ゲーム制作において重視するべき8つのこと
By seventyfourimages
学生時代に8つのFlashゲームを作成し、通算2500万回以上プレイされたゲームの広告収入から2万ドル(約210万円)超の収益を得たというテネシー大学の助教授オースティン・ヘンリー氏が、自身の経験を通して実際にゲームを作る上で重視するべきことを8つ紹介しています。
The 8 lessons I learned from releasing 8 video games - Austin Z. Henley
http://web.eecs.utk.edu/~azh/blog/8lessons8games.html
◆1:プロトタイプを多く作る
なるべく少ない設計工数で、多くのプロトタイプを作成することは良い練習となり、思いがけないアイデアを発見する糸口にもなるとヘンリー氏は述べています。ヘンリー氏は8つのFlashゲームを作成する中で、100種類以上のプロトタイプを作成したそうです。また、プロトタイプを作成する際、それぞれのコードをライブラリ化しておけば、以前のプロトタイプからソースコードをコピーして貼り付けることができ制作時間の短縮につながります。
◆2:多くのプレイヤーからフィードバックを得る
ゲームをリリースしたら、早い段階でプレイヤーからこまめにフィードバックを取得することをヘンリー氏は勧めています。ゲームを数名に10分程度遊んでもらうだけでも多くのフィードバックを得ることができ、ゲームをアップデートする度にフィードバックを得るべきだとしています。口頭や文章で得られるフィードバックは行間を読むことが難しく、内容を誤って解釈してしまう可能性もあるため、「チュートリアルをスキップしているか」「操作方法をすぐ理解できているか」など、プレイヤーがどのようにゲームを操作しているかを実際に観察することも重要とのこと。
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◆3:プレイヤーのせいにしない
ゲームを遊んだプレイヤーから苦情が来たり、プレイヤーがゲームの遊び方を理解できなかった場合など、プレイヤー側に問題があると考えるのは見当違いであり、プレイヤーをむやみに非難してはいけないとヘンリー氏は述べています。以前、ヘンリー氏が作成したFlashゲームに「ミュートボタンがない」という苦情があったのですが、ヘンリー氏は苦情を無視してゲームを作り続けた結果、別のゲームでも再び同じ苦情を受けてしまったそうです。別のゲームでは、ゲームのルールを理解できないままプレイを辞めてしまったプレイヤーがいたことを認識していながら、問題を無視してゲームを作り、ゲームのプレイヤー数が伸びなくなってしまったこともありました。ゲームの設計がうまくいかないときは保守的にならず、ゲームを改善するいい機会だと思って取り組むべきだとヘンリー氏は述べています。
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◆4:新規性にこだわらない
「他と違うこと」だけにこだわり新規性ばかりを追い求めていると、周りが見えなくなって、思うように動かせないゲームになってしまいます。新規性を生み出すために、あまりにも長い時間を費やしてしまった場合は考えることをやめて、レッスン1に立ち返るべきだとヘンリー氏は主張しています。既存のアイデアを改善していくことには何の問題もありません。そもそも新規性の追加には欠点があり、新規性を持つ要素を理解させるには、まず既存の問題を提起し、その新規性がどう優れているかをプレイヤーに説明してプレイヤーを納得させなければらなりません。
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◆5:何度も練り直す
ヘンリー氏は、アイデアを何度も練り上げ、洗練し、磨きをかけることが大事だと述べています。ゲームの視覚効果であれば、新たなアニメーションやパーティクルエミッタ、サウンドエフェクトを追加するための新しいインスピレーションを得るために、市場に出回っているゲームを見て、細部に注意を払って遊んでみることを勧めています。
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◆6:いろいろな手段を模索する
ヘンリー氏がゲームから得た収入は、Mochi Mediaという広告会社から得る収入がほとんどでした。Flashゲームには広告APIが組み込まれており、ゲームのアップデートを通知する方法がなかったため収益はすぐに0ドルになってしまうそうです。収益のほとんどを1つの会社から得ていただけでなく、作ったゲームのうち2つのゲームの広告ビューが全体の85%を占めていました。「ビジネスの側面をもっと考慮していればFacebookなど他の広告APIや、その他の収入源(ウェブサイトやゲームのブランドバージョンなど)を利用していただろう」とヘンリー氏は述べています。収入を得る方法であれ、ゲームのアイデアであれ、視野を狭くしてはいけないとのこと。
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◆7:自分で作ったゲームを遊んでみる
ゲーム開発で見つけた究極のテスト方法は「自分のゲームをプレイすること」だとヘンリー氏は主張しています。自分で作ったゲームを自分自身が楽しいとさえ思えないなら、他の人にそれをプレイするよう勧められないうえ、ゲームに取り組む意欲や情熱を保つのは難しくなってしまうため「テストするのではなく、遊んでください」とヘンリー氏は語っています。一般的にはドッグフーディングと呼ばれる手法です。
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◆8:プレイヤーが繰り返し遊びたくなる要素を作る
たとえば、スキルツリーなどでキャラクターのカスタマイズが可能であったり、、練習を繰り返すことで上達するスキルが含まれたり、スコアのランキング化などによるプレイヤー間での競争要素が存在していたりと、プレイヤーの選択によってゲーム内での状況が変化する要素、中毒性とも言える長期的な価値をプレイヤーに提供する要素の必要性をヘンリー氏は主張しています。「5分間しか遊んでいないゲームについて友人に話すプレイヤーはいないし、そのゲームについて二度と考えることはないだろう」とヘンリー氏は語っています。ゲームでは多くの場合、プレイヤーがゲーム内の状況を良くできる選択肢が何度も与えられます。プレイヤーがゲームを遊び続けると、プレイしていないときでもゲームについて考えるようになり、友達にゲームの話をするようにもなります。なお、ヘンリー氏はプレイヤーを中毒にするために心理戦を使用することを推奨しているのではなく、プレイヤーに有益な価値を提供することを提案しています。
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