レビュー

鍋にギリギリまで具材を放り込んで誰よりもおいしいカレーを追求するカードゲーム「ギリギリカレー」を遊んでみた


鍋からあふれないようにさまざまな肉・野菜・魚介を放り込み、隠し味も追加しておいしいカレーを追求していくゲームが「ギリギリカレー」です。150種類以上のボードゲームで遊べるカフェ・JELLY JELLY CAFEと、東京・下北沢で毎年10月に10日間開催される「下北沢カレーフェスティバル」とのコラボレーションで生まれたゲームがいったいどんなものになっているのか、実際に遊んで確かめてみました。

[ゲーム紹介]ギリギリカレー | JELLY JELLY CAFE
https://jellyjellycafe.com/games/girigiricurry


ギリギリカレーのパッケージはこんな感じ。


あまりにも市販のカレールーのパッケージに似ているので、実際に本物と並べてみたところ。


ゲームのプレイ人数は2~5人に設定されていて、パッケージには「5皿分」といかにもカレールーらしく表記されています。


内容物は説明書・マーカー・カード


5色のプレイヤーマーカーに描かれる、サングラスをかけて王冠をかぶった男は、「下北沢カレーフェスティバル」の代表でラッパーとしても活躍するカレーまん氏です。


カレーリミットマーカーと呼ばれるおたま型のマーカーと、カレーレシピマーカーと呼ばれるボールペン型のマーカー


レシピカードは、「具だくさんスープカレー」「お肉ごろごろカレー」などカレーの名前が書かれたカードで、4種類×2枚の計8枚用意されています。レシピカードは鍋に追加する具材を左右します。


鍋と数字が書かれたカレーリミットカードで、10と15が1枚ずつ、12と13が2枚ずつの計6枚。カレーリミットカードは鍋に追加できる具材の量を左右します。


食材カードは、肉や魚介類が描かれたメイン食材カードと隠し味カードの2種類。


というわけで、さっそくギリギリカレーをプレイしてみます。推奨プレイ人数は2~5人でしたが、今回は5人でプレイしてみました。まず、レシピカードとカレーリミットカードを裏向きで人数分だけ並べます。以下の写真の場合、場の中央に置かれている茶色のカードがカレーリミットカードで、白色のカードがレシピカード。続いて、メイン食材カードと隠し味カードをシャッフルし、各プレイヤーに3枚ずつ配り、同じ色のレシピマーカー・カレーリミットマーカー。・プレイヤーマーカーを手元に置きます。


レシピカレーとカレーリミットカードは上下の組み合わせで1セット。上にあるレシピを参考にして、下の鍋のリミットを守りながら具材を投入し、カレーを作っていきます。


プレイする際の順番はカレーを題材としたゲームらしく「一番最近カレーを食べた人」から、時計回りで順番にゲームを進めます。今回はプレイ当日の昼ご飯にカレーを食べたばかりという編集部員がスタートプレイヤーになりました。ゲームを始める前に、プレイヤーは場にあるレシピカードのうち1枚だけこっそり中身を見ることができます。見たカードの上には自分のレシピマーカーを配置します。この時、他の人が見たカードを選んでもOK。


全員が順番にレシピカードを見たら、今度はカレーリミットカードを順番に1枚だけこっそり見ます。ただし、自分が見たレシピカードと同じ列にあるカレーリミットカードは見ることができないので注意が必要。見たカードの上にはカレーリミットマーカーを配置します。


マーカーを全て配置したらゲーム開始。プレイヤーは手番になったら、手札から食材カード1枚を好きな鍋の下に縦に並べ、山札から1枚引きます。


メイン食材カード・隠し味カードの右上には「旨味値」、左上には「バランス値」が記されています。縦に重ねたカードの旨味値の合計がカレーのおいしさを表すことになるのですが、バランス値の合計が同列のカレーリミットカードの数字を上回ってしまうとカレー作りは失敗してしまいます。鍋のカレーは食材を入れれば入れるほど旨味が増しますが、同時に味のバランスも崩れやすくなってしまうわけです。


自分が見ていないカレーリミットカードの数字がどれくらいなのか、他のプレイヤーと駆け引きしながら食材カードを置かなければなりません。そろそろバランス値がリミットを超えるかもしれないと判断したら、自分の手番の時に鍋ごとカレーを回収してゲームから抜けます。説明書には「そこにあるカードを全て引き取り、自分の手元に持って行きます」とありましたが、以下の画像のように自分のプレイヤーマーカーを列の最後尾に配置してアピールするとカードがぐちゃぐちゃにならず、わかりやすいのでおすすめです。


全員が鍋を回収したらゲーム終了。レシピカードとカレーリミットカードをめくって、点数のチェックを行います。旨味値の合計が最も高いカレー、つまり誰よりもおいしいカレーの鍋をゲットした人が勝ちとなります。


例えば以下のカレーは、レシピカードがお肉系の食材カードのバランス値を無視できる「お肉ごろごろカレー」で、カレーリミットカードの数字が12。食材カードのバランス値の合計は2+2+2+0+0-2+3+2=9と、リミットを超えていないので、この鍋のカレーは見事成功。旨味値の合計は3+3+3+3+3+0+1+2=18となります。


以下の鍋は、レシピカードは誰も中身を見なかったため、何の食材を入れればいいのか全く分からない状態でした。なぜか「この鍋のレシピは、野菜のバランス値を無視できる『野菜ごろごろカレー』だと思う」とまったく根拠のない予想を元に、全員が特に何も考えずに野菜と隠し味を中心に放り込んでいき、バランス値がどれだけになっているのか誰も把握できなくなってきたあたりで黄色プレイヤーがゲットしました。


レシピカードは鍋のリミットが5増える「具だくさんスープカレー」で、カレーリミットカードの数字は15でした。つまり、食材のバランス値が合計20を超えなければOKなのですが、計算してみると合計値は27でリミットオーバー。このカレーは味のバランスが崩壊して失敗してしまったので、どんなに旨味値の合計が高くても点数にはつながりません。


また、この鍋でもうひとつのポイントとなっていたのがリンゴカードとハチミツカード。カレーの隠し味としては定番の二つで、このカードは「リンゴカードとハチミツカードの枚数が同じ場合それらのバランスは0になる」という特殊効果があります。しかし、リンゴ2枚に対してハチミツが1枚と枚数を同じにできなかったため、この鍋ではバランス値が爆発的に増えてしまいました。隠し味カードの特殊効果をうまく利用することがおいしいカレーを作る秘訣です。


リンゴとハチミツ以外にも特殊効果を持つ隠し味カードは複数用意されています。また、以下の隠し味は特殊な効果はありませんが、旨味値が6もアップする一方でバランス値が5も増えてしまうという「愛情」で、説明欄も「重い」という1語に尽きています。


5人でプレイしたところ、1回のプレイ時間はだいたい20分から30分といったところでした。シンプルなゲームで、カードゲームに慣れていない人でもすぐにルールを理解でき、バランス値がリミットを超えて「カレーではない何か」になってしまわないように、ギリギリのタイミングを見極めておいしいカレーを作るという、チキンレースのようなゲーム性はまさに「ギリギリカレー」というタイトルにふさわしいもの。

特に、ゲームスタート直前にレシピカードとリミットカードを1枚だけ見ることで生まれる駆け引きがこのゲームのポイントといえます。相手の置くカードの数値や位置から「このレシピは野菜ごろごろカレーだよ」「この鍋のリミットは15だったよ」というコメントが本当かウソかを見極めながらカードを置いていくという、がこのゲームの大きな魅力です。「魚介ごろごろカレー」と言いながら肉と野菜しか置かない様子を見てブラフと判断したり、「このカレーには納豆とコーヒーとヨーグルトしか入ってない」「リンゴとハチミツとタマネギばかりとは、このカレーは甘すぎる」など、鍋に入れられていくカレーの具材に突っ込みを入れながら遊んだりすることもできるので、自然と会話が盛り上がります。

なお、2人でもプレイをしてみましたが、予想できる部分が少なくなっているため、5人の時の比べると物足りなさを感じました。2人プレイの時はレシピカードとカレーリミットカードを3枚ずつ用意するなど、ルールを工夫してプレイするのもアリです。


ギリギリカレーはAmazon.co.jpでも取り扱われていて、税込3580円でゲット可能です。

Amazon | ギリギリカレー | ボードゲーム | おもちゃ

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in レビュー,   ゲーム, Posted by log1i_yk

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