レビューサイトが「デス・ストランディング」への「疑わしいユーザー評価」を大量削除してスコアが一気に急上昇
2019年11月に発売された小島秀夫監督最新作の「Death Stranding(デス・ストランディング)」に対し、レビューサイトのMetacritic上に寄せられた6000件を超える否定的なユーザー評価が「疑わしいレビュー」として一斉に削除されたことが判明しました。否定的なユーザー評価が削除されたことにより、デス・ストランディングの評価スコアがわずか1晩で急上昇しています。
Metacritic Removed 'Suspicious' Death Stranding User Ratings - IGN
https://www.ign.com/articles/2019/12/07/metacritic-removed-suspicious-death-stranding-user-ratings
Metacritic deleted over 6,000 negative Death Stranding ratings
https://thenextweb.com/gaming/2019/12/09/metacritic-death-strandings-negative-ratings/
Redditユーザーのargandg氏は、デス・ストランディングのユーザー評価が1晩で大量に削除されたことを発見しました。argandg氏によると、2019年12月4日時点ではトータルのユーザー評価数が1万8225件だったのに対し、12月5日時点ではその数が1万1878件にまで減少。ユーザー評価のうち、デス・ストランディングに肯定的、または中立的なものは減少していませんでしたが、否定的なユーザー評価は9335件から2906件にまで減少していたとのことで、実に6000件もの否定的なレビュー評価が削除された計算です。
argandg氏は「発売日の時点で、デス・ストランディングのユーザースコアは『6.2』でした。過去数週間で否定的なユーザー評価が提出され続けたため、スコアは着実に下がっていました。私は1日あたり平均で200件の肯定的なユーザー評価と、250件の否定的なユーザー評価が提出されるのを見てきました。そのため、12月4日の時点で否定的なユーザー評価数は肯定的なユーザー評価数を1000件上回っていました」とコメントしています。
以下が、Metacriticにあるデス・ストランディングのレビューページです。ユーザー評価が大量に削除される前のデス・ストランディングの評価スコアは「5.1」でしたが、記事作成時点ではなんと「7.3」にまで急上昇しています。
Death Stranding for PlayStation 4 Reviews - Metacritic
今回行われたユーザー評価の大量削除について、Metacriticのスポークスマンは声明を発表。「Metacriticは『デス・ストランディング』の複数のユーザーレビューが疑わしい活動であると判断したため、それらを削除しました。私たちはスコア操作のおそれがあるユーザー評価を深刻に受け止めており、スコアの公正性を確保するためのポリシーを定めています。ユーザーによる異常挙動の検挙システムに加え、モデレーターは定期的にサイトを点検し、私たちのガイドラインを逸脱した投稿を削除しています」とスポークスマンは述べ、今回の大量削除は評価の改ざんに対抗するものだったと主張しています。
テクノロジー系ウェブサイトのThe Next Webは、今回の否定的なレビュー評価が必ずしも組織化された低評価爆撃ではなかった可能性があると指摘しつつも、「Metacriticが疑わしいと考えたのであれば、後で後悔するより削除してしまった方がいいでしょう」とコメント。レビューサイトにおける意図的なユーザー評価の操作は大きな問題であり、レビューサイトは疑わしいアクティビティに対処するべきだと述べています。
ゲーム関連ウェブサイトを運営するIGNは、今回の削除対象となったユーザー評価のどこが具体的に問題だったのかは不明だとしつつも、削除されたのはあくまでも数値スコアだけを投稿したユーザー評価である点に言及。Metacriticではテキストによって内容をレビューをしなくても、数値のスコアだけでゲームを評価することが可能となっていますが、今回削除された否定的なユーザー評価はいずれもテキストによるレビューがなかったものでした。
by Startup Stock Photos
The Next Webは、レビュープラットフォームにネガティブな評価を広める低評価爆撃が、映画やゲームの評価を下げたり売上を低下させたりすることで「何かを罰する」目的を持っていると指摘。過去にはYouTuberとゲーム開発者間のいざこざや、ゲームの購入プラットフォームをEpic Games Storeに限定したこと、政治的小ネタが中国ユーザーの怒りに触れたことなどを発端に、低評価爆撃が行われてきました。
デス・ストランディングに対して低評価爆撃が行われたのは、現地時間の2019年12月12日(木)に開催される「The Game Awards 2019」が理由かもしれないとargandg氏はコメント。The Next Webも「デス・ストランディングについて誰がどのような問題を抱えているのかは不明確です」と述べつつも、The Game Awardsでホストを務めるジェフ・キーリー氏が小島秀夫監督と友人であるため、受賞作選定で不正が行われることを懸念するユーザーがいるかもしれないと指摘しています。
一方、キーリー氏はゲーム界とつながりの深い自身がThe Game Awardsのホストを務める点について、そもそも候補作への投票権や勝者の選出権を持っていないため、利益相反には当たらないと訴えています。Reddit上で開かれたAsk Me Anything(AMA)の中でキーリー氏は、「私はショーのプロデューサーとして、必然的に業界の人々とつながりを持つことになります。そもそも、業界とつながりがあるからこそ、ショーを行うことができるのです」と述べました。
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