個の合計」なので、「58」でした。結果、戦力が「48」の紫プレーヤーは敗北してしまいました。しかし、緑のプレーヤーは戦力「66」でKINGに勝利。緑のプレーヤーがシブヤの新たなKINGに君臨し、ゲームは終了となりました。


ゲームを開始してから決着がつくまでの時間は、説明書を確認しつつのプレイでも1時間を少し越える程度。複雑なルールや、難解な効果を持つカードはないので、テンポ良くサクサクとゲームを進めることができました。ゲームにはダイスを使用しますが、「運」のステータスを消費して振り直すことが可能なので、運の要素はあくまで控えめ。そのため、プレーヤーの戦略がストレートに戦局を左右するようになっており、シンプルなルールながらじっくり考えながらプレイできるゲームに仕上がっています。

一方、運の要素が少ない分どんでん返しが発生しにくいので、緒戦でつまずいたプレーヤーは勝ち目が見えないままゲームが終わってしまうことに。そのため、プレイした編集部員からは「バトルに負けたプレーヤーはコインを多めにゲットしたり、抗争カードを引いたりできるようにしてみては?」といった意見も出たので、一通りプレイしてルールに慣れたら、オリジナルのルールを考えても楽しく遊べそうなゲームに仕上がっていると感じました。


「シブヤ ストラグル」はAmazon.co.jpで購入可能で、価格は記事作成時点で税込4950円です。

Amazon.co.jp: シブヤ ストラグル: おもちゃ

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in レビュー,   ゲーム, Posted by log1l_ks

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