レビュー

偉人の体のバラバラパーツを繋ぎ合わせて戦わせるカードゲーム「ソクラテスラ」でカオスな偉人を作り上げてみた


「ソクラテスラ」は偉人を呼び出して聖杯をかけて戦い合うという、どこかで見たことのあるような世界設定のカードゲームです。しかし聖杯の不調で、体のバラバラのパーツを無理やりくっつけた偉人しか召喚できず、生み出されるのはシュールな名前と出自の偉人ばかり。というわけで、ソクラテスラで出来上がる偉人はどんなものなのか、実際にプレイして確かめてみました。

ソクラテスラ – azb.studio


ソクラテスラのパッケージには、放射状にそれぞれ偉人の絵画が描かれています。


推奨プレイヤー数は2~6人、プレイ時間の目安は15~30分、対象年齢は10歳以上。


パッケージの中にはカードと説明書が入っていました。


ソクラテスラは、プレイヤーは召喚した「偉人」で互いに戦うというカードゲームです。しかし、聖杯が暴走してしまったため、召喚できるのは偉人のパーツのみ。プレイヤーは偉人の「右腕カード」「胴体カード」「左腕カード」のパーツを組み合わせ、偉人のキメラを召喚して戦います。


ルイ14世の右腕」と「ワシントンの胴体」と「エカチェリーナの左腕」を組み合わせた「ルシンーナ」がこれ。


カードに描かれた偉人の肖像画は、別々の偉人の腕と胴体でもつながるようにカットされています。個々のパーツにはフレーバーテキストが書かれており、今回召喚したルシンーナは「5歳でフランス王に即位。重税を課す本国に反発、ポーランドを消滅させた。」との説明に。どこかの属国となったフランスを率いてポーランドを侵略した偉人のようです。


偉人はバラバラにされて体の部位だけとなっても元の武威と知性を備えているようで、パーツにはそれぞれ剣マークの「武力」と本マークの「知力」が設定されています。


呼び出した偉人を戦い合わせて争うのが「聖杯カード」です。聖杯カードにはその聖杯を得るためのルールがそれぞれ書かれています。


というわけで実際にゲーム開始。まずは各プレイヤーに7枚ずつ手札を配り、スタートプレイヤーを決めます。


スタートプレイヤーから反時計まわりに聖杯カードを1枚ずつ重ねていきます。最も上にある聖杯カードから順に、偉人同士のバトルの勝敗を決めるルールになります。


スタートプレイヤーが最初の「ターンプレイヤー」としてゲームスタート。ターンプレイヤーは山札から1枚カードをドローします。


ターンプレイヤーは、もし手札に偉人の右腕・胴体・左腕がそろっていた場合、その場で偉人を召喚することができます。始皇帝の右腕・スターリンの胴体・ソクラテスの左腕がそろっていたので、「始ターテス」という偉人を召喚したところが以下。さらに右腕に装備カードを装備させることで、ダース始ターテスというキメラ偉人が爆誕しました。


偉人を召喚したターンプレイヤーは、他のプレイヤーを指名して戦いを挑みます。指名されたプレイヤーは、手札に右腕・胴体・左腕がそろって偉人を召喚できる場合は必ず戦いに応じなければなりません。


戦いを挑まれたプレイヤーはルイ16世の右腕・ナポレオンの胴体・エリザベス一世の左腕が手札にあったため、強制的にルポレス一世を召喚し、ダース始ターテスと戦闘することとなりました。


ダース始ターテスとルポレス一世のバトルがスタート。勝敗は、場の中央にある聖杯カードのルールで決定します。今回の聖杯カード「百年戦争」は「武力が高い偉人が勝利する」なので、各パーツカードの武力の合計値が高い方の勝ち。


ダース始ターテスは4点+7点+7点+5点=23点、ルポレス一世は3点+6点+4点=13点で、今回はより武力の合計値が高かったダース始ターテスの勝利となります。


なお、ルールに関係なくバトルに勝利できる「神の○○」と書かれたカードも存在します。神の偉人を召喚できればほぼ聖杯獲得も同然ですが、神の偉人vs神の偉人は引き分けになります。


ターンプレイヤーが勝利した場合は、敗者側の偉人から体の部位を1枚奪って手札に加え、そのまま場に出した偉人で次のプレイヤーに勝負を挑みます。


他のプレイヤー全員に勝利した偉人は聖杯カードを獲得。


聖杯カードは裏返すと足パーツとなっています。聖杯戦争を勝ち抜いた偉人はこの足パーツを装着することで五体満足となり、「殿堂入り」となります。


殿堂入りになった偉人はゲーム終了までプレイヤーの手元に残ります。4人対戦の場合は、殿堂入りの偉人を2人召喚できたプレイヤーの勝利となります。


ただし、ターンプレイヤーに戦いを挑まれた防御側のプレイヤーが逆転勝利した場合、召喚された偉人は捨て札となってしまいます。


防御側のプレイヤーの偉人は勝つと手札に戻ります。防御側は相手の偉人の強さを見てから偉人を召喚できるため、勝つか負けるかは事前に判断可能です。しかし、勝つために強力な偉人を召喚してしまうと、他のプレイヤー全員に手の内がばれてしまって警戒されてしまうので、「挑まれた勝負に勝てばいいというわけではない」というのがこのゲームの駆け引きとなるポイント。


もし勝負を挑まれても左腕・胴体・右腕のセットが防御側の手札になく偉人を召喚できない場合、ターンプレイヤーは防御側の手札からランダムに1枚ゲットし、バトルに勝利した扱いとなります。


ターンプレイヤーがバトルに負けるか他のプレイヤー全員とのバトルに勝つかするとターンは終了。各プレイヤーは手札が7枚になるまでカードを引いて、次のプレイヤーのターンになります。


ターン開始時に右腕・胴体・左腕が揃っていない場合や、偉人を召喚したくない場合は手札を1枚残して他のカードを交換することも可能です。


また、偉人のパーツの中には「第三次世界大戦カード」が紛れ込んでいます。誰かがこのカードを引いた場合は即座に第三次世界大戦が始まってしまいます。


第三次世界大戦では、偉人を召喚できるプレイヤーは裏向きで偉人を出して……


同時にオープン。聖杯のルールに従って、最も強い偉人が殿堂入りとなります。


実際にプレイしてみると、かなりシュールなキメラ偉人が意図せず爆誕してしまうので、思わぬところで笑いが起こります。画像左側はガウタマ・シッダールタの左腕とニコラテスラの胴体、クフ王の右腕を組み合わせたガウダマラテ王。生誕後、天井天下唯我独尊と呟いて交流送電を研究し巨大なピラミッドを建設したというよくわからない生涯を送った偉人。右側はチンギスハンの右腕とワシントンの胴体、そしてカエサルの左腕で召喚されたチンシンル。血の塊を握りしめて生誕し、重税を課す本国に反発し部下に裏切られ暗殺された悲劇の偉人です。


召還時に名前を呼ばなくてはいけないことから、ついついネタに走ってしまいたくなる場合も多々ありました。


フレーバーテキストもはちゃめちゃな内容のものが生成されるので、ついついみんなで読み上げてしまいます。ガンディーの右腕とソクラテスの胴体、そしてニュートンの右腕を得た偉人ガクランは「18歳で英国にて法律を学ぶ。自らの無知を自覚し錬金術の研究に打ち込んだ。」との紹介で、「司法試験からドロップアウトしてオカルト方面に行っちゃった人じゃん、ときどき大学にいるよ、こんな人」と突っ込まれていました。


基本的には運によって勝敗が分かれるので、面白さのメインは召喚されたキメラ偉人の出来具合をお互いに批評するパートといった印象でした。世界史に詳しい友人とプレイすると、「いや、スターリンのパーツが武力も知力も同じくらいなのはおかしいだろ!」「イエス・キリストのパーツに『神殺し』装備をくっつけられるのは問題があるのでは?」と話が盛り上がります。


「ソクラテスラ」は記事掲載時点ではAmazon.co.jpで3300円で購入可能となっていました。

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in レビュー,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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