核兵器運用システムに組み込まれていたフロッピーディスクがついに廃止へ
By Rawpixel
アメリカ空軍が核兵器の運用システムに組み込まれていたフロッピーディスクを「非常に安全なソリッドステートのデジタルストレージによる方式」に置き換えたと発表しました。
The US nuclear forces’ Dr. Strangelove-era messaging system finally got rid of its floppy disks
https://www.c4isrnet.com/air/2019/10/17/the-us-nuclear-forces-dr-strangelove-era-messaging-system-finally-got-rid-of-its-floppy-disks/
Air Force finally retires 8-inch floppies from missile launch control system | Ars Technica
https://arstechnica.com/information-technology/2019/10/air-force-finally-retires-8-inch-floppies-from-missile-launch-control-system/
アメリカ空軍は、大統領による核兵器発射指令を実行するシステムである「戦略的自動コマンド・アンド・コントロール・システム(SACCS)」に、IBMのSeries/1と8インチのフロッピーディスクを1975年から使用していました。
なぜフロッピーディスクが核軍事力の運用システムに使用され続けていたのかについては、以下の記事を読むとわかります。
大陸間弾道ミサイルや核爆撃機のオペレーションにいまだにフロッピーディスクが使用されていることが明らかに - GIGAZINE
By Frédéric BISSON
今回報じられたニュースは、時代遅れになっていたシステムが刷新された結果、SACCSのフロッピーディスクドライブが正式に廃止されたというもの。旧式のシステムはネットワーク機能がないためセキュリティ上の観点から利点がある一方で、修理するためにははんだごてと顕微鏡を使う必要がありました。高度な軍事機密部品であるため修理に民間人を雇い入れることができず、一部の空軍隊員に修理のための専門の訓練を施しており、システムの保守には高額の維持費がかかっていました。
2016年、連邦予算の支出や政府機関の活動を監査する米国会計検査院(GAO)は、「2017年の会計年度末までに国防省はSACCSをアップデートして、データストレージ、ポート拡張、ポータブル端末、デスクトップ端末を更新する」と(PDFファイル)報告していました。
軍事系ニュースメディアC4ISRNETによると、実際にフロッピーディスクドライブが置き換えられたのは、2019年6月とのこと。SACCSがどの程度まで新型機器に置き換えられたかは、軍事機密であるため不明です。
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