何の変哲もないビルの搬入口に隠れたお店が一日何百皿も売り上げる秘密とは?
飲食店にとって立地は非常に重要なものですが、ビルの搬入口から入った狭い通路の中という全く目立たない場所にも関わらず、連日人が訪れる人気店が存在します。なぜ搬入用通路の一角にお店があり、しかも人気を博しているのか、その秘密がYouTubeのムービーで明かされています。
This NYC Restaurant Is Hidden in a Freight Entrance - YouTube
人でにぎわうニューヨーク。
衣服を多く取り扱う37番通りの……
8番街と9番街の間。
2つの建物の間にある、搬入口が映し出されます。
看板も何もなく、多くの人が素通りしてしまうような搬入口に、そのお店はあります。
お店の名前は「Acuario Cafe」
建物の外からはまったく目立たないお店ですが、知る人ぞ知るお店であり、連日、多くの人が訪れます。
小さな屋台ですが、金属のトレイには出来たてのラテンアメリカ料理がずらりと並びます。
注文した食べ物を持ち帰る人もいれば……
建物の通路に設けられたカウンター席で食べる人も。
ただし搬入口なので、もちろん荷物を運ぶ作業員も通ります。
この男性がオーナーのロドルフォ・ペレスさん。ペレスさんはドミニカ共和国出身で、アメリカに来て26年だそうです。
「この店は私と妻とで営んでいて、時々息子が手伝ってくれます」と語るペレスさん。
朝5時にお店の準備を始めるというペレスさん夫婦は、1日45kgのお米を炊きます。
お店はかなり小さいので、キッチンに入る人数は1~2人ほど。大量の料理を全て手作りするのはかなり大変とのことですが、「出来たてを提供したい」という思いから、料理を作り続けています。
新鮮な野菜に……
熱々の料理。
「みんな私の料理を見るとおなかをすかせるんです」
料理のレシピはペレスさんの祖母から受け継いだもの。
ペレスさんが食べて育った料理を、多くのお客さんが食べているわけです。
確かに盛り付けられる料理はどれもおいしそう……。
お店のメニューはころころ変わるそうですが、よく出るメニューは以下の通り。「ポジョ・ギサド」という鶏の煮込みや……
「ラボ・ギサド」という牛テールの煮込み
そしてドミニカ風スパゲッティです。
また、やぎ肉の煮込みも特に人気とのこと。
ではなぜ搬入口にお店があるのか、というと……
「20歳の時に建物の中で働いていたのですが、たまたまこの場所を買う機会があったのです。友人が『オーブンを入れて、お米や豆を料理すれば』と言い、いいアイデアだと思って始めました」とペレスさん。
開店当初は一皿3.5ドル(約380円)で販売されていましたが、2019年時点では一皿5ドル(約540円)となっています。それでも物価の高騰するニューヨークにあっては激安価格。
1日に何百皿と売上げるそうです。
お店は、特に宣伝などをしておらず、訪れた人が友人や家族を連れてくる……という口コミ式で人気が広まりました。
料理がおいしいということももちろんですが、ペレスさんの人柄もまた、お店の人気の秘密のようです。
「私たちにとって、お客さんは家族です」とペレスさんは語っており、25年もお店に通い続けているお客さんもいます。
「無料にする必要がありそうな人がいれば、料理を無料で提供します」
「この場所からどこかに移ろうとは考えたことがありません。お店は私の子どもです。子どもを手放そうとする親なんていないでしょう」とペレスさんは語りました。
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