「Fate/stay night」のマスターとなってサーヴァントと共に聖杯戦争を戦い抜くボードゲーム「Dominate Grail War -Fate/stay night on Board Game-」レビュー
「手にした者の願いを叶える『聖杯』を巡って、冬木市を舞台に第5次聖杯戦争に参加する」という原作の世界観をなぞっているこのゲームでは、プレイヤーは原作ゲームにも登場したキャラクターになり、サーヴァントを従えて最後の1人になるまで戦い合います。実物をゲットしたので、さっそくGIGAZINE編集部で聖杯戦争を開催してみました。
Dominate Grail War -Fate/stay night on Board Game-
https://www.delightworks.co.jp/games/boardgame/dominate-grail-war/
パッケージにはプレイヤーキャラクターとなるマスター7名とセイバーが描かれています。
対象年齢は14歳以上、プレイ人数は3~7人が想定されています。
内容物は、ルールブック、中央ボード1枚、マスターボード7枚、シチュエーションカード13枚、イベントカード20枚、攻撃カード108枚、宝具/スキルカード27枚、特殊カード4枚、サーヴァントタロット9枚、マスター駒7つと……
戦果表示トークン7枚、魔力トークン7枚、令呪トークン21枚、宝石トークン10枚、地の利トークン4枚、スタートプレイヤーマーカー1枚です。
中央ボードはつなげるとこんな感じ。冬木市を舞台とし、魔術工房、深山町、新都、偵察のエリアがあります。
編集部員7人でさっそくプレイ開始。プレイヤーはまずマスターボードとサーヴァントタロットをランダムで選び、サーヴァントタロットに対応したデッキを手元に用意します。
そして、マスターボードに魔力トークンと令呪トークン3枚を配置。さらに、デッキの中から背面が青い「スキルカード」をマスターボードの右上に置きます。背面が黄色い「宝具カード」とサーヴァントタロットは脇に置いて、以下の画像のような状態で準備完了。
原作では、マスターとサーヴァントは決まった組み合わせとなっていますが、このゲームではサーヴァントタロットをランダムで引くため、さまざまなタッグでプレイすることが可能。また、「サーヴァントの正体を明かさないように努める」という部分も原作通りで、サーヴァントタロットはゲーム中は常に伏せた状態で置かれます。ただし、宝具カードでサーヴァント固有の能力を発揮すると、他プレイヤーに真名を知られてしまうことも。
ゲームは1ラウンド4フェイズ(準備フェイズ/前哨フェイズ/行動フェイズ/戦闘フェイズ)に分かれており、ラウンドを繰り返してゲームは進行します。準備フェイズでマスターはデッキから手札を3枚引き、中央ボードのシチュエーションカード、イベントカードが公開されます。
前哨フェイズではマスター駒を中央ボードに置いていきます。魔力が高まる「魔術工房」のほか、原作で聖杯戦争の舞台となった冬木市の「深山町」と「新都」に駒を配置可能。
深山町と新都にはそれぞれ「地の利」があり、1番目に駒を置いたマスターが3点、2番目に駒を置いたマスターが1点の地の利を得ることができます。
行動フェイズでは魔力を消費して移動を行うことができます。魔術工房で魔力を得てから、深山町か新都へ移動して戦いに向かうこともできますが、深山町と新都にすでに2名以上のマスターがいる場合は移動できないので注意が必要。また、1名のみ「偵察」に移動することも可能で、偵察にたどり着いたプレイヤーは戦果を2点ゲットすることができます。
さらに、行動フェイズでは移動した後に戦闘準備を行います。戦闘をするプレイヤーは手札からカードを2枚選んで表向きに出し、その分だけ魔力を消費します。ただし、戦闘エリアではない魔術工房や偵察にいる場合は裏向きに2枚出して、魔力を消費せずにカードをトラッシュに捨てます。
戦闘フェイズでは、深山町または新都に複数のマスターが配置された場合に戦闘が発生します。カードに描かれたパワーの数値とシチュエーションカード、イベントカードによる追加点、深山町と新都で得られる「地の利」による加点の合計が高い方が勝者となります。
例えば以下の間桐桜の出したカードの場合、スキルカードの点数が2点+4点=6点。スキルカード「遠隔操作」の効果により、移動フェイズでゲットしていた新都の地の利の点数が倍になるため、3点×2=6点が追加されます。つまり、間桐桜の攻撃は6点+6点=12点ということになります。戦闘の勝敗は、攻撃の点数が高い方の勝利となります。手札を構成するスキルカードのデッキはサーヴァントごとに異なるので、相手が出したカードからサーヴァントを予測して次の戦いの策を練ることも可能。真桐桜の勝因は決して運が良かっただけではなく、サーヴァントが場に有利なスキルを持っていたからといえます。
勝利者はイベントカードに書かれた数値と、赤枠の加点の合計を戦果として得ることができます。例えば以下の画像の場合では、イベントカード2点+勝利点3点=5点の戦果を得られます。イベントカードは深山町と新都で異なるカードが配置されるので、得られる戦果やイベントも戦場を選ぶ基準となります。
こんな感じで戦いながら戦果を集め、最も高い戦果を誇ったマスターが聖杯戦争を制することとなります。間桐桜は今回の戦闘で戦果を5点、スキルコードの効果でさらに2点の戦果が得られたのでスタートダッシュが決まってぶっちぎりの1位となりました。なお、6人以下でプレイする場合は、間桐桜はプレイアブルキャラクターには含まれず、間桐慎二とセットで使用することになります。
数ラウンド後、各戦場にイベントカードを1枚追加するシチュエーションカードが登場。
イベントカードが増えたことにより、得られる戦果も多くなります。ここはぜひとも勝ちたい局面です。
この局面で勝負することになったのは衛宮士郎とイリヤ。新都の戦果は計6点で、大きな戦果を期待できます。
ここで衛宮士郎は真名解放。サーヴァントはアーチャーのギルガメッシュ。カードの合計17点で勝負をかけてきます。
対するイリヤも真名解放。サーヴァントはランサーのクー・フーリン。カードの合計は8点と、負けかと思いきや……
宝具カード「刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルク)」により、衛宮士郎は強制敗北し、イリヤの勝利となりました。宝具カードは強力なものが多いですが、一回しか使用できないものもあり、使いどころが肝心です。
真名解放した間桐慎二のサーヴァントは、原作と同じくライダーの「メデューサ」でした
第8ラウンドを終えると、戦果の多い上位4名を残してクライマックスラウンドがスタート。戦果を挙げられなかった5位以下はこの時点で脱落となり、聖杯戦争から排除されてしまいます。例えば以下の画像の場合だと、19点の言峰綺礼、8点の衛宮士郎、5点の遠坂凜が聖杯戦争からドロップアウトとなります。
しかし、原作の主人公である衛宮士郎は能力「全て遠き理想郷」により、戦果が悪くてもクライマックスラウンドに参戦します。これに対してドロップアウトした言峰綺礼や遠坂凜からは「主人公補正だ!」と悔しがる声が上がりました。
さらにクライマックスラウンドでは、間桐桜は「魔力が無限になる」という超強力なスキルを発動。原作を知っている編集部員は「なるほど、アレのことか……」とニヤリ。
クライマックスラウンドでは、ラウンド終了ごとに最も戦果が少ないマスターが脱落していきます。また、シチュエーションカードも人数に応じたカードに変更され、魔力もたまりやすくなるので、強力なカードをたくさん使うことができるようになります。
クライマックスラウンドが進んで、聖杯戦争の最後を飾るのは間桐慎二と間桐桜による兄妹一騎打ち。
間桐慎二はパワー3以下のカードを好きなだけ出すことができる「騎乗」のカードを使用。
なんと5枚のカードで応戦。カードの合計点は5点+0点+3点+2点+3点=13点です。
さらにイベントカードにより、「筋力」属性のスキルカード1枚ごとに5点が加算されます。筋力属性のカードは2枚あったので、10点加算が追加されて合計23点。地の利はイベントカードで無効になってしまったものの、慎二は非常に強力な攻撃を妹に繰り出します。
対する間桐桜はサーヴァントの真名を解放。サーヴァントはキャスターの「メディア」でした。
メディアの宝具「破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)」の効果によって、間桐慎二は強制敗北。1回しか使えないカード、そして真名解放をここぞというときに繰り出したことで、桜は兄に対して圧倒的な勝利を収めました。
間桐桜が2位の間桐慎二を蹴散らしたことで、戦果53点を記録して、GIGAZINE編集部での聖杯戦争は間桐桜が勝者となりました。
今回は「ノーマルルール」でプレイしましたが、全員がルールを把握しながら進めたこともあって、3時間という長期戦になりました。フェイズごとに何ができるのか、サーヴァントやマスターの長所と短所は何なのかを把握するまでに時間を要しますが、理解してしまえばゲームをサクサク進めることができます。相手のカードから宝具カードを推理して戦うという原作の聖杯戦争をうまくボードゲームに落とし込み、戦略性の高いゲームになっている印象。ランダムにサーヴァントが選ばれるということもあり、原作ファンでもifストーリーとして遊ぶことができ、何度もプレイしたくなるゲームでした。また、本来の半分である第4ラウンドでクライマックスラウンドに突入し、イベントカードを使用しない「カジュアルルール」も用意されているので、30分~1時間でサクッと楽しむことも可能です。
「Dominate Grail War -Fate/stay night on Board Game-」はANIPLEX+、DELiGHTWORKS STORE、アニメイト、イエローサブマリンなどのボードゲーム取扱店で6000円(税抜)で購入可能。また、Amazon.co.jpでは記事掲載時点で税込8350円で購入できます
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