ファッション誌の編集長としてイチオシのモデルを選んでトレンドを制する「カバー・ミー」レビュー
ファッション誌の編集長になって表紙を飾る「カバーガール」を選び抜き、トレンドの最先端を制するボードゲームが「カバー・ミー」です。徹底的にファッション誌を再現したパッケージに包まれた「カバー・ミー」は、スタイリッシュなモデルが描かれたカードやファッションショーでモデルが歩くランウェイを模したポイントボードなど、目で楽しめる要素が満載でした。
カバー・ミー 日本版 |ArclightGames
http://www.arclight.co.jp/ag/index.php?page=products&code=LG-0333
◆外観
「カバー・ミー」の外箱はこんな感じ。フォントやレイアウトが本物のファッション誌のようになっています。
外箱の側面も、雑誌とじ込みの付録が見えるようなデザインになっていました。
箱の裏側にはゲーム内容の説明が書かれていますが、まるで雑誌の裏表紙に載っている広告のような見た目になっています。
タイトルやデザイナーのクレジットも実際の雑誌にある発行元の表記に似せているこだわりようです。
想定されるプレイ時間は60~75分、プレイ人数は2~5人、対象年齢は10歳以上となっています。
内容物は説明書や……
デスクボード
ランウェイの組み立てキットや各種のコマとなる厚紙のパネルが入っていました。
説明書は単に遊び方やルールが記載されているだけでなく、雑誌の特集のようなデザインになっており、読み物としても面白い内容になっています。
カードはカバーガールとなるモデルが描かれた「モデルカード」(左と中心)が162枚、自分がどのファッション誌の編集長かを把握するための「雑誌カード」が10枚があります。
各モデルカードには服のカラー、ヘアスタイルとヘアカラー、背景パターンの4つのファッション属性が設定されています。以下のカードであれば、服の色は「緑」・ヘアスタイルは「ショート」・ヘアカラーは「ブロンド」・背景パターンは「キュート」という具合です。
162枚のモデルカードにはすべて実在のモデルをイメージしたイラストが描かれていて、名前も設定されています。イラストや名前はゲームには直接影響を与えませんが、好きなモデルを見つけて自分の雑誌のカバーガールに起用し、「推し」のカバーガールとともに生き馬の目を抜くファッション業界を制するのがこのゲームの楽しみ方のひとつです。
◆プレイの準備
プレイする前の準備として、まずランウェイを作ります。パーツは手で簡単に厚紙から取り外せるので、はさみなどの道具は不要です。厚紙から取り外したパーツの溝と溝を組み合わせて……
各パーツをランウェイの厚紙にセットしたら……
ひっくり返して完成です。
必須ではありませんが、同梱の観客席も組み立てるとぐっと雰囲気が出ます。
次に、ランウェイの上を歩いてポイントのマーカーとなるコマを作り……
ヘアスタイルやヘアカラーのポイントのマーカーとなる各種チップをデスクボードにセットします。
これで準備完了。ランウェイやコマの組み立てを含めて、2人で作業しておよそ5分かかりました。
まず、各プレーヤーは自分が編集長になる雑誌を選択します。今回は4人でプレイするのでそれぞれ4つの雑誌カードから1種類を選択。雑誌カードは2枚1組になっていて、1枚は自分が刊行するファッション誌として場に出して、もう1枚は自分がどの雑誌の編集長か確認するために手元に置いておきます。
次に、モデルカードから「新人発掘の山」「ヘアカラーの山」「新流行の山」を作って場に置いておきます。これらの山はそれぞれ、各プレーヤーがモデルカードで作ったポートフォリオ(手札)を補充するのに使います。
◆プレイしてみた
プレーヤーは「新人発掘の山」と「ヘアカラーの山」から合計9枚のカードを取って手札を作ります。
一斉に1枚のカードを出して自分の雑誌の隣に並べます。ここで出したモデルカードがその月に自分のファッション誌の表紙を飾るカバーガールになります。その後、すべてのカードのファッション属性値の合計を計算します。
ファッション属性値のポイント分だけデスクボードのマーカーや……
ランウェイのコマを進めてトレンドを形成していきます。これを3回、つまり3ヶ月分繰り返すと1シーズンとなります。
シーズンが始まって2ヶ月目、ブロンドのヘアカラーが優勢な状況を確固たるものにしたかった赤の「ニュー・ファッション」誌のプレーヤーは、「この黄色い服を着たブロンドの子、ケーデンスちゃんっていう名前なんだって~」とさりげなくプッシュ。
3ヶ月経過して1シーズンが終わったら、各プレーヤーはデスクボードやランウェイをチェックしてそのシーズンのトレンドをチェックし、トレンドに合致したモデルカードを自分の得点とます。このシーズンのトレンドは……
背景パターンが「キュート」と「シック」の同着
ヘアカラーは「ブロンド」でヘアスタイルは「ショート」となりました。
結果を見てみると、首尾良くブロンドをトレンドに押し上げた赤のプレーヤーは1ポイント獲得しましたが、「ブロンドのショートヘア」が流行すると読んでいた青の「フェム・フューチャー」誌の編集長が2ポイントを獲得。「セミロングがくる」と読んでいた赤のプレーヤーはトレンドの最先端を見抜くことができず、「ぐぬぬ……」と悔しがっていました。
4シーズン繰り返すと1年になり、合計3年が経過したらゲーム終了です。各プレーヤーが得点となったモデルカードを場に並べてカウントし、最もトレンドをつかんでいたプレーヤーが勝利となります。
◆まとめ
「カバー・ミー」は、海外のモデルやファッション業界に関心がある人にはうってつけのゲームとなっています。ゲームそのものは、「場に出たカードの各属性のポイントを集計し、ポイントが最も多い属性のカードが得点になる」というシンプルなルールで、劇的な逆転なども起きにくくコツコツと進めていくゲーム性で、初心者でも気軽に遊ぶことができます。また、実在のモデルをイラストにした162枚のカードはどれもスタイリッシュで、海外のファッションモデルや女優に詳しい人であれば、カードに描かれているモデルの元ネタが誰なのかを楽しむこともできます。
一方で、こだわりのデザインがネックになっている側面もありました。特に、トレンドをカウントするマーカーに対してデスクボードのマスが小さいので、慎重にマーカーを動かさなければ得点が何点なのか読みづらいのが惜しいところ。また、モデルカードをぱっと見て「この子のヘアスタイルはロングヘアなのかセミロングなのか」や「ヘアカラーはブラウンなのかブラックなのか」といったファッション属性がイラストからは判断が難しく、普段から海外のファッションに関心が薄いプレイヤーだと一目で分からないことも。プレイした編集部員からは「このカードのイラストがアニメ調の二次元キャラだったら分かりやすかったかも」という声もありました。気に入ったモデルのカードを「推し」にして楽しめるかがポイントになるので、ファッションモデルを応援する業界人の気分になることができます。
「カバー・ミー」日本語版の定価は税込5184円です。Amazon.co.jpでも購入可能で、記事作成時点では税込4927円となっています。
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